第6話 入学式
とうとうこの日が来てしまった…。
私は14歳になり学校に入学することになった。そして、今日は入学式。
クロノス様の婚約は受けるしかなく、その日から私の王妃教育は始まり、今日までに一通り終わらせてある。
断罪イベント回避のため、あの日から私は人に優しくするようにしてきた。悪役令嬢なんて言われないように…。ただの、黒猫令嬢として…。
学園長の話の最中にトリップしていたが、黄色い喚声で我に帰る。
壇上には、第一王子であり私の婚約者であるクロノス様が立っていた。
3年生のクロノス様は生徒代表として、歓迎の言葉を述べる。
立ち姿も美しい…。
式が終わり、教室に移動する頃に一人のうさぎの獣人が倒れるはす…
。ヒロインとクロノス様のイベン ト……。
倒れたヒロインをクロノス様がお姫さま抱っこするイラストは、すっごくかっこよくて…兎に角、イケメン!
っじゃなくて…、いや、イケメンなんだけど…この時からヒロインがクロノス様を意識し始めるから…阻止しなきゃっ!
えっと………
辺りを見回すと、いた!
可愛いうさみみがゆらゆら、体もゆらゆらしてる子がいる。顔色も悪そうだし、きっとあの子だ。
そっと近寄り声をかける。
「貴女、大丈夫?顔色がよろしくないわ。一緒に保健室に行きましょう?」
「えっと…ご迷惑では…」
「体調がよくないのでしょ?無理も遠慮もいらないわ。」
そう言って、ヒロインの背中に手をあて、支えながら保健室に向かって歩く。
会場にいた先生には保健室に行くことを伝え、会場の外にいたアルにはついてきてもらった。
私は公爵令嬢で珍しい黒猫だから、ボディーガードを連れてくることを学校で認められている。
知らないひとばかりだから、アルがいてくれて安心。
保健室につき、先生に伝えてベットに寝かせる。
「黒猫様、ありがとうございました。」
「気にしないで?あと、私の名前はミーア。」
「では、ミーア様と…。申し遅れました。私はリリィと申します。」
「じゃぁ、リリィと呼ぶから、貴女も私のことは呼び捨てでいいわ。それじゃあ、私は教室に戻るから。またね、リリィ。」
この会話の最中、私とリリィの耳もしっぽも嬉しそうにぴこぴこ動いていたのは、アルしか知らない。
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次回は3月1日16時投稿予定です(*´∀`)♪
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犬飼 蘭U^ェ^U