02
夢を見ている
いや、そもそも私は死んだはずだ
ならこの目の前の光景はなんだ
まるで映画の様な光景、ルークという名の1人の少年――彼はどうやら中世の貴族らしい――の日常が流れている
もう随分と長く、只々単調な映像が流れているだけなのに、何故か目が離せない…というより見ようとしている?
と、その時映像の中の少年が馬から落馬した
そして
「えっ!?」
マークが気付いた時には彼の意識は、まるで何かに吸い込まれるかのように薄くなっていった
「……!……ク!」
女性の声が聴こえる、誰の声だ?
それにここは……知らない天井……じゃない、この天井は知っている
「ルーク!」
ハッと目が覚める
「ここは……」
「目が覚めたのね、良かったわ……」
「母上……」
「お父さんを呼んでくるわね」
「はい……」
私の意志ではなく、私では無い何かが返事を返した
どうなっているかわからない
だが視覚から入ってくる情報が先程の映像が何だったのかを解き明かしていく
ここは恐らくさっき観ていた映像の中の世界だ
しかも自分が経験した記憶の様に映像の内容を憶えている、意味が分からない
察するに私はルーク少年の中に居るのだろうが……
「くそったれが……」
神様とやらは随分と嫌がらせが好きらしい
そんな事を考えているとバタバタと足音が聞こえてきた
「ルーク!大丈夫か⁉」
「父上、大丈夫です」
今度は自分の意思で返事が出来た
「そ、そうか、良かった」
「少し気を失っていただけです」
そんな筈は無い、映像を見る限り死んでもでもおかしくはない勢いで頭を打っていた
彼も私と同じ様に死んだ筈だ
……これも神様とやらの嫌がらせかもしれない
色々あって疲れた、しばらく休んだほうが良さそうだ
「父上、母上疲れましたので、もう暫らく休ませて頂きます」
「そうだな、ゆっくり休むといい」
「では、おやすみなさい」
「えぇ、おやすみ、ルーク」
やっぱり小説書くのって難しいですね
登場人物の紹介
マーク・ハミル
アメリカ中央軍司令官
公私共に充実していたが、階段から転落しあっさりとその人生を終える……筈だったがルークと呼ばれる貴族の少年に転生した
名前の元ネタはアメリカの俳優からそのまんま
ルーク少年
貴族の跡継ぎとして育てられていたが、馬から落馬し死亡……するもマークに体を乗っ取られる
最初に返事をしたのは彼の残り滓
多分出てくる事は無い