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有田川町への標

作者: 腐った卵

注 これは旅行記のようなものです。

この文章はノンフィクションです。

ある土曜日、私は朝思い立ってバスで和歌山駅に向かった。

和歌山駅に着いたと思ったら、近鉄百貨店には目もくれず、

すぐにきっぷうりばに行き、1180円の往復きっぷを購入した。

列車が入ってきた。普通列車御坊行き。

車内で発車を待っていると、突然小学生が大量に乗り込んできた。土曜日なのに学校か。と思ったが、後日考えたら運動会だったのかもしれなかった。列車は動き出し、快速で

走り続ける。件の小学生は、皆黒江で降りた。

その後も二十数分乗り続け、ついには藤並に到着した。

藤並は、有田川町の中心駅だ。それなら当然観光案内所もある。

藤並駅にテナントのように入っている有田川町観光案内所に入り、自転車を借りた。前二輪型三輪電動アシスト自転車であった。

まず有田川鉄道公園(交流館)に行った。電動自転車だったので5km程度あったが比較的早くついた。時計を見るとまだ開店前だ。

自転車を止める場所に迷っていると、とあるおじいさんが話しかけてきた。

「自転車はそこらへん止めといたらいいよ」と。

それと、おじいさんに聞いた話では、この鉄道公園では古い車両に乗車体験できるらしいので乗ってみることにした。

時間が過ぎ、開館時間になった。

私は早速切符を購入した。値段は小中学生100円だ。

切符を買ったついでに、まだ乗車体験の汽車は出発するまで

少し時間があるらしいので、鉄道公園に隣接する鉄道交流館にも入ろうとした。しかし、入館料が要るらしい。300円が惜しい大人にはなりたくなかったので、仕方なく購入した。

中に入ると、いろいろな物品がたくさん置いてあった。

旧駅舎時代の藤並駅の看板や、国鉄の制服、制帽、鉄道模型のジオラマの展示、有田鉄道の湯浅行きのサボなど、多くの展示があった。これらについては後でもう少し触れよう。

さて、お待ちかねの乗車体験だ。5分前になり改札が始まり、係員に切符を見せ、乗車することができた。

私の乗った汽車はどうやら、ハイモ180-101という名前らしい。帰って調べて見ると、平成6年に樽見鉄道から譲渡された車両らしい。

さて、汽車は汽笛とともに轟音をたてて動き出した。まずは公園内にある貨車のところまで走るらしい。その貨車の前には

紀州鉄道から譲渡されたディーゼル機関車が繫がれていると

いう。

汽車は貨車に着いたら次は金屋口駅に行くようだ。


貨車に到着した時、運転手が後ろに移動した。再び汽笛を鳴らし、走り出した。交流館前を通過し、少ししたらもう金屋口だ。

到着する寸前、国鉄の急行列車のような見た目の車両が見えた。あれはキハ58003という名前らしいそうで、ネットで調べてみると富士急行から

「部品取り」として購入したらしいが、実際には営業線に入っていたようだ。ナンバープレートのない車のような

ものなのに...

話を戻し、汽車は金屋口駅に到着した。十分間の停車を行うらしいので、私は駅の中や駅の外観を見てみた。当時の駅名標がそのまま残っており、どうやら金屋口の次は御霊駅だそうだ。十分間の停車を済ませ、汽笛を鳴らし、ついには汽車は交流館に戻ってきた。乗ってきた車両を見ると、少し感慨深いものを感じた。さて、乗車を済ませたのでまた交流館に入った。どうやら当日中であればいつでも入れるらしい。

交流館の中を紹介しよう。

まず、入って一番に目につくものは、鉄道模型のジオラマだ。

車両レンタルもできるらしく、まだ借りている人がいないから

大きいジオラマに2つの列車がぐるぐる回っているだけだった。

さて、次に館内を見渡していると見えるのは、引退した

くろしおの座席だ。

普通車の座席と、パンダの柄をした座席と、グリーン車の座席があった。

店員に聞くと、普通車とパンダ柄の方は座っていいとのことだったので、普通車に座った。グリーン車は確認していなかった。

座ると、「これが特急の座席か」と思わず声が出た。

非常に座り心地が良かった。

座席の横には、JTB時刻表があった。

1995年から2022年までの時刻表がだいたい揃っており、私は迷わず1995年の時刻表を選んだ。

本を開くと、そこには今はなき列車の名前が数多く記されていた。スーパーくろしおなんか、今はないのに。

少しばかり疲れたので、本に書いてある特急に思いを馳せてみた。有田川を渡るスーパーくろしお。ノンストップ時代の

ラピートα。この時代の特急、乗れねえかな、と思ったが、そもそも私はそんなに老いてないからそんなものは乗れないに決まっている。

さて、疲れが取れたところで私は館内を再び散策しだした。

普通車の座席の左の方に見えるのは、グリーン車の席だ。

それよりももっと左にゆくと、様々な展示物がある。

サボや国鉄制服、国鉄の車両である銘板の展示、その他にも様々な展示物がある。ぜひ見に行って欲しいものだ。

さて、時刻を見るともう昼時だ。外に出て、藤並駅まで戻った。そこで電動ではない普通の自転車に乗り換えた。

なぜ普通の自転車に乗り換えたかというと、電動自転車というのは有料で、500円に保証金1000円が上乗せされるというものだ。そのせいで、所持金が極端に少なくなってしまっていたのだ。私は自転車を返し、保証金を受け取り無料の普通自転車に乗り換えた。しかし、ここで異変を感じた。

ひどい疲労感だ。予定では新しくできた松屋に行く予定なのだが。携帯の地図を開く。電池がない。私は焦燥感を覚えた。

どうしよう。携帯の電池がなくなってしまった。これじゃあ

松屋の場所もわからないじゃないか。もういい。もう戻ろう。

私は藤並に戻りだした。日光が私の体力を蝕む。

有事ではあるが私は藤並にたどり着いた。

私はもう帰ろうと思った。自転車を返し、

すぐに藤並駅に入った。

もう次の列車で帰ろう。そう思って発車標を見ると、

「しまった。」思わず声が出た。次の列車は13時20発、

特急くろしお20号、新大阪行であった。

私は早く帰りたかった。しかし所持金には余裕がない。

券売機で金額を見てみた。1490円。

なんと所持金はそれほどの金額が余ってしまっていた。

私は購入してしまった。財布が悲鳴を上げる。

ここは無人駅なので後戻りもできない。

3号車9番席窓側。

私はきっぷを握りしめ、親切にも号車の停止位置が書いてあるところの隣に立ち、列車を待った。

列車がやってきた。私は他のとは違う特別急行列車に

乗り込み、座席に疲労感を吸収してもらった。

何度か見た景色が少し違うように見えた。

心なしか列車の騒音が少ないように感じた。

たった二十八分の乗車で、和歌山に到着した。

和歌山からバスに乗車し、ついには家の最寄りのバス停に

たどり着いた。

そこからは歩きだ。

ああ、疲れた。

家が見えた時、私に疲労感がさらにのしかかってきた。

家に入り、そしてすぐに眠ってしまった。


暑かったなぁ・・・あの時。

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