An Empty Justice
空虚な大義名分なんていらない
欲しいものは害虫どものシ
世界は進歩している。一瞬も歩みを止めることなく。そんな世界の先人たちはあることを考えた。そう人類からある動作を取り払うことだ。それは言わずものがな'死'だ。それを取り払うために先人たちは”果実”を創造した。そして時は流れその果実は先人たちだけでなく可愛い動く傀儡にも渡った。
「へ?」
彼女は呆気ない声を上げた。その時彼女の頭の中で映像が流れた。それが何かは分からない、だが彼女は目の前の光景を理解してしまった。その瞬間ダムが決壊するように言葉が口から噴き出てくる。
「何で動かないの?ねぇこの人何でこんなにも紅いの?喋らないよ?」
彼女の頭の中にQuestionが浮かび続ける。
「それは死んだんだ、君もこうなりたいのかい?」
十五夜は優しく尋ねる。彼女には質問の意味が分からなかった。途端彼女の世界は”今”へのコネクトを止めた。彼女はシャットダウンされた。
「にしてもラッキーでしたね、まさか突然昏睡状態になるなんて」
横の男が言う。
「旧嵜君、一番の困難はここからだよ。楽になったのは部屋に連れ込むことだけだよ。早く”昇華”の準備をして」
十五夜は冷たく言う。
「りょーかいです、十五夜殿」
旧嵜は笑って言った。
「カラダを壊すんですよね、再起不能になるまで」
彼女...いや栞は目覚めた。手には拘束具のような物が引っ付いている。
「あ、起きた?」
旧嵜は笑う。
「何なのここは?一体!私をここから出して!」
彼女は彼に言葉を浴びせる。
「うるせぇな察しろよ、糞女が」
旧嵜は笑って言う。そして彼は彼女に何かを渡した。
それは...ノートだ。
そこには沢山のことが書かれてあった。自分の名前、住所、学校名など、挙げ句の果てにはスリーサイズまで。そして次のページには自分の顔写真が貼り付けられていた。しかし自分の写真のところに微量ではあるがさっき見た紅い液体が付いている。
「僕ね...君のことが好きで好きで...堪らないんだぁ
何故君はこんなにも美しいダイ?君のことが好きでねぇ」
旧嵜が恍惚とた笑みを浮かべて言う。そして服の袖を捲った、そして手袋を外した。そこには自傷行為の跡が沢山あった。
「ねぇ...舐めてよぉ...」
旧嵜が息を切らしながら自分の指を栞の口に近づける。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
彼女は拒絶し、旧嵜の指を思い切り噛んだ。だが、旧嵜は何の反応も見せずに指を口の中に入れる。旧嵜は恍惚とした表情を見せている。そして一瞬で引き抜いた。
「んじゃ遊ぼっか」
旧嵜は笑う。栞はワラった。
彼女が監禁されて数日が過ぎた。毛髪の色は黒から白へと変わった。口の周りはただ紅。扉が開き十五夜王冠が入ってくる。
「お帰りなさいませ、マスター」
彼女は満面の笑みを浮かべて言った。
「最期の遊びだ、この椅子に座ってくれ給え」
彼女は歩み寄る、お菓子の椅子へと。
かなり鬱っぽい展開になっていますが、どうもトマト大好きの二本針怜です。ここではずっと僕明るいので安心して下さい。あ、光を放ってるわけじゃないですよ(笑)。
おかしい部分、文法ミス等々はメッセージ、Twitterで僕に送って下さい。静かに直しておきますので。
遅くなりましたが読んで頂きありがとうございます!