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ギャルゲーは異世界でやれ  作者: 成瀬 涼太
一章 『ギャルゲー以外にも』
1/5

プロローグ 『ギャルゲーは異世界でやろう!』



「好きだからわからなくなる。好きだから許せないこともある。好きだから、全部が全部君のことが好きだから、ここまでやってこれたんだ」



目の前の彼女を見つめると自然と言葉が溢れてきた。何度だって言ってやる。何度だって戻ってくる

私のせいだなんて絶対に言わせない。

私なんかなんていう言葉も言わせない


思っているから

大事にしたいと思えるから

君のことを好きだから


今ここで言おう。



「お願いだ。一度俺と死んでくれないか」







*****************************************************







1人暗闇の部屋の中

目の前のデスクトップに目を向ける


主食は主にカップラーメン。それとドレッシングたっぷりのサラダに飲み物といえば決まって微炭酸のメロンソーダー、糖質と甘味料が腹の中でサタデーナイトフィーバーだぜ


手馴れたもののささっとパソコンのパスワードを入力した


今度こそはあの子を攻略しなければ!

昨日はいいところまで行ったのにまさかの寝オチ。ぼっちアンド不登校の俺がオールナイト前提で攻略に向かっていたはずの女の子はとっくに振り出しに戻っていた


セーブし忘れというのは俺の悪いところだ。てへぺろ☆


まぁ、てへぺろ☆なんか言ってるけどアニメとかでよくあるかわいい系の男とかじゃないんだよ俺。言うなら、リア充爆発したまえ!とか言っちゃうようなひねくれたやつなんだよ俺は


マウスをうごかして1つのファイルを右クリック


爽やかでありながらいやらし混じりの声が聞こえたかと思うと6人ぐらいの美少女たちが画面に現れた


俺はゲームオタクであり、やるのは決まってギャルゲーである。

バトルゲーム、いわゆるドラゴ○ボールとかポケ○ンとかそういうのは一切やらない。(主人公かっこよすぎてやっていると羨ましくなって萎えるからなんだけど)


男というものは、俺という人間のような非モテぼっちゲーマーオタクというものはゲームだけでもリア充になりたいんだ!

今こそ始めるぜ俺のラブコメ!


と、オープニングはこれくらいにして早速始めることして、最後の美少女を攻略しに向かおう


最後の攻略相手は翌檜(あすなろ) 美晴(みはる)

アニメとかゲームとかでよくあるぼそぼそ系の女の子だ

いつも教室では1人でいて、幾度となく本を読んでいる。性格に至ってはちょいツンデレらしい(そうやってパンフレットには載ってたんだけど)


銀色の髪が腰ぐらいまであって、めっさ可愛くて、つまり俺一好みのヒロインだ


なら、なぜ最後に好みのヒロインを攻略に向かうのかと疑問に思うやつもいるだろう。それに関してはだな、俺は好きなものを最後までとっておく派だからだ


まぁ、そのせいで弁当に入ってた大好物を『いらないんだったら食べてあげる』ぐらいの軽いノリで食べられた時はめちゃくちゃショックだったってことは1つの経験なんだけど



『誰と高校生活を過ごしたいのかな?』



金髪の女の子がそう問いかけてくる

これはゲームを始める前に誰を攻略しますか?と聞いているわけだ。俺はもう5人攻略済みである。

絢香(あやか)ちゃんも(あい)ちゃんも若葉(わかば)さんも


そう。俺に残るのはただ一人、翌檜ちゃんだけなのだぁ〜〜




「よし、とにかくやるか」




マウスを動かし彼女を選択する




『よろしくお願いします』




このゲームのストーリーは、つい最近共学になったという高校でのことだ。男子生徒は俺ただ一人、たくさんの女の子が俺のことを助けてくれていつしか誰かと恋に落ちる。

みたいな感じだ




「よろしく」




さぁここからが俺の腕の見せ所だ

少し前置きを楽しんで少し彼女の好感度が上がった時だった



目の前に2つの選択肢が現れた。

彼女と勉強することになった俺、いつしか外は暗くなっていてーー



選択肢1 『外も暗いし送っていくよ』

選択肢 2 『じゃあここで』



こんなの2番を選ぶやついるのか?って思うほどのものがそこにはあった。

こんなの1たす1よりも簡単だのと思いながら選択肢1をクリックした




「……迷惑じゃないんだったら」




正解なのかよくわからない言葉を返されたけど多分正解だろうん。

幸先いいぞ、どんどん進んでいこう!


と思って画面を見直すとさっき解いた選択肢とは変わり新しい選択肢が表示されていた


え、そういうやつなのか?

バクなんかじゃないよな?いや、とにかく内容見てみるか



選択肢1 『あなたは彼女をハッピーエンドに

できますか』


選択肢2 『あなたは彼女をバッドエンドに終わらせますか』



「なんだこれ?こんな選択肢がここで聞かれるのか?これはまさかバクとかいうやつなんじゃないのか。こんなの主人公がヒロインに『俺がおまえを幸せにしてやる!』て言わせる質問だろ」



あーこれは完全にバクなんじゃないだろうか

まぁ、数多くのギャルゲをしてきた俺にとってこんなことが起きるのも珍しくはない。

課金しまくったやつがバグで何もできなくなったことがあるぐらいだ


それを考えるとこれはバグとは言いにくいだろう

だから俺は普通に答えてみることにした




「ハッピーエンドにするかバットエンドにするか。そんなの俺の1番好きなヒロインをバットエンドにできるわけがないだろ!」




おふざけ混じりに俺は、そう言って選択肢1を選んだ




「かっこいいこと言ったわおれ……え?」




周りからにぎやかな声がたくさん聞こえてくる。家々が立ち並んでいた俺の近所の面影なんかはそこにはなくて、代わりにあるのがレンガや木で作られた家。明るくて暖かくて、人がいっぱい俺の前を通り過ぎていくーー二足歩行の服を着た犬が




「ほへ?」




俺は目の前のいつもと違う光景に理解ができなかった。どう言葉を発したらいいのかわからなかった。1つ言うなら




「あのー、ここどこですか?」




先ほどまでの暗い部屋の中でギャルゲをしていた空間はここにはなくて、




ーーなんか活気に奮してるここはどこなの?







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