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第二十一章:嫉妬と、自壊と
その夜、美由紀は黒澤の元を訪れた。
「……ごめんなさい。私、すごくくだらないことで、こんなところに来ちゃって……」
「くだらないことなんてないわ。あなたは今、ただ“自分を守ろうとしてる”だけよ」
黒澤は、美由紀を抱き寄せ、そっと耳元でささやいた。
「あなたは愛されたいの。でも同時に、傷つくのが怖いのよね。だから、自分から壊そうとしちゃう」
涙が止まらなかった。
その夜、美由紀は黒澤の前で、自らを“サブ”として差し出した。
「私を縛って。……もう、自分で自分を止められないの」
黒澤は、深く頷き、ゆっくりと縄を手に取った。
痛みではなく、“受け入れ”の印としての拘束。
布で目隠しをされ、美由紀は自分の中の嫉妬、不安、愛情、哀しみをひとつひとつ感じながら、涙を流し続けた。




