04.眠りについた村長・・・
ミニ人物紹介
主人公、クウヤ
美少女エルフ、アイナ
美男子エルフ、オルテ
村長、ボルク
村長は目を覚まさなかった・・・
いやいや、死んじゃいない!!俺は無実だ!!
「ガーゴー」
村長のいびきが聞こえる・・・
「おじいちゃん寝ちゃった・・・」
まさかそのまま永遠の、いや只寝てるだけだった
「ねぇねぇ、本当にレベル1なの?」
夜になり村長宅に泊まることになった俺は
アイナが作ったご飯を2人で食べている。
「うん、そうなんだよ・・・」
「でも、この森って結構魔物も居るからレベル1でうろちょろ出来るような森じゃ無いのよ?」
どうやらこのエルフの森は、世間では推奨レベルが30以上ないと魔物に対抗できないはずなのだとか。
アイナにしても、大人たちのエルフに混じり狩りをして20後半のレベルがある
オルクはまだ若いが50を超えトップレベルなのだ
そのため、アイナが出歩く時は護衛を勤め、俺がアイナと出会った場所にも一緒にいたのだ。
「いや、本当にレベル1なんだけど・・・」
神様に転移されたからあの場所に居ただけで、森の入り口から入ってきたわけでも無く魔物にもまだ一度も遭遇していない、本当の事を彼女には言っても良いのかもしれないがまだ、少し戸惑う気持ちがある。
折角よい関係になってきているのに壊れることになるかも知れないからだ。
それよりも聞きたいことがあった、スキルについてだ
しかもなにやら『全能の神の寵愛』なんて名前からしてやばそうな
スキルの事を聞いてもいいのか迷う・・・
「あのさ・・スキルってなに?」
とりあえず、暗闇を手探りで歩いていくように、聞いていく。
「えっとね、スキルって言うのは・・・」
スキルと魔法、それは、先天性(生まれる前から持つ天才型の能力)と
後天性(努力して身に付ける努力型の能力)と
スキルの書や、魔法の書など神が創ったと言われる書物付与型のスキルや魔法がある。
「大体この3つに分かれるよの。後は、一子相伝っていう変わった秘伝でスキルを自分から自分の子供か弟子へ付与することも出来るけど、これは少し異質ね」
スキルや魔法については納得できた
「へーそうなのか、ところでさ」
「なあに?」
「神の加護とか寵愛なんてのもあるって聞いたんだけど」
記憶喪失の設定を忘れ、聞いた話だと言葉を濁しながら話を振った
「そうなの、でも加護や寵愛持ちなんてほんの一握りよ
神様に気に入って貰えた人とか、本当の稀にいるけど
寵愛なんて、百年以上前にこの村に来た勇者と、当時この村にいた私のお母様の
お姉様くらいね・・・」
俺はそのレアスキルの事を聞き吃驚しながらも、記憶喪失設定を忘れ
聞いた話だと言ってしまった事に焦ったが、アイナは気付いてはいないかのようだ
溜息をはき
「えーすごいなぁ」
少し棒読みだった
「さて、片付けるね・・・」
俺が食べ終わった、シチューのお皿を片付けながら
「ねぇ、・・・聞いたって誰に聞いたの?」
逃げ切れなかった・・・
洗いざらい喋らされた、最初は神様の事で吃驚し
異世界人という事でもさらに吃驚し、スキルに『全能の神の寵愛』がある事にも
気絶するほどに吃驚していた。
アイナは現実逃避している、吃驚し過ぎて魂が抜けている様な表情をしていたが
ポカーンとしたそんな姿も可愛かった
「ビクッ」
とアイナは現世に戻ってくる、そして一つの可能性に気がついた。
「じゃぁじゃぁ、クウヤは元々こちらの世界にいたって事ですか?」
「んーそうみたいだね・・・でもいつ何処にいたのかは分んないけど・・・」
「でもでも、それじゃぁ私の幼馴染のクウヤかもしれないって事ですか?」
「うーん可能性としては、ゼロじゃないんじゃないかな?分んないけど」
アイナの顔はパーッと明るくなるのが分った。
「じゃぁじゃぁ・・・」
この後夜遅くまで、質問攻めにされ
あれは覚えていないか?これは覚えていないか?と
その、俺とは違うかもしれないクウヤとの思い出を朝日が昇るまで聞かされたのだった・・・
ドラゴンとの戦いはまだだった・・・次回こそは!!乞うご期待
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「ドンドンドン、お嬢!!おはようございます、オルテです。お嬢!!
まさかあのハーフエルフ!!お嬢を!!」
『ドーーーン』
勘違い美男子エルフのオルテが扉を蹴破り家に侵入してきた。
「おじょーーーーー」
俺はあてがわれた部屋で目を覚ましたが、めんどくさいのでもう一度目を瞑る
「おじょーーここですか?『ドーーーン』」
アイナの部屋の扉を蹴破ったであろう音が聞こえ
「キャーーーエッチーーー」
とアイナの悲鳴が聞こえ
『パチーーン』
というビンタであろう凄い音が家中に響いた、後で聞いたがどうやら扉を蹴破ったら
お着替え中の下着姿のアイナがいたそうな、ラッキースケベの部類に入る・・・
いやラキーとかじゃなくほぼ犯罪だろう・・・
暫くの間オルテは、アイナに虫けらを見るような目で見られ
オルテは俺を逆恨みし、
俺はあんな目で見られるくらいならラッキースケベを我慢する事を、心に誓った。
今日の天誅はアイナの強烈ビンタでした・・・
ラッキースケベそれは魅惑の言葉・・・
虫けらを見るような目で見られるのならば俺はそんな危険は犯せない小心者さ・・・