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続・革命のふたつの夜

作者: 稀Jr.

夏目漱石の「明暗」の続編で「続 明暗」という小説がある。それにともなって当時、続編がブームになったのも今は昔である。漱石の「明暗」は未完だし既に亡くなっているのだから続編を勝手に書いても文句は出ないだろうが、筒井康隆はまだ存命だし「革命のふたつの夜」自体は完結した短編なのだから、続編なんて書いたら、それ、一体! と怒られそうな気もするが、いや、怒られた方が面白いだろう。いや、そんなことはないのだが。


いきなりネタバレをすると、女の子が生まれて良かったな、と言う話である。これだとなんだか分からないだろうが、まあ、そのあたりは本編を読んで欲しい。これは続編なので、既に本編を読んでいる人向けなのである。例えば、エヴァンゲリオンの本編を見た後に、映画のエヴァンゲリオンを見て、なんじゃこりゃ! と思うようなものである。ああ、そう、まごころの君へという題名だったかな。これ、本編を見た後に見ると、なんじゃこりゃ! と思うのだが、本編を見てないと、やっぱり、なんじゃこりゃ! なのである。同じ言葉でなんじゃこりゃ! ではあるが、印象はかなり異なる。なので是非見に行くと良い。あ、そうそう、既に本編を見ている人や、その後のシン・エヴァンゲリオンを見ている人には、その感動は味わえない。残念なことだ。時間は戻らないのである。


さて、本題の「続・革命のふたつの夜」に話を戻そう。単純に言えば、暴力性を持つ男性性と保護的な母性である女性性の対立を描いたものである。そう、当時は、アニマニズムということで「男性性」と「女性性」というものがひとりの人の中に存在する、という心理学があったのだ。最近ではアニマニズムと言う言葉は使わなくなったし、男性性や女性性という言葉も使わなくなった。これは、世の中の性というものが「男」と「女」だけではない、ということが解ってきたからである。いや、それ「男男」とか「女女」とかいう話ではないよ。話を急いではいけない。そういう話もあるかもしれないが、それは個人的な趣味の話になるのでさておき...いや、個人的というと語弊があるだろうから、社会的に触れないでおこう...という問題がありそうなので、ちょっとだけ説明しておくと、男の体の中に女がいるし、女の体の中に男がいる、さらに言えば、女の心の中に男がいて、男の心の中に女がいる、という具合である...いや、もうちょっと補足すると、無性ってのもいる。ああ、そう順列組み合わせになるわけだ。多様性ともいうし、ジェンダーフリーともいうし、LGBTQ+ともいうし、お台場シティ...じゃなくてダイバーシティという云い方もする。

そんな訳で、「元祖・革命のふたつの夜」では、女の子で良かったね、というオチでは済まない問題があるのだ。


「これ、女だから平和ってどういうこと?」

「女をなめている」

「女だからって、平和的に解決するとは限らない」

「女だって闘争するし、暴力で解決したいときもある」

「女だからって、母性的であるとは限らない」


という具合である。男だから暴力性を持っていて学生運動の内ゲバに参加してしまうのだが、女だからといって非暴力とはいかない。そもそも、男女というものが二元論では語れない話になっているのだから大変である。続編としても、L なのか G なのか B なのか T なのか Q なのか + なのか、どれにするのか、という話もある。いや、それぞれの結末を作ることも可能ではあるが、それはあまりにも面倒だ。既に短編と言えないし、筒井康隆もそこまで考えていないだろう...というか「好きにすれば?」と言うかもしれない。いや、言って欲しいものだが、なかなかそうもいかない。


だいたい、女の首相ができたからといって戦争が起こらないわけではない。女の都知事ができたからといって少子化対策が一気に好転するとは限らない。女の社長ができたからといって、女の部長ができたからといって、女の校長ができたからといって...と色々続けることもできるのだがここで止めておこう。きりがない。

要するに、性別で判断するのが間違っている。いや、オチ的に性別でオチを付けようとするのが間違っているのだ。じゃあ、年齢か? そこは子供じゃなくて老人がいいのか? 団塊世代がいいのか? 氷河期世代がいいのか? Z 世代がいいのか?

いやいや、そこはカテゴライズとかラベリングとかステレオタイプに頼るのがよくないだろう。単純に男の暴力性、女の母性という区分けではない、変化と対応が求められているのだ。


「核装備が格安でいい」

「軍事費を GDP 比で 2% にしよう」

「第9条を改正しよう」

「みっともない、憲法を変えていこう」

「受動的な平和主義はもう古い」

「これから積極的に打って出なくてはいけない」

「世界の日本を取り戻す!!!」

「Japan is back」


ふたたび、糸井重里の「まず、総理から前線へ。」の出番である。


【完】


あまり、オチになっていないので、書き直すか...

あ「革命のふたつの夜」を読み直したが、どちらも教授が死んでるやん。


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