3. うさぎ死す
もーいくつねるとー
はぁ……
現実をみたくない
「あぁ、もう、なんなのよ、あのクソうさぎ!」
私を殺した電柱に、腰をかけて、愚痴を吐く
「あの変態うさぎが!」
「それはほめ言葉かな?」
「はぁ? 褒め言葉なわけが……」
横を向けば、星になったはずのうさぎがいた。
「ぎゃー、幽霊!」
「それはお嬢さんもだろ」
「うっせぇ、私はまだ死んでないんだ。
だって肉体はここにある。
これに入れば私だって……」
白目をむいている私に触れてみるが、
ぷにょぷにょと柔らかいだけだ。
「私って……美肌……って、
生きかえんねぇー」
「そりゃ、死んでるからね」
「ねぇ、どうしてくれんの」
うさぎにつめよる。
「どうやったら生きかえんのよ」
「うーん、それはねぇ……」
「もったいぶるんじゃないわよ
さっさと教えなさいよ!」
「教えてもいいけど、
頼み方がねぇ……」
くそ、このうさぎめ
したをみやがって……
「ッチ、
わかったらよ
お願いします、
どうか生きかえらせてください
はい、これでどうですか!」
「ふむ、強情だな
でも、そこがイイ」
「キッ……(キモイ)
じゃなくて
気持ちいいお言葉ありがとう
で、さっさと生きかえらせなさいよね」
「足りねぇ……」
「えっ? もっと頭を下げろっての!」
「違う……、ニコチンが足りねぇ……」
うさぎは苦しみ出して
地面に倒れた
「はぁ……、はぁ……」
おまけに死にかけみたいに
体が痙攣しはじめた
「ちょっと、
ふざけてないで、
ねぇ、ちょっと」
うさぎはにこやかに笑っているものの
人間部分は明らかな異常を示している。
なんだ、これは、なにが起こっているの
「これを……」
うさぎはたばこを差し出してきた。
「たばこで……」
「たばこで?」
「たばこで……人工呼吸してちょ……」
「するかッ!」
右手は見事にうさぎを捉え、
地中深くに埋めましたとさ。
ひとこと
「はたらくラ王さま」