第12話 私のポジションはどこ?
最近、なんだかおかしい感じがする…。
クロノス様とは順調だし……
リリィとは仲よしだし……
だけど…違和感を感じる。
クロノス様とリリィが密会してて、私を悪く言ってる?けど、そんな感じはまったくない。
この違和感はなんなんだろう……。
不安になる。
不安になると私の耳としっぽもしょんぼり……。
気分は落ち込んでも、耳としっぽはしょんぼりさせないようにしなきゃ……。
なんとか気を付けて押さえても、やっぱりしょんぼり…。
「ミーア孃?」
いけない…。またトリップしちゃってた。
あれから、クロノス様とはランチを一緒に食べることが増え、二人の時間も増えた。
そして、今も一緒にランチを食べている。
「なんでもおりませんわ。」
「そうか?……少し私の気分転換に付き合っていただいても?」
「ええ、勿論ですわ」
「では、ミーア孃、お手を…」
そう言って、クロノス様は私に手を差し出してエスコートしてくれる。そのまま、中庭をのんびり散歩する。
「ミーア孃、何か困っていることはありませんか?」
「…えっ…?」
「最近の貴女は落ち込んでいるように思えます。耳としっぽもしょんぼりしているように見えますし…」
「…気にして下さり、ありがとうございます。ですが、大丈夫ですわ。」
「私にできることならなんでも言ってください。貴女の落ち込んでる姿を見たくないのです。貴女の笑顔を見たい、愛している人が落ち込んでいるときは側で支えたい…」
「…ありがとうございます。」
違和感がここにきてわかった。
イベントの全てを私が体験している。リリィがやるべきイベントを…。
クロノス様とのランチに今の台詞……これは全てリリィが言われるはずのこと。
これでは、私がヒロインポジションになっちゃう…。
読んでくださりありがとうございますm(。_。)m
次回は3月8日16時投稿予定です(*´∀`)♪
犬飼 蘭U^ェ^U