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152章 宵闇に荒ぶる勇者

 夢すら見ないような深い微睡み。

 だが愛しい人と共に過ごす至福の時間は唐突に破られた。

 鼻先をくすぐる謎の攻撃。

 当惑しつつも煩わしさに眠気を堪え目を開ける。


「またお前か……」


 ミーヌの頭から生えるアホ毛。

 主人には従順な癖に俺には頑固に抵抗したアイツがまたも俺を苛ましていた。


「勘弁してくれよ……」


 まだ日も差さぬ明け方である。

 俺はもう一度寝直そうとしたのだが、


「あいてて……分かった、分かった!

 もう起きるって!!」


 再度襲い掛かってきたアホ毛に目元を強襲され跳ね起きた。


(ホントに自意識あるんじゃないか、こいつ?)


 俺は今もヒュンヒュンと揺れ動くアホ毛から距離を取り離れる。


「ん……むにゃむにゃ」


 一連の騒動も知らず変わらず寝ているミーヌ。

 寝顔ですら綺麗な容貌だ。

 思わず見惚れてしまう。

 こんな最高の女性と一夜を共にしたなんて未だに信じられない気分である。

 でも現実問題、昨夜は随分と無理をさせてしまった。

 心配になりそっと顔色を窺う。

 心身共に激動の一日だった筈だが、ミーヌの顔に疲労の翳はない。

 何か好きなものを食べる夢でも見てるのか、時折口元が揺れ動く。

 幸せそうな寝顔。

 そんなミーヌに釣られ俺も笑顔を浮かべる。


「まったく幸せそうな顔をして……襲っちゃうぞ」


 戯言を呟き踵を返す。

 無論、汗やら諸々やらで汚れた身体を浴室で洗う為である。

 決してブンブンと刃の様に警戒し始めたアホ毛を避ける為ではない。

 念の為。






 焼けるような熱湯と凍えるような冷水とを交互に浴びる。

 曖昧だった意識が活性し、炉に火が燈るような感触。

 気と魔力の循環が更に身体を円滑にしていく。

 シャワーを強め身体をさっぱりして戻ると、ミーヌが目を覚ましていた。

 胸元をシーツで覆い、俺の姿を認めると嬉しそうに微笑み右手を振る。


「おはよう、アル」

「おはよう、ミーヌ。

 身体の調子は大丈夫か?」

「うん。最高の目覚めだったよ♪

 何て言うか……満たされたって感じかな」

「そうか。なら良かった。

 結構無理させちまった気がするからさ」

「そんなことないよ!

 あっ……でも正直言えば、まだ動きづらいかも」

「ん? そうなのか?」

「うん。今魔力を巡らせるから。

 もう少しすれば回復するよ……って、えっ!?」

「こうすればもっと早く回復するかもしれないだろ?」

「ふあっ……んっ」


 ミーヌに近寄り様、昨夜同様お姫様だっこ。

 反論しようとするミーヌを唇を奪い黙らせる。

 放心したように虚脱するミーヌを抱え再び浴室へ。

 溜めておいた浴槽へ優しく横たえる。


「あっ……気持ちいい……」

「だろ?

 ちょっとそのまま」


 浴槽に完全に体重を預けたのを見計らい石鹸を泡立てる。

 俺の欲望で汚してしまったミーヌの身体の端々まで泡を纏った掌で拭う。

 極上の絹の様な触感が伝わってくる。

 指先から肩。

 足元から太腿。

 首元から背中。

 そして……


「あ、駄目……」


 たわわに実った果実の双丘を軽く撫で、美しい曲線を描く腹部を経由。

 うっすらと翳る秘所へとそっと指を忍ばせる。


「やっ……ん……」

「随分と汚しちゃったからな。

 ちゃ~んと綺麗にしておかないと」

「なん……で、楽し……そうかな……」

「いや~ミーヌの可愛い顔を見てるとさ。つい」

「意地悪……はあっ……なん、だから……」

「意地悪な人は嫌い?」

「嫌い、じゃ……ない……けど……

 優しくして……ほしい……」


 羞恥に顔を赤らめながらも、いじましいおねだり。

 目を瞑りそっと唇を突き出してくる少女。

 ああ、あれですね。

 これは理性がぶっ飛びますわ。

 俺はミーヌの唇を小鳥のようについばむ。

 そして広い浴槽に自らも沈めると、荒々しい猛りを鎮めるべく侵入。

 必死に口元を押さえ声を出さない様に努力するミーヌを愛おしく想いながら、その身を絡めていくのだった。












 結論


 若さって素晴らしいですね。

 あと……ごめんなさい、ミーヌさん。

 やっぱり俺はKEDAMONOでした。

 っていうか、相性が良過ぎて正直おかしくなります(まる)。

今年もお世話になりました。

来年度もよろしくお願いします^^

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