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アリスさんはテンプレを知らない  作者: 干木津上
アリスさん、異世界へ行く
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side.アレイシア 神様、アリスちゃんを知る2

こんにちはアレイシアです。


どうやら今、アリスちゃん達はスキルを確認しているみたいです。


血で膜を作り出し防御する血界ですか。

アリスちゃんの魔力量ならどんな攻撃でも防げちゃいますね。


ていうかアリスちゃんの魔力量半端ないですね。八百億です。桁が狂ってます。


「お、今度は吸血鬼を作るみたいだね」


「作る……ですか?」


眷属化では無く?


「そうそう。僕があげたチートの一つだよ。真祖を創造するスキルを創ってみたんだ」


生物が吸血鬼化したものじゃなく、世界が作り出した吸血鬼。それが真祖と呼ばれる者です。


彼らは魂の段階が上下する人間や他の生物と違い、魂が不変なのです。

何故なら、彼等が持つ魂そのものが、産まれたものでは無く、世界によって創られたものであるから。

なので真祖は絶対に真祖にしかなり得ませんし、本当ならば人間が真祖になる事なんてありえません。


始まりにして、普遍の禁忌。

それを創造すると言うことは、魂を創るという事に他ならない。

つまりは……


「……それって大丈夫なんですか?」


「大丈夫、大丈夫。お手軽おまかせ機能も着けてあるから、設定をしわすれても混沌が生まれるなんて事は無いよ」


「そう言う事を言っているのでは無いのですが……」


本当に大丈夫だろうか……。


そんな事を言っている間にもアリスちゃんが魔法陣を描き始めました。


魔術に用いる魔法陣は通常、魔力を通しやすい砂銀や特別な墨等を媒体として使って描くのですが、どうやらアリスちゃんは魔力で作った血を媒体として魔法陣を描いているようです。


「あれれ?血液操作を使って魔法陣描いちゃうの?」


「あの血って魔力の塊でしたか?魔力を籠める手間を省いたという事ですね。流石はアリスちゃん、発想が賢者並みです」


まあしかし、複雑な術式ですね……。

大規模儀式魔術並みの魔法陣の規模です。とても人の脳で処理仕切れるものでは無いですね。

中位天使か、伯爵級悪魔くらいなら余裕で呼べそうです。


そんな複雑な魔法陣をすらすらと描き終えたアリスちゃんは、魔法陣に手を当てて魔力を流し込みながら、術式発動の為の呪文を詠唱し始めました。


ああやって魔術を使っているアリスちゃんもカッコ可愛いですね。


真剣な表情で、魔法陣に魔力を流し込みながら……


魔法陣に……魔力を……


「あの。もしかして、あれ魔力流し込んでますか?」


「あらら、あれはヤバイねぇ。ハハハッ」


魔力で作られた血は、言ってみれば魔力そのもの。

それで魔法陣を描き、更にそこに魔力を注ぎ込むなんて、キャパオーバーです。


普通なら、魔法陣に施された術式が暴走して吹き飛んだりするものなのですが……何故かアリスちゃんは上手いこといっているようです。

流石はアリスちゃん。超可愛くて超天才です。


そしてこの長い呪文。


魔法や魔術に使う呪文は長くすればする程に、魔術の規模が大きくなるのですが。かれこれ三分程経った今も、まだ終わりません。

ヤバイです。

そしてまだ魔力籠めてます。


本当に大丈夫ですかねこれ?


「アハハ。これ大丈夫じゃないやつだね」


「……因みに幾らくらい魔力を籠めたんですかね?」


て言うか、何故この創造神様はさっきから笑っているのでしょうか。

もはや笑い事ではないような……。


アリスちゃんの方は、どうやら、漸く呪文を唱え終わったようで、何か魔法陣が物凄く輝いています。


「聴いて驚きなよ?っフフ。五百億だって」


「ごひゃ……」




その瞬間、この世界の法則基盤の一部が崩壊しました。


「……ッ!!?ああぁ……流石はアリスちゃんです……世界法則が捻じ曲げられました……」


「僕の方でも確認したよ。これは……魔術カテゴリーの法則が一部書き換えられたね。フフフッ、流石僕のお気に入り、やる事が半端ないね。具体的には、アリスちゃんが今行った魔術の正当化。それと、その魔術で生まれてくる真祖の望む力が、上限を超えて最適化されるように枠組みの上限を引き上げたって感じかな」


これは放っておいても良いかな。なんて創造神様は言っていますが、放っておくにしても他の神に知らせ無くてはいけません。

というかアリスちゃんメチャクチャすぎです。


「どうしましょう……取り敢えず魔術を司っているのは、カゲラエでしたか。彼女に連絡を……」


そんな時、こ親愛と友情を司る女神のサクマリ、正義と戦を司る女神オルファ、忠義と誠心を司る女神ヒュイマのこの世界の三神から緊急の連絡が入りました。


こんな時にいったいなんでしょうか……。


『あのぅ、アレイシア様ぁ。あたしの司る権能領域に物凄い娘が現れたのですがぁ』


『私もだ。親愛、正義、忠義という概念そのものを、己の名と共に文字通り魂に刻み込んだようだ。どうやったのかは分からないが……正直ドン引きする』


『今し方生まれた真祖ですか……この娘の忠義は度を超えてますよ。これ、加護を与えた方が良いんですかね?』


なんて報告をしてくる三神達。

何ですかそれは……。


「フフフッ。さっきの魔術の影響かな?」


そして楽しそうに笑う創造神様。


これは、他にどんな影響がこの世界に起こっているか調べなければなりませんね……。


と言うか、少しくらい手伝ってくれたりしないんですかね?

半分くらいは貴方のせいでしょう?


アリスちゃんの様子をみてみれば、ヘデラと名付けた新しい真祖と、仲よさそうに笑い合っていました。可愛いです。


「……あ……アリスちゃぁん」


助けてアリスちゃん。


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