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01.神様と俺

昔、俺は異世界転移など都合のよい物にずいぶん憧れがあった


孤児院で育ち、母親も父親もいない、親戚なんて者もなく

どこで生まれたのかも分らない何時の間にやらその孤児院にいたのだが

孤児院の先生に聞いても分らなかった。


「んー空也クウヤちゃんは、いつの間にかいたんだよね~おかしいな何時だったかな」


あいまいな言葉に俺は失望し、俺は個人ではなく大衆の一部だったのだとその時に悟った。


それから数十年、中学卒業後に孤児院を出た俺は、色々な職業に付いた

何でもしたなんて言ったら、何でも出来るように聞こえるかもしれないが

世間は孤児院をでた中卒の俺には風当たりが辛く

重要な事はさせては貰えず雑用ばかり、何か失敗すれば


「これだから学の無い奴は」


と罵られ、レジでお金が足りなかったら俺のせいにされクビになった

俺はここでも全てをあきらめた。


__________________________



「あれ?今俺は何してたんだっけ??」


走馬灯のように昔の映像が頭を流れる、その映像を見ながら昔の事を考えていたが

ふと今を思い出す


「テレビを見ていて・・・・あ!!あの獣人に殺されたんだった!!」


全てを思い出した、ハっとして周りを見渡す


一面が白色の世界で統一されており、昔読んだ小説を思い出した


「やっと気付いたね」


そう優しそうな声が聞こえてきた


「説明はいるかな?今、彼方アナタの考えている考えが正解だよ」


俺は吃驚した。昔読んだラノベではこんな真っ白い空間に神様がいて

転生や転移をしてくれるんだったかな、なんて浅はかに思っていたからだ


「それじゃぁ、貴方は本当に神様ですか?オレ・・いや、私を異世界に転生させてくれるんですか!!」


俺は興奮して前かがみになりながら神様であろう存在に聞き返す


「そうだよ・・・まぁ・・・「本当ですか?もしかしてチート能力なんてものくれたりするんですか!?」」


神様はあっさりと肯定し、くい気味で俺は質問を返す


「そうだね・・まぁ・・・「やったーーーどんな能力が貰えるんですか!!!」」


「ちょっと落ち着きなさい!!」


怒られた!!話を聞かない俺に激オコだった


「今回は転移です。30過ぎだった彼方アナタは15才程に若返ります

チート能力もあげます。ここまでは良いですね」


「ハイ」


怒らせると凄く怖い神様に、恐れを抱く

いやー本当に怖かった。火山が爆発したかのような衝撃が俺の体を駆け巡った

あ、そういや体は無かった・・・魂みたいなウヨウヨした存在だった

そう、その爆発が魂を駆け巡ったのだ。


「それでですね、実は言っておかなければなりません。彼方アナタは今から転移させる世界の元々の住人だったのです」


「ええ!!」


吃驚発言がきた


しかし、あ、そうなのかと納得する所も多くあった。

さっきの回想シーンにもあった、孤児院での会話

先生達は全員俺の事を、何時の間にか居た存在なのだと認識しているのだ

当時はその程度の存在なのだと悲観したが、その答えを聞くと導かれるのは

本当に何時の間にか孤児院に転生か転移なりし、魔法によるかは分らないが

もしかしたら、記憶の書き換えのような物を先生達はされているのかもしれない

それに・・・


「正解です」


そう、神様からの肯定の返事も頂いた


「正確には転移です、小さな子供の彼方アナタをあの孤児院に避難させました」


『どうして?』


「ごめんなさい、もうすぐ時間のようです。それでは彼方アナタを転移させます、いきますよ!」


俺の心の中の呟きと返事を待たずに神様は呪文を唱えた

あ、そういえばどんなチートな能力が貰えたのかな?

俺が最後に思った事はそれだった・・・


こうして俺はファンタジーの世界へと旅・・いや、出戻った。

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