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雪のお地蔵さん
山へと続く細道の
枯草の中のお地蔵さん
誰が被せてくれたのか
赤い毛糸の帽子には
白い雪が薄っすらと
あの子が被せてくれたんだよ
…ますます雪は降り積もる
ほんとはちっとも温かくない
石の地蔵だからね
けれども
気持ちが滲みるんだよ
石だけどね
…どんどん雪は降り積もる
町までは遠い
あの子の温かい身体が
冷えきってしまわないか
心配だよ
色んな人が花を添え
手を合わせてくれる
けれども
願い事を叶えるなんて
できないんだよ
私には
ただ眺めているだけさ
この世という幻を
…降る雪は止みそうにない
つかみどころのない
世の中でも
温かさだけは
本当のものだよ
あの子は無事に
家に帰っただろうかね




