表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一粒短編集  作者: はな豆
4/6

電車にて。

 朝の通勤ラッシュというものは、大変面倒だ。

 上京して数年経つけど、電車の車両の中で人間同士ギュウギュウに押し合いながら通勤する、というのは未だに慣れない。

あー、やだなぁもう。私の故郷では電車は二車両編成かつ一時間半に一本やって来る、それに加えていつもガラガラだったのに……。今ではギュウギュウ……。

 ギュウギュウギュウギュウ。

 そういえば。

 ギュウギュウといえば、牛肉……あ、関東では“豚まん”のことを“肉まん”って呼ぶんだっけ。肉の認識が豚肉なのか牛肉なのかっていうのが違いだとかなんだとか母が言っていた気がするけど、本当なのかな。

 私にとっては肉は牛肉かなぁ。肉じゃがに入れるのも牛肉だし。こないだ食堂で食べた肉じゃがの肉が豚肉だった時は衝撃的だった。

 いや、なんで私「ギュウギュウ=牛肉」とか思いついたんだろう。まだ二十代なのに親父ギャグより寒いネタだよ? これ。

 こんなんだからいつまでも変わらなすぎる日常を過ごしている訳で……。あぁ、なんだろう。悲しくなってきた。

 えぇと、なんだっけ。そうだ。ギュウギュウだ。

 こういった状況に置かれるというのは、都会に住むという時点で覚悟してはいた。なんなら少し憧れがあったと言っても良い。

 八両編成とか正に夢だったし(だって故郷の電車の四倍だ)、電車の中が人でいっぱいとか! なんか凄いな! とか! 思っていたのに!

 やはり、夢は見ているのが一番良いのかな……? そんなことはないと、証明したいものだ。


――次は、TOKYOーTOKYOー


 考え事していたらもう着いたみたいだ。

 この機械アナウンスも、慣れてくると好きになってきたなぁ。

 ま、今日も頑張って働きましょうか。

 今晩は牛肉をたっぷり入れた肉じゃがにしよう。うん、決まり!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ