第18話 アルの秘密2 アルside
俺は家でのゴタゴタがいやになって、こっそり抜け出してきた。
実力のある者が国王になる決まりだから、俺の兄たちはあの手この手で兄弟を片付けようとする。
俺は国王なんて興味ないし、巻き込まれるのがいやだった。
家を出だだけじゃ捕まって逆戻り。なら、この国を出ようと思ってここにきた。
来たはいいがなんにも知らない俺は悪いやつらにカモにされ、ボロボロになってしまった。
こんなことなら、死んだほうが……そう考えることもあった。
そんなある日、俺はミーアに拾われた。
俺の国でも珍しい黒猫。
一瞬で目を奪われた。
ミーアのそばは居心地が良く、そのまま従者をすることにした。
隣国の王子なんて言いたくないし、言ったら国に返されてしまう。そうなったらミーアと離れてしまう…そんなのは耐えられない。ならば、狼であること、王子であることを黙り、ミーアのそばにいる。
いつしか、ミーアも恋心を知った。その相手はこの国の王子、クロノス。クロノスとミーアはお似合いだし、ミーアがしあわせなら黙って見ているつもりだった。
だけど、そうもいかない。
最近のミーアはよく泣く。
それも、クロノスを思って…。
ミーアに泣き顔は似合わない。
笑っていて欲しい。
ミーアの笑顔をクロノスが曇らせているなら、俺がミーアをしあわせにしてやりたい。
諦めていた欲望が沸き上がる。
ならば、伝えてしまおう。
俺が隣国の王子であること、狼であり、ミーアを愛していると…。
ミーアはどう思うだろうか……。
読んでくださりありがとうございますm(。_。)m
次回は3月19日16時投稿予定です(*´∀`)♪