表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

09.え?もう魔王?

ミニ人物紹介

早とちり話聞かない主人公 クウヤ

悪戯っ子美少女ヒロインエルフ アイナ

最後までかみ合わない美男子エルフ オルテ

孫のバータで登場村長 ボルク

敵役最強魔王   オーガタイプの魔王  

話の流れで登場魔王四天王   ・・・、・・・、・・、・・・・・。

魔王の城に向かい半月にもなる、数々の試練と困難が俺達を待ちうけた

とある王都では、魔王復活の兆しがあると言ったら

衛兵に追いかけられ、魔王を倒す仲間を探しているといったら

鼻で笑われた

神よ本当に魔王復活するんだろうな?間違えでしたで済ませられるレベルじゃないからな!!!



そして、とうとう魔王の城についたのだ

このとき俺のレベルは90を越えている

魔王四天王を名乗る者達を刀の一閃で打ち滅ぼすほどだ


城には何万と言う数の魔物達が溢れている

アイナとオルテと協力し俺達は等々魔王の元へと辿り着いたのだ


「お前が魔王か?」


「ふはははは、よくぞ来たハーフエルフ!!」


横でオルテが魔王ぽく言っているだけだ

「ポカッ」

とりあえず殴っておく




魔王は2㍍を優に越えるほどの背丈で黒のローブに身を包み

そこから覗く目は燃え上がる様な真っ赤な目

気配は今まで戦ってきた魔物達とは月とスッポン

四天王達も赤子に思えるほどの実力差があるだろう

正直勝てる気がしなかった


「これは、やばいな。オルテ、アイナを連れて逃げろ」


「何言ってるの!!私も戦うわ!!」


アイナは震える体を堪えながらそう言った

オルテは目線だけをこちらに向けた

分かった死ぬなよとアイコンタクトで言っているような気がする

最後にオルテと分かり合えた気がした



オルテの心の中

「当たり前だ!お嬢だけは守る。お前の死は無駄にはしないぞ」



魔王の動きは速い

俺を狙って来たかと思ったら、先に逃げるアイナとオルテの方へ向かっていく

弱いものから先に殺すつもりだと直ぐに悟った

直ぐに2人の元へ向かい魔王の突撃を食い止めた


次の瞬間数メートル後ろの壁に叩きつけられていた

受けきったと思っていたが、パワーが断然違う

しかし、アイナとオルテが逃げ切る時間は稼げたようだ


魔王はこちら向き、声にならぬ様な呻き声を上げた

冷や汗が流れる、その汗が目に入りぬぐう間に魔王が消える

下を見ると大きな影が迫る。上だ!飛んだ魔王が下降しながら突っ込んでくる

回避出来ない!壁を蹴り前転するように転がる

さっきまでいた場所はえぐれ壁までもが崩壊している


崩れた壁から魔王が姿を現す

ローブから覗く顔は不敵な笑みを浮かべているようだ

どうやって倒せばいいのかも分からない

考えも正直浮かばない

四天王にも楽勝だったのにこれほどまで追い詰められるとは思ってもいなかった

絶対的な恐怖と後悔、なんで俺がこんな事をしなくちゃいけないのか

死ぬ前を思い出す、あの虎の獣人に殺されたあの日

魔王に比べれば、あの虎など子猫にも等しかった

死に物狂いで倒したドラゴンも魔王に比べれば小さなトカゲ

あの時戦ったあれも、これも・・・




いつの間にか魔王に首を絞められ宙吊りにされていた

どうやらあれは走馬灯だったのだろう

今までの事を思い出し消えていく

アイナとオルテに出会ったことも・・・


ローブから覗く顔に大きな口が見えた


「ぐわぁぁぁaaaaaa」


俺の口から痛みと恐怖込み上げる

左腕を喰われた!!目の前でムシャムシャと己の腕が喰われていく


「かえ・・せよ・・・俺の・・・左腕!!」


僅かに残ったいる力を右手持った刀に込める

下から上へと振り上げるが切れたのは黒のローブ一枚

その下から現れたのは、昔見た絵本に出てきた赤鬼のような

全身が真っ赤でこの世界ではオーガと呼ばれている魔物のようだったが

オーガよりも何万倍も恐ろしく、そしてオーガよりも何万倍も強い


左腕は無くなってしまったが足はまだなんとか動く右腕も・・・

こいつを外に出してはいけないと俺の中の何かが訴えて居るのが分かる

こいつを解き放ってしまえば、アイナがオルテが村長がオウルが

出会ってきた全ての人を不幸にしてしまう存在だ


ここで俺の命を捨ててでも止めねばならない

正直こんな気持ちになったのは初めてだった釣りあうかわ分からんが・・・


痛みを堪え走る、右手の力だけを残し

魔王に向かって走る。俺の命が燃え尽きる瞬間それだけが

最初で最後のチャンス


右手の刀を振りかぶり魔王の懐に飛ぶ、魔王は俺の思ったとおりに

俺の心臓を貫いた。


「お前・・も・・道・・ず・れ・・・だ!!」


血を吐きながらも、最後の力で右手に持つ刀を振り下ろす!!

しかし、魔王の心臓に届く前に俺の命の炎は燃え尽きてしまう



「残念だったね、後もう少しだったのに・・・」


少し悲しそうな神の声が聞こえたような気がした


「クウヤーーーー」


暗闇の向こうで俺の名を呼ぶ声がする

懐かしくもあり、新鮮でもある声

ずっと一緒だった愛しい人の声



目蓋を開けると、魔王の後ろにアイナとオルテの姿が見えた

燃え尽きてしまったと思った命の灰に少しだけ残った種火


『逃げろ』


そう叫びたいが声にはならない

目の前の魔王が笑みを浮かべ2人を殺そうとする


『だめだ2人は殺させない!!』


『神よ最後に力を貸せ!!ほんの少しでいいから成し遂げる力を』


右手が光る、それは『全能の神の寵愛』のスキルが開放された光

自分の命を捨ててまでも心の底から他人を救いたいと思えるものだけが

届く事が出来る力


「よそ見してんじゃねぇぇ」


今までよりも軽く、今までよりも速く、今までよりも力強い

その右手の刀を振りぬく


その刀は魔王の心臓を捉え貫き、魔力に覆われた力の根源をも破壊した


倒れこむ俺の顔を覗くアイナの顔は鼻水と涙できちゃないなぁ

俺の顔は痛みで泣いているだろうか、2人が無事で笑っているのだろうか

命が尽きた俺にはもうその答えは分からない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ