表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/27

第十二章:名前で呼ばれること

それから、美由紀は時折、黒澤のもとを訪れた。


時には手を縛られることで安心した。時には跪くことで、心が静かになった。けれど、そこにあるのは「屈服」ではなく「解放」だった。


何度も黒澤は問いかけてくれた。


「これは“あなたが望んでいること”なの?」


「はい……私、こうして誰かに“いいよ”って言ってもらえることが、嬉しいんです」


美由紀は、幼い頃から誰かの期待に応えようとして生きてきた。女として振る舞うことも、最初はその延長だったかもしれない。でも今は違う。


「私、美由紀って名前を……“愛される名前”にしたいんです」


黒澤は微笑んだ。


「それはもう、十分そうなっているわよ。あなたがあなたを許した瞬間にね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ