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エイジマシン

 それから少しして、ぼくは小学校低学年の背丈になり、そうするとぼくの背が低すぎて、鏡が見にくくなってしまった。

 それでぼくはあわててイスの上に立ち上がった。

 イスがくるくる回りそうで少し怖かったけれど…

 そしてそれからもぼくはどんどん幼くなり続け、もちろん背もどんどん低くなり、小学校一年生、幼稚園の年長さん、年中さん、そして年少さんの姿になり、そこでようやく機械は止まった。

「どうだ、それがお前さんの三歳の姿だ!」

 どや顔で言ってそうな茶トラ先生の興奮した声。

 ぼくはというと、イスの上に立ったまま、ぶったまげていた。

 唖然として腰が抜けそうだったし、それに、今まで着ていた服はだぶだぶだった。

「ぼぼ、ぼく、どうなっちゃったの…げげ! こ、こ、これ、ぼぼ、ぼくの声?」

「そうだ。三歳のお前さんの声だ」

「え~!」

「だからタイムエイジマシンだ。エイジは何だ? イチロウ、お前さんは賢いから、それくらい分かるだろう」

「エイジは…、年齢!」

「そうだ。だからこの機械でお前さんを三歳にしたんだ。どうだ、ぶったまげたか?」

「ほほほ、ほんとすごい。ぶったまげたよ。先生、や、や、やったね! だけどぼく三歳じゃ困る!」

「心配するな。すぐにもどしてやる。今はたしか十二歳と…」

「ぼく、四月生まれだから、三ヶ月!」

「了解。十二歳と三ヶ月だな」

 それから茶トラ先生は、また機械を操作し、そしてまた機械がうなって赤い方のランプが光って、ぼくは生暖かくなって…、それからぼくは元の十二歳の姿に戻された。

 そしてぼくはイスから降りて、カーテンを開けて機械の外に出た。

「すごいすごいすごい。やったね! ねえ、これってどんな年齢にもなれるの?」

「もちろんそうだ」

「じゃ、百歳にも?」

「なれんことはないが、そいつはやめておいたほうがよいかも知れん」

「どうして?」

「お前さんが骨になっとるかもしれんぞ」

「げげ!そうか! そいつはやばいね。だけどこいつはすげえや。どんな年齢にもなれるなんて!」

「そうだろう。だからわしはお前さんに緊急連絡をしたんだ」

「ねえねえ、ところでこの機械、たしかタイムエイジマシンとか言ったよね」

「そうだ」

「で、タイムは時間だろう?」

「もちろんそうだ。よく知っておるな。だからこの機械は、タイムマシンでもあるんだ」

「げげげ! これってタイムマシンでもあるの?」

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