表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アリスさんはテンプレを知らない  作者: 干木津上
アリスさん、異世界へ行く
6/89

アリスさん、新しい自分を知る

ーーーーーーーーーーーーー


名前:アリス


種族:真祖


性別:♀


年齢:1


職業:濃血を操りし者


識別:始まりの真祖


レベル:1


称号:創造神のお気に入り

   転生者

   不滅

   始まりの真祖

   魂の超越者

   夜闇を統べる者

   唯一の存在

   全裸の放浪者

   黒死を解き放ちし者

   人類の敵対者


魔力:86658209371/86658209371


スキル:始まりの真祖


    呪耐性(Lv.MAX)


    時空魔法(Lv.5)


    魔法創造


    原初魔法(Lv.MAX)


    無詠唱


    飛行魔法(Lv.MAX)


    アイテムボックス(血の収納)


    環境順応(中)


    不汚


装備:なし


加護:創造神の加護


ーーーーーーーーーーーーー



……ふむ。


何か色々書いているが、分からないな。

そもそもこれ、私の名前では無い。


私の名前は有栖川京子だ。


「……これ、私の名前じゃないんだけど」


「?何馬鹿を言ってるんだ。それがお前のステータスなんだから、お前以外の名前が書かれている筈がないだろう」


そう言えば新しい身体に生まれ変わったんだから、名前も変わるのは当然か。


……そうなのか?


それにしたって、私の名前はいつからアリスになったのだろうか。神様が名付けてくれたのかも知れないが……。

有栖川だからアリス?

ハハッ笑える。


「何か色々書いてるけど、全然分からない」


「詳しく調べたい項目を頭に思い浮かべれば詳細が出る」


「なる程」


何がなる程かは分からないが、取り敢えずこの種族の「真祖」というものの詳細を見てみようか。


私はその項目を頭で思い浮かべると、ステータスの「真祖」項目の下に詳細が表示された。


ーーーーーーーーーーーーー


 真祖

吸血鬼の始祖。他の種族に比べ、非常に優れた能力を有し、嘗て大陸を支配していた種族。約3 万年前に絶滅したといわれている種族。現在、この世界では、真祖を含めた吸血鬼は本個体のみ存在する。


生物が吸血鬼化したものでは無く、世界が生み出した第ゼロ世代のオリジナルの吸血鬼であり、夜闇を統べる者。

通常の吸血鬼としての弱点(銀、日光、生命維持の為の吸血による魔力補給、ニンニク、十字架、など)を持た無い。不老不死の存在。


ーーーーーーーーーーーーー


「……え?」


私吸血鬼だったの?


確かに、さっきドラゴンの血を美味しく飲んだりしたが、吸血鬼だからだったのだろうか?


否、それ以外考えられない。


だって普通の人間は、無意識の内にドラゴンの血を吸ったり、その血が美味しいなんて思わないもの。


しかし吸血鬼か……。


この「真祖」という種族。

大昔に大陸を支配していたのは良いが、絶滅した種族だとか書いているのを見るに、何とも不安になってくる。


意味は分かる。

私を絶滅種の超希少な存在だと言っているのだろう。

何せこの文章を信じるに、現在この世界に吸血鬼は私しかいないということになるのだから。


というか、3万年前に滅んだとか、最早新種である。


何故そんな種族をチョイスしたんだ、神様……。


確かに種族とか人種とか何でも良いとは言ったが、そもそも吸血鬼って人なのだろうか?

鬼って付くくらいだし、何方かと言うと怪物の類いのような気がするが。


……牙とか生えてたり?


そう思い立って自分の歯を触ると、上顎前側の犬歯、左右二本が鋭く尖り突き出ていた。

八重歯と言い張れなくもないが、牙である。


まぁ、真祖とかいう種類の吸血鬼になってしまったのは良いとして、吸血鬼としての弱点が無いというのはどうなのか。

日光に当たると塵になるとか、ニンニクが嫌いとかって、吸血鬼のアイデンティティじゃないのか?


……わけ分からんな。


「……良くわからないけど、私真祖っていう吸血鬼らしい」


「へぇ真祖か……。って!し、真祖ッ!?」


急にドラゴンが慌てふためき出したのを傍目に、「そう言えば……」と、私は今更ながらに思う。


あの神様、『まあ、安心してよ。ドラゴンなんて滅多に人の前に現れないから。』なんて言っときながら、こっちに来て数分でご対面してるじゃないか……と。


……これは私、このドラゴンと闘わなくてはいけないのだろうか?


否、そもそも自分が人類側か魔物側か分からないし、戦っても勝てる気がしないので、闘わなくて良いのならそれに越したことは無いが。


本当、誰か説明をして欲しい。


「ちょ……ッ!?え?マジで真祖……なの?」


「そう書いてるよ?見る?」


私はステータスをドラゴンに見せようと、ドラゴンの頭に跳び乗り、透明なプロフィール画面をドラゴンの眼前に表示した。


私、ドラゴンに乗ってる!

などと内心はしゃいでいるのは秘密である。


「…………マジじゃない」


ドラゴンがしげしげと私のステータスを眺めている間に、私は他の項目の詳細も見てみる事にした。



 職業:その者が日常従事する仕事。



 濃血を操りし者:真祖が持つ特殊職業。新たな吸血鬼を生み出し、幾つもの眷属を従える。




 識別:その者個人を識別出来得る二つ名



 始まりの真祖:真祖の始祖であり、嘗て滅んだ真祖達とは別の存在。不滅の存在であり、一部の神をも凌駕する力を持つ。始まりの種族の一人。他の真祖と吸血鬼を産み出し束ねる姫である。




 レベル:魔物の討伐やアイテムの作成など、就いている職業における修習度。通常、経験値を一定値まで獲得するとレベルが上がる。

次のレベルまで:50




 称号:その者が成し遂げた偉業を冠する呼び名。一部の称号は、持っている者にステータス補正、能力補正が掛かる。



 創造神のお気に入り:創造神自らによって数々のチート能力を与えられ異世界へと飛ばされた者に与えられた名。面白可笑しいその後を期待されながら、見守られている。

創造神お手製の肉体、創造神が弄った魂を持つ。



 転生者:異世界での生を終え、神によってこの世界に転生させられた者に与えられた名。嘗ての世界の記憶を有し、中には優れた能力、スキルを持つ者がいる。流れ人と呼ばれる事もある。対し、転移者は迷い人と呼ばれる。

運小上昇

言語理解


    言語理解:この世界で使われている大方の言語を理解し、読み書き、話す事が出来る。



 不滅:不老不死であり、思い付く限りの事では殺すことが出来ない、とても厄介な者に与えらた名。

各肉体系統能力値極大上昇



 始まりの真祖:世界に3万年ぶりに誕生した真祖に与えられた名。全ての真祖の姫であり、全ての吸血鬼の母である。

全能力値極大上昇

眷属、制作した真祖にステータス補正、全能力値極大上昇。



 魂の超越者:只人の身には余る魂へと存在が昇華した嘗ての人に与えられた名。

魂魔法耐性中上昇。



 夜闇を統べる者:夜と闇に最大の適正を持ち、夜と闇に適正がある者を統べる能力を有する者に与えられた名。夜間に全能力が飛躍的に上昇する。

夜と闇系統の魔法耐性大上昇

夜と闇に適正のある種族に対するカリスマ性極大上昇。



 唯一の存在:始まりの種族に与えられた名。その種族を束ね、種族最大の能力を有する。

同種族へのカリスマ性極大上昇。



 全裸の放浪者:服を持っていながら全裸で夜の森を駆け抜け、当てもなく彷徨った者に与えられた名。特殊な性癖を持つ痴女か、はたまた服などに囚われる事の無いワイルドな思想の持ち主なのか、それは神のみぞ知る。

全裸時、全能力値中上昇。



 黒死を解き放ちし者:嘗て大陸全土に死と恐怖を撒き散らし、総ての生物から恐れられた黒死の破滅龍エディルアの封印を解いた者に与えられた名。3000年前に12賢者が施した25層もの神級封印結界を、足を踏み入れただけで弾き飛ばした。この世の破滅を望む者なのか、はたまた盛大な馬鹿か。何方にしろ、この者が恐れるものなどこの世には存在しないのだろう。

人類の敵対者を取得。



 人類の敵対者:全人類から敵対される行動をとった者に与えられた名。




 魔力:魔素が生物内に存在出来る形へと変化した物の総称。魔術と、魔法などの一部のスキルを使用する際に用いる。生物が魔力を消費すると、空気中の魔素を吸収し魔力へと変換する。



 86658209371:所持魔力量。人間族成人男性の平均が約300。




 スキル:その者が有し、扱うことが出来る特殊な技能。魔法、強化、耐性等。



 スキル名 始まりの真祖:総ての始祖と吸血鬼を束ねる能力に加え、以下の能力を持つ。


ーーーーーーーーーーーーー


 吸血:吸血する事により対象の生物、魔物が持つ魔力、生命力を取り込む。真祖の場合、吸血は生命活動に必須という訳ではないが、自分より強い個体に対して吸血衝動が起きる。


 血の盟約:自分の血を取り込ませる事により眷属化する。眷属は吸血鬼になり、能力が飛躍的に上昇する。


 血界:血で結界を作る。魔力で血を生成する為、強度、範囲、量、持続続時間等は所持魔力量に依存する。


 吸血鬼作成:魔術を用いて新たな真祖を創造する。造られた真祖は自分の半分〜7割程度の能力を有する。


 高貴なる者:周囲に威圧、恐怖、畏怖などのあらゆる精神的異常を誘発させるオーラを発する。パッシブスキルである。


 眷属召喚:自分の眷属を呼び寄せる。


 血液操作:魔力で生成した血液を操る。強度、範囲、量、持続時間等は所持魔力量に依存する。


 真祖の魔眼:夜目、絶対鑑定、透視、魔力視、魅了などを有する真相が持つ魔眼。


 光弱体化(超微):光線、光魔法、神聖魔法、光魔術、太陽光に心持ち弱くなる。暗い場所にいると少し安心する。


 超再生(極):肉体のダメージ、欠損を瞬時に再生する。


 不老不死:老いが無くなり、自然死をする事が無くなる。


 加護付与(始まりの真祖アリス):始まりの真相アリスの加護を付与する。


 状態異常無効:ありとあらゆる状態異常を無効化する。


 特攻無効:特別攻撃を無効化する。


 上位魔法無効:第六位階以下のあらゆる魔法を無効化する。


 即死無効:即死攻撃、即死魔法を無効化する。


 飛行:翼出現時に飛行特性を得る。


ーーーーーーーーーーーーー



 呪耐性(Lv.MAX):呪系統に対する耐性が上がる。



 時空魔法(Lv.5):空間魔法と時魔法を極めた者が取得する魔法。



 魔法創造:一度だけ、新たに魔法を創造する。緻密な想像力と莫大な魔力が必要。



 原初魔法(Lv.MAX):火土水風光闇の6属性魔法を極めた者が習得する魔法。6属性魔法総てを扱える。



 無詠唱:詠唱無しで魔法が発動出来る。



 飛行魔法(Lv.MAX):飛行系統の適正に関する魔法。



 アイテムボックス(血の収納):異空間に生き物以外の物体を収納する、または取り出す魔法。空間魔法が扱える必要がある。収納出来る異空間のサイズは空間魔法のLvと所持魔力量に比例する。

中身:アリスの衣装一式×1

   木剣×1

   木槍×1

   木杖×1

   木弓矢×1

   木盾×1

   初級ポーション×5

   初級魔力ポーション×5

   銀貨×5

   創造神からの手紙×1



 環境順応(中):あらゆる外環境に適応しやすくなる。



 不汚:その身はあらゆる汚れを許さない。お風呂要らず。トイレ要らず。(お風呂で転けて死んだ少女の事を不憫に思った創造神が、思い付きで作ったスキル)



 (Lv.):そのスキルの習熟度。

    Lv.1:素人

    Lv.2〜Lv.3:一般的な玄人

    Lv.4〜Lv.6:その道の達人

    Lv.7〜Lv.9:その道を極めようとする変態

    Lv.MAX:その道を極めた人外



 装備:無し


 加護:神、若しくはそれに準ずる存在から与えられた力。


 創造神の加護:?????


ーーーーーーーーーーーーー


…………。


一通り項目を見終わった私は息を付くと、空を見上げて呟いた。


「……何だこれは」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=122250714&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ