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意外

「レヴィ君が女性になったとしたら、クールビューティって感じじゃないかな?」


「いえてる。バリバリ仕事のできるキャリアウーマン、みたいな」


 同じくジェーナホルダー、雷獣使いの高岡が、隣の席のスタッフと話しているのが聞こえる。

 大槻も、レヴィアタンの姿が見えない事は気になっていた。妖魔の中でも特にプライドの高い彼の事、女性化してしまった事で、精神的な影響がないとはいえない。

 気遣わしげにロキ達を見ると、ロキは大きくため息を吐き、エンはおかしくてしょうがないという風にクスクスと笑っている。


「レヴィもさ、戦ったりするのは、多分問題ないって言っている。

 けど、嫌がるんだよね、でてくるの」


「いざという時に今までと遜色なく動いてくれるのであれば、特に問題はない。できれば本人の姿を見て、きちんと確認しておきたいのだが」


 吉井の言葉が終わらぬうちに、さあ、と霧の渦が起ち、その中から水色を帯びたプラチナ色の長い髪の人物が現れた。ロキとエン以外の全員が、目を丸くして息を飲む。


「え、と、レヴィ君?」


 大槻の、やっとの問いかけに、慇懃に頷くのは、身長1m弱程度、まあるい頬の、三歳くらいの幼い少女であった。


「海水のそうさは、問題ない。

 が、変身のせいぎょがきかず、移動には多少のふべんがある」


 固い口調はそのまま、舌足らずな少女の声で大真面目にそう告げる。そりゃ、こんなに幼くなってしまっては、不便もあるだろう。薗田が席を立ち、レヴィの傍らにしゃがみ込んで視線の高さを合わせる。


「どうして、レヴィ君だけこんなにちっちゃくなっちゃったのかな」


「さあねえ。コイツは作り直されてからあんまり時間経ってないから、その辺が影響しているんじゃねえかな」


 エンの言葉に誰もがなるほど、と頷く。海を統べる王である、海龍、レヴィアタン。今ここにいる彼の前の海龍は、神の意に反して暴走し、消されてしまった、という。その後、新たに生み出されたというのならば、その時期は、人間世界の時間で、三、四年前、という事になる。


「ま、清羅も調べてくれているし。今は待つしかなさそうだね」


 自分に言い聞かせるようなロキの言葉に、全員が諦めたようにゆっくりと頷いた。

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