表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/25

11.俺と先輩とバレンタイン ~チョコレート大戦争編2~

ものすごく、かなり久しぶりの更新です。

お待ちしていた読者のかた(いるか分からないけど)大変申し訳ありません。

また、今回の話は一切JK出てきません!

JK目当てのかた、次話で!たくさんだしますのでお待ちくださいませ。

それでは今回もお楽しみください!


 「はよーございま。」

 10時を少し過ぎたころ。

 ある人物が省略した挨拶をしてゾンビみたいにフラフラしながら部署にやって来た。

 そのある人物は永江悠志の隣の席に腰を掛ける。

 「おはようございます、新渡先輩。」

 

 「はよ、永江。はや。」


 「先輩、言葉省略され過ぎててよく分からないです。」


 「おはよう、永江。はやいな。」


 「あ、理解しました。なんか家にいてもやることが見つからなくていつも通り来てました。」


 「まじな。」


 「え?」


 「まじめだな。」


 「先輩、略さずに話したほうが早いですよ?」


 「うい。」


 「それはもう略もくそもないですね。」


 昨日の夜遅くまでの居残り残業の疲れが抜けてないのか少しいつもより脱力してるアラサー先輩。

 

 「今なんか失礼なこと考えただろぉ。」


 「なにも考えてませんよ。今日も空は青いですね。」


 「うえーい。」


 会話がいまいち成り立っていないが、手はパソコンのキーボードを必死にたたいて仕事をしている。

 今は2月。年度末の決算もしなければいけないが、月末決算のものもあるためなかなか忙しい。

 数字を打っても打っても次から次にやって来る大量の仕訳待ちの報告書。

 あ~!非リア万歳!!独身童貞彼女なし!!




 10時頃に新渡先輩とやり取りしたあとはひたすらパソコンとにらめっこしておりあっという間にお昼休憩になった。

 いつもなら鈴鹿が作ったお弁当があるが今日は受け取っていないので久しぶりの外食。

 どこにいくかな……。頭のなかでお昼の計画をたてていたら声をかけられた。


 「ねぇ、永江。」


 うしろを振り向くと新渡先輩がいた。


 「永江今日は外?」


 「ええ。弁当忘れちゃって……。」


 「じゃあお昼一緒にどう?」


 「いいっすよ。」


 来たころの脱力感はいつの間にか抜けてて、いつも通りのしっかりした先輩に戻ってた。

 エレベーターに向かうまで他の部署も視界に入ったが紙袋を掲げた女性社員が男性社員に何かを配り歩いてる姿が目につく。

 そうだな、バレンタイン。いっそ義理でもいいよな。大川さんにもらったけどほんとに義理でも大切なんだよ。

 

 「なに、永江。チョコ欲しいの~!?」


 前を歩いてた先輩が急に俺の方を見てイタズラっぽく言ってきたのでドキッとした。


 「そっ、しょ、そ、そ、そんな訳ないですよ。」


 「だよね~。私、永江の分用意してないもん。」


 「ハハハハ。」


 ちなみにこの会社に入ってから新渡先輩どころか女性社員に義理チョコでさえもらってません!





 外に出るや否や新渡先輩はおすすめの場所があると言うのでそこに行くことにした。

 会社から15分ほど歩いたところだろうか。

 オフィス街の近くとは思えない緑が広がった公園。

 「公園すか? 」


 「うん!ここで食べるぞい。」


 「えっ、俺なんもないんすけど。」


 「安心したまえ。」


 新渡先輩は肩にさげてたトートバッグから大きい巾着袋を出した。


 「もう一生食えないかもだからね。」



 公園内でも特に穏やかな場所のベンチに腰を掛けた。

 2月なのに春のように暖かい。公園内を流れているだろう小川や近くの花壇が仕事で疲れた心を癒してくれる。


 「先輩、もしやわざわざ俺のために弁当を…………? 」


 新渡先輩お手製弁当を頬張りながら質問する。

 はじめて食べた先輩の弁当は卵焼きも唐揚げも何もかもが優しい味がした。


 「永江のためではない。」


 「即答ですか。少しは期待したかったです。」


 「本当は会社違う彼氏とここで今日待ち合わせして食べる予定だったんだけど。」


 「別れちゃったの。今朝。」


 初めて見る新渡先輩の寂しい顔。3、4年同じ職場なのに全然知らない。


 「大学の頃に憧れてた先輩。めっちゃ人気で名前覚えてもらうだけでも大変だったのに……。」


 先輩はもう『元彼』になってしまった人について話すうちに泣き出した。


 「うっ……。うっ……。」


 スーツのポケットからハンカチを出して差し出す。


 「これ使ってください。」


 「あざす。」


 「先輩は意外と頑張ってるじゃないですか。仕事だって昨日の残業は担当外なのにやりとげたし、今日のこのお弁当だって。俺ならめっちゃ嬉しいっすよ。」


 「永江~!お前めっちゃいいやつだな。」


 「なんなら今夜飲みに付き合いますよ?」


 「イェーイ!」


 泣いてるんだか喜んでるんだか分からないけど叫ぶ先輩。

 初めて見た先輩の姿だったけれど印象は悪くなるどころか良くなった。






 午後の仕事も終えて新渡先輩と駅の近くで飲んだ帰り道。

 俺も先輩も電車通のため、駅に向かってる時のことだ。

 「くわ~!永江飲んだな!」


 「飲みましたね。 」


 「あ、ごめん。セブン寄っていい?」


 「外で待ってますね。」


 駅にも売店はあるのになぜここに寄ったのかは分からない。

 しばらくして先輩は1つだけコンビニ袋をかかえて出てきた。


 「へい永江!」


 「え、俺にですか?」


 「おうよ!バレンタインだぞ!!」


 コンビニ袋の中には板チョコ1枚。

 新渡先輩らしいな。


 「ありがとうございます。」


 今年のバレンタイン最高だな!!



▼△▼△


 バレンタイン永江悠志チョコレート回収数


回収済→2

未回収→1




読んでいただきありがとうございました!

実はこのサイトやTwitterで感想がいただけるのは大変ありがたいのですが、本作を中傷する感想もありそれに恐怖感を感じしばらく執筆する気分になれませんでした。

まだまだ高校生で勉強不足ではありますが、沢山のかたに楽しんでいただける作品作り全力で頑張ります。

次話は3月上旬に公開予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ