女神の天門番
私は星錠 神王女
享年17歳。
キラキラネームの被害者だ。
私は親に捨てられて、孤児院に拾われたらしい。
そこの孤児院では苗字は院長が決めて、名前は子供達が決め、その名は変更できない。というルールがあった。
そして当時の悪ガキがこんな名前を付けやがった。
そいつは私が物心着く前に事故で死んだそうだが、もし今生きていれば往復ビンタしてやりたい。
私を名前で呼んだやつも同罪だ。
あと、私は男よりも女の方が好きだ。
レズビアンとかそういうのじゃなくて、可愛い人が好きで、恋愛感情というより趣味嗜好の話。
私の見た目は"ボーイッシュ"という分類らしく、バレンタインに女子からよくチョコを貰う。
いつも一番美味しいのは、可愛い後輩ちゃんのチョコだ。
あまりの美味しさに包み紙もペロペロした。
トラウマは嘔吐。
昔、ブサイク変態ジジィにぶっかけられたのが忘れられない。
仕返しはしたけど。
ーーーこんな感じかなぁ私の自己紹介は
空を仰ぎ見ても真っ暗な闇が広がってるだけ。
こういうのって相場、白い空間とかじゃないのか。
テンプレを守れテンプレを。
体感、7時間くらい待ったのになーんにも起こらない。
多分、異世界転生とか異世界転移だと思うけど遅くない?
もう神様じゃなくで邪神とかでも良いから誰か来てくれないかな。
暇すぎて死にそう。
……もう死んでるけど。
自分を忘れそうだったから、49回自己紹介した。
ナルシストかよ私。
「あの〜」
!
この声は…
キラキラネーム被害者仲間の
「月鏡 魔華呂煮更堕!」
親が生粋のマカロニサラダ好きで、付けられたというキラキラネーム界でもかなり異端な…
あれ、なんか驚いてる?
「なんでウチの本名…」
ん?
…一緒にキラキラネーム被害者の部を立ち上げた仲なのに。
引越しで疎遠になってたとはいえ親友と言える仲だったはず。
「…あ、そっか」
「女神様だからなんでも知ってるんですね!」
いや、女神とかそんなに褒められても困るな〜
女神…?
そういや今の私の体の確認をしていなかったような…
(胸を揉む)
ある、でかい、すごい
(背中を触る)
もふもふでふわふわ
(髪を触る)
サラサラの…金髪?
まさか……私がこっち側⁉︎
「え〜と」
めっちゃ胸を凝視してくる。
この様子だと、私が星錠である事に気づいてないな。
この姿では無理があるけど。
AA(何がとは言わない)だった私がこういう立場になるとは。
感慨深いな。
「女神様のお名前は…その…
ワタシ・メガミダヨヨロシクネ⭐︎さん…でよかったですか?」
………
胸を見ると何か名刺のようなものが掛かっていた。
それにはハッキリとこう書いてあった。
氏名 ワタシ・メガミダヨヨロシクネ⭐︎
階級 新任女神(旧人間)
担当 天門番第八門
「…………」
ギャン泣きした。
星錠の死因は強姦されての自殺。
月鏡の死因は下校時の交通事故。
天門に行く過程で死亡時の記憶は消される。
天門は死者の記憶を消して転生させる門。
天門番が不足の際は死者の中から適当に選ばれる。
名付けはその場のノリ。




