モノローグ 私は孤独な嘘つき狼です。
モノローグ わたしは孤独な嘘つき狼です。
私には、何人も友達が居た。それは嘘じゃない。でも私は大嘘つきだ。本当の自分が出せないから。みんな友達にはなってくれるけど、親友と言ってくれる子には壁を感じる。きっと、みんななんとなく感じてしまうんだ。本当の私を。
でも、本当の私を見つけて欲しいわけじゃない。きっと、見つけられたら淘汰されてしまう。それが私は怖い。
ある日、白い白い、夢を見た。そこには白い私が一人ぼっちで佇んでいた。いくら探しても人は見つからない。この世に私はたった一人なんだって思い知らされた。
でも夢だから大丈夫。そう言い聞かせて私は学校に向かった。
学校に行くと、みんなが私に挨拶してくれる。たったそれだけの事がとても嬉しかった。だってあの夢には誰も居ないから。
「おはよう」
「あ、おはよう」
「おっはよー!」
「おはようさん」
ほら、みんなが私に返してくれる。ここが、私の現実なんだ。薄っぺらい友情でも、構わない。ここには人が居る。
私は、ここに居ていいってみんなが教えてくれる。だから……苦しいわけない。
思わず私は胸を押さえる。苦しいわけないのに苦しい、そして誰も気づいてくれない。みんな自分達の会話に夢中だ。
今ここで素を出したらどうなるだろう。きっとみんなびっくりして止まる。私には協調性が足りないから。結局その場はやり過ごして、しばらくしたら胸の痛みは引いた。ほら、大丈夫。
ある日、また白い白い、夢を見た。そして、私は、驚いた。〈彼〉が居た。私はぼーっとしている彼に話しかける。
あなたはわたしのことをしっていますか
そう、問いかけた。彼は俯いている。それは赤くなった頬を隠すためと気づいたのは数秒後だった。そして私は自己紹介する。『私は詩です』