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お願いの仕方

一日の授業が終わり、明日の準備とか色々あったが、秋山先生の計らいもあって、俺は放課後の職員会議が終わると、すぐに学校を出ることができた。

秋山先生が『放課後の仕事あったら半分ぐらい引き受けてやるよ』とのことで、俺はすぐに職員室を出て、その足で小学校へと向かった。秋山先生。マジでカッコイイ。

休み時間に連絡を入れておいて、放課後に伺うことは相手方も了承済みだ。

家の近くということもあるので、一回家に帰って瑠璃ちゃんを引き取るときにもらった、瑠璃ちゃんの個人を証明するための保健証やなんやらを取りに行って、瑠璃ちゃんも連れていこう。

地下鉄で2駅行き、家へと歩いて帰る。


「ただいまー」


玄関を開けて『ただいま』と言う。すごい久しぶりの感覚だった。

いつもは帰っても電気もついてないんだから、この感覚は・・・ってあれ?

電気もついてなければ『おかえり』もない。

俺は瑠璃ちゃんがいなくなったのかと思って、急いで靴を脱いで中に入った。


「瑠璃ちゃ・・・なんだ。寝てたのか」


瑠璃ちゃんはテーブルに突っ伏して、スースーと寝息をたてていた。

待ち疲れて寝てしまったのだろう。

寝顔が可愛い。そう思い、頭を優しく撫でた。柔らかい髪の毛が手の平に当たって、撫でてるこっちがくすぐったかった。


「んん・・・」


おっと。瑠璃ちゃんが目を覚ましてしまったようだ。


「おはよ」

「あっ。おはようございます・・・」

「よく寝てたね」


そう言うと瑠璃ちゃんが顔を赤くしてうつむいた。可愛い。

こんな短期間で、この子に対して親心が芽生えてしまうとは思わなかった。

今ではもう可愛くて愛しくて仕方ない。

そんな瑠璃ちゃんの頭をポンポンと叩いて手を離した。


「これから小学校に行くんだけど、一緒に行かない?」

「がっこう?」

「うん。瑠璃ちゃんぐらいの歳の子は学校に行かないとダメだし」

「いってもいいんですか?」

「そりゃ瑠璃ちゃんが通う学校だから見ておいた方がいいでしょ」

「・・・・・・」


なぜかうつむいてしまった。

俺、なんか変なこと言ったかな?


「瑠璃ちゃん?」

「・・・・・・」

「どうかしたの?」

「その・・・」

「ん?」


瑠璃ちゃんが何か言いたそうにしている。

なんだ?

小学校・・・

あっ。そういうことか。


「瑠璃ちゃんも学校に通っていいんだよ」

「でも」

「でもじゃない。これは俺からのお願い。学校に通ってくれないかな?」


瑠璃ちゃんは少し悩み、嬉しそうに頷いた。

この笑顔を見れるだけで幸せかも。

でもこれからもっと幸せになってもらえるように努力しようと思った。


瑠璃ちゃんと一緒に小学校にやってきた。

遅くまで残っていたのか、今から帰ろうとしている生徒がちらほらと見える中を、校舎の中に向かって歩いていく。

校舎の入口にある事務室で挨拶をする。今は不審人物が多いから挨拶をしておかないと、誘拐か何かに間違われたらたまったもんじゃない。


「すみません。酒井(さかい)先生いますか?」


俺は約束していた先生の名前を告げると、話は聞いていたというように頷いて、職員室へと内線をかけてくれた。


「ちょっと待っててくださいね」

「はい」


少し待っていると、目の前にある階段から一人の女性が降りてきた。


「すみません。お待たせしましたー」

「いえいえ。こちらこそお時間頂いてありがとうございます。お電話していた武田です」

「こちらこそわざわざお越しになっていただいてありがとうございます。酒井です。・・・あら?」

「あ、お話してたのがこの子です」


瑠璃ちゃんの背中に手を当ててそう言うと、女性は瑠璃ちゃんの前にしゃがみこんだ。


「こんにちわ。お名前は?」


聞かれると、瑠璃ちゃんは俺の顔を見上げて、不安そうな顔を見せた。


「あっ。瑠璃です。武田瑠璃(たけだるり)

「瑠璃ちゃん。よろしくね。担任の先生の酒井です」


瑠璃ちゃんはペコリと頭を下げると、俺の裾を掴んで下がってしまった。

まだ人見知りは治る気配はない。これはこれで可愛いけど、将来的には社交的になってもらいたいかなと親的な目線で考えてしまう。


「すみません。まだ人見知りで」

「大丈夫ですよー。じゃあ手続きしましょうか。どうぞ」


そう言って、俺と瑠璃ちゃんは酒井先生の後ろをついていった。

その間、瑠璃ちゃんは校舎内をキョロキョロと見回しながら歩いていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


どんどんキャラが増えていきます。

きっと僕の作品史上最大のキャラ数になることでしょう。

覚悟くださいませ。


次回もお楽しみに!

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