第3話 犬のボディーガード (アルside)
俺は猫に拾われた。
猫は気ままな性格だから、俺を拾ったらチビも気が向いたからって理由だろう。
連れてこられてから、飯を食べさせられ、風呂に入れられ着替えさせられた。
そうすると、俺はもとの毛づやを取り戻すと同時に元々の性格が出てきた。
(はぁ…)
ため息がでてしまう。
俺はこれからどうなるのだろう。
公爵家に殺されるのか?
…それもいいか……。
両親は病で死んでいないし、兄弟もいない。
ただ無意味に日々を過ごしてた。
このつまらない生活が終わるだけだ。
「貴方、帰るとこはある?」
俺を拾ったチビに聞かれる。
「ない」
そう言うとチビは嬉しそうにしっぽをゆらゆらと揺らす。
「貴方、私のボディーガードになりなさい」
「は?」
「…べ、べつに貴方が可愛そうとか、カッコいいから雇うんじゃないから。私のボディーガードになれば、毎日美味しいご飯だって食べれるし、寝る場所に困らないのよ」
「お、おう?」
チビの勢いに押され返事をしてしまった…。
チビは黒猫のしっぽをゆらゆら、頬をほんのり紅く染め、嬉しそうに笑っている。
よくみると可愛いやつだ。
「貴方、名前と年は?」
「シェパードのスパルム、16だ。よろしくなチビ。」
気がつくと俺のしっぽもゆらゆらと嬉しそうに揺れていた…。
「チビではないわ。ミーア様と呼んで。それと…スパルム…?呼びにくいわね…。そうね…貴方は今日からアルダント。アルと呼ぶわ。」
少しムッとした顔をしながらミーア様と呼べという。
ムッと頬を膨らませるチビも可愛い…。
が、名前まで変えられた。
「はいはい。ミーア様、よろしくな。」
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次回は2月26日16時ごろ投稿予定です♪(*´ω`*)
少しでも楽しい時間を過ごしていいただけたら幸いです♪
犬飼 蘭U^ェ^U