side.アレイシア 神様、アリスちゃんを知る3
こんにちはアレイシアです。
アリスちゃんが世界の法則を書き換えた後、ヘデラちゃんというアリスちゃんのメイドさんに加護をあげたり、あれこれと確認したりしていました。
それらがやっと終わってアリスちゃんの観察に戻ってみると、なんと!アリスちゃん達がわけの分からない鎧集団に囲まれているではありませんか!
「なッ!何ですかこれは!!」
そして何やらアリスちゃん達に剣を抜き、包囲し、剰え口汚く罵声を浴びせているようです。
これは事案ですよ!
私のアリスちゃんに難くせ付けるだけでも天罰モノだと言うのに!
寄りにも寄って!何ですか!
「ちょっとちょっと、創造神様!!何ですかこれ!何ですかコイツ等!!私の!アリスちゃんに!何してやがるんですか!!」
私は堪らず隣にいた創造神様に掴みかかりました。
おこです。
激おこです。
せっかく可愛いアリスちゃんを見て癒やされる筈だったのに、台無しです。
「いや、ちょ。落ち着いてよアレイシア」
「これが落ち着いていられますか!!良いでしょう、天罰です。私があの一帯を消し飛ばします」
嗚呼、嘆かわしい人間達。
いっそのこと滅ぼしてやりましょうか。
「待って!待って!それはまずいって!あ、ほら、アリスちゃんが動いたよ」
創造神様に言われてアリスちゃんを見ると、どえらい殺気を放ちながら、何故か土下座をしていた鎧野郎を蹴って頭を吹き飛ばしました。
ワオ、アリスちゃん……。
キレています。
友達を殺すと言われてプッツンしてしまったようです。
「ふわぁ……怒ったアリスちゃんも素敵です……」
凍てつくような視線と冷めた声、いつもは可愛いそれらとのギャップにゾクゾクしてしまいます……。
そして、そんなアリスちゃんに脅えて、ヤケになった何人かの鎧野郎達がアリスちゃんに斬り掛かろうとしますが、片っ端からアリスちゃんに首チョンパされていきます。
フハハ、ザマァないですね。
人がゴミのようです。
アリスちゃんに楯突くなど百億年早いってもんですよ。
私は映像に齧り付いて、闘う勇ましいアリスちゃんの有志を目に焼き付けます。
これは神様パワーで映像を切り取って、後で繰り返し鑑賞することにしましょう。
後、私が見ていなかった場面もちゃんと後で見なければいけませんね。
「フヘ……へへ。闘うアリスちゃん、素敵です……」
「……アレイシアさん?ちょっと、見えないんだけど……」
はぁ、痺れてしまいます。
アリスちゃんが私の代わりに愚かな人間共に天罰を与えていると、何やら数人の鎧達が新しくやって来ました。
増援でしょうか?小賢しい人間共ですね。
見ていると、新しくやってきた内の一人が、アリスちゃんへ斬り掛かろうとしている鎧野郎達を止めているようです。
そして、アリスちゃんに近づきヘルムと鎧を脱いで跪きました。よく見ると女の子のようです。
「ちょっと、アレイシア。そろそろ僕にも見せてくれないかな?」
「少し待って下さい。聴こえません」
どうやら、その娘は鎧集団の長で、自分の首を差し出す代わりに仲間を助けて欲しいと言っているようです。
こんな人間もいるのですね。少し驚きです。
そして優しいアリスちゃんはどうやら許してあげるようです。
なんて優しいのでしょうか。
可愛くて、強くて、仲間思いで、優しい。
天使ですか?
天使ですね。
「創造神様……私決めました……」
「……え?何を?」
「アリスちゃんを私の天使に任命します」
「はぁ……いや、何言ってんの?」
「アリスちゃんは私の天使なんです!なので私の天使に任命します!」
「……言ってる事が全然分からないけど、良いんじゃない?それより、僕にもそろそろ見せてよ。女騎士枠の娘は来たかな?」
「……ああ、すいません。来ましたよ。この娘、創造神様の仕込みなんですか?」
「仕込みというか、彼女に出逢わないかなぁと思って、リアデに行くように手紙に書いたんだ。街に着く前に出逢っちゃったけどね」
「それではアリスちゃんと彼女を引き合わせようと?」
「やっぱり美少女騎士はテンプレだよね」
「新しいアリスちゃんの仲間候補ですね。良いですねお約束ですね」
そんな話をしていると、アリスちゃん達が何処かの異空間に行ってしまいました。
何やらメイドさんが建物を造りだしたのを傍目に、私がいなかった間のアリスちゃんの様子を見ることにしましょう。