第2話 黒猫令嬢とわんこ少年の出逢い
私の家は公爵家のため、高い地位を持ち国王陛下から土地を授かっている。
その土地を豊かにすることも我が家の務めの1つである。
8歳の私は市場調査と称して町に来ていた。
自分の邸では見たことのないものが溢れている。
屋台で売られているお菓子にパン、道端で芸をしてお金をもらっている者……
そして、私の邸ではほとんどが猫の獣人のため、見たとこのない獣人もたくさんいた。
この者たちを幸せにすることが私の使命…。
私がそんなことを考えながら、外を見て馬車に揺られていると……
「危ない!!」
「…わっ!?」
「きゃーー!!」
馬車が急停止すると同時にさまざまな声が聞こえる。
「お嬢様、申し訳ありません。急に飛び出してきた者がいまして……」
従者が馬車の扉を開け説明してくる。
「その獣人は?」
私はそう言いながら外に出た。
外には、騒ぎを聞いてやってきた者で賑やかになっているが、その中心には私の従者と犬の獣人がいた。しかも、従者は犬の獣人を怒鳴っていた。
「危ないだろ!お嬢様がご怪我をされたら、どうしてくれんだ!」
私がその場に近づいてみると、犬の獣人は痩せ細った少年だった。
「お辞め」
私の一言で辺りが静まり返る。
「怒鳴ってみっともない。貴方、怪我はない?」
犬の獣人に話かけるが、彼は黙ったまま。
犬耳はぺたんとして、しっぽも垂れ下がっていた。
彼は明らかに怯え、震えていた。
貧しい者に当たり散らし、そのままにしては、誇り高い黒猫の名を汚してしまう。
誇り高い存在は貧しい者を救う者、という考えの私は彼を連れて帰ることに決めた。
従者たちに反対されたが、
「いいから、帰るのよ」
と、押しきって連れ帰ることにした。
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次回は2月25日16時ごろ投稿予定です。
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犬飼 蘭U^ェ^U