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王宮魔術師は旅へ出る  作者: 逆姓 柳
序章
9/12

9話.異世界転移陣

改稿済み

 

「………遺書は貸金庫に預けたし、ソフィアへの手紙も夜にでもなれば届かせるようにしたしもう心残りはない……はず」


 うん、でも自分で用意してあれだけど死ぬ気満々みたいだなこれ


 別に死ぬ気はさらさらと無いんだが、生憎と世界は往々にして危険で満ち溢れているし、備えておくにこしたことはないはずなんだが、行為自体が幸先が良いとはお世辞にも言えないな


 でも部下に同期の奴らにその他諸々に挨拶を済ませた手前今更やっぱりやめたなんて言えんしなー


 先日完成した魔術陣を拡大して地面に写していく


「それにしてもこうも早くこれを完成させられた俺の才能に恐ろしいものを感じるが、さらにそれを事前に実験もせずにいきなり自分で実用するとは我ながら正気を疑うな」


『異世界転送陣』


 それがこの魔術陣の名前、文字通り異世界に飛ぶ効果を持つ術陣、俺が1年と8ヶ月かけて作り上げてようやく完成した陣


 元々は新術の開発に行き詰った俺がいっその事、自分で作るのでは無く人ものを盗作出来ないかという発想に行き着いたその結果、別の世界の術を学べないかと作り始めてしまっていた。だがその研究にはただでさえ膨大な魔力を使用する空間系魔術の応用だったものだから、実験や計測がまるで出来なかった


 描き終わった円形の陣の線上に一定の法則に則ってランタンのような形をした魔力保存器を幾つも配置していく


 極々本当に小規模な実験を繰り返すことは出来たが、本番を迎えるためには魔力保存器を使用してコツコツと内職の如く毎日魔力を貯蓄していき、先週やっと一回分の予定量をためることができる程度、それに魔術陣だって別のデータの流用を混じらせてようやく完成したほどで、混じりっ気無しの純粋な専用の数値でもない


 陣の中央に立ち、腰の後ろに三つ折りの状態で吊ってある大杖を取り本来の長さに展開する


 せめてだからこそ大枚はたいて道具だけは良い物を揃えてはみた、テスに作ってもらったこの大杖の名前はまだ決まっていないが、世界で一番最高の品とも言える逸品だし、ローブには『虚壁』って名前がテスに付けられたし、靴も愛用の断皮の靴を履いてきた、あとは腰に巻いた専用のベルトに短杖を5本挿して、食料品も保存食で10日は死なない程度に用意してショルダーバックに詰め込んだ


 展開した大杖を陣の中央に挿し、両手で握りしめる


 完璧だ、これ以上に何を用意しろって言うんだっ手ぐらい用意したさ……とでも思っておこう、実際用意なんていくらしても足りない時は足りなくなる


「よし、じゃあ行くか、まだ見ぬ世界へ」


 魔術陣がまばゆい輝きを放ち始めて、発動の兆候を知らせてくる


 あっ、そういえば帰りの分の魔力の計算するの忘れてたな


「まぁ、なるようになるか」


 そうして俺はこの世界から姿を消した



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