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運動会の応援の仕方

6月の2回目の日曜日。

今日は瑠璃ちゃんの小学校で運動会が行われる。

北海道の運動会は『スポーツの秋』ではなく、『涼しい夏前』にやるのが普通である。秋にやろうとして、例年より早い積雪とかでできませんでしたーってのも嫌だからかねぇ? まぁ秋って寒いし。やる側としても見る側としてもこの時期のほうが良い。

そして今日の運動会のために、母さんと父さんとじいちゃんも一緒に応援に来ていた。母さんとじいちゃんは朝から張り切ったらしく、俺と父さんが場所取りをして獲得した場所には、3段の重箱が2つ並んでいた。さすが親子だ。思考回路が似てるんだろうな。

瑠璃ちゃんに聞いた情報だと、短距離走と借り物競走、そして騎馬戦に参戦するらしい。

短距離走と借り物競走はわかるんだけど、騎馬戦に至っては、まさかの上らしい。なんでもじゃんけんで負けたって言ってた。非力な瑠璃ちゃんがどこまで勝ち残れるのやら・・・。

午前中は短距離走だけで、午後からは高学年のみの借り物競走と騎馬戦となる。


「ほら! 始まるわよ!」


母さんがめっちゃはしゃいでる。もう参加すればいいのに。


「なんか懐かしいなぁ。まさかまた運動会を見ることになるなんてなぁ」

「何言ってるのよ。正親が結婚してくれたら、孫の運動会見に来れるでしょ」

「まぁ瑠璃ちゃんも娘みたいなもんなんだけどね」


父さんが懐かしそうにワンカップの酒を飲みながら言い、母さんがどこから取り出したのかビールを飲みながら言い、俺がお茶を飲みながら言う。ホント何しにきたんだよ。


「瑠璃ちゃんはまだかい?」

「今1年生が入場したばっかりだから、まだまだだよ」

「そうかそうか。瑠璃ちゃんの勇姿をばっちり撮るために年金はたいて買ったんじゃ。撮り逃ししたら死んでも死にきれんわい。ちゃんと出てきたら教えてくれなきゃ嫌じゃぞ」

「はいはい」


じいちゃんはデジタルなハンディカムを買ったらしく、それを三脚にのせてずっと入場してくる生徒達を撮っていた。バッテリーも予備を3つ買ったらしく、電池切れの心配も皆無だ。あとは技術的な問題で、そのへんは前の日から俺に言い続けている。ホントこの一家大丈夫か?

でも周りを見てみると、あまり大差は無かった。

もう敷物の上につまみやらおかずを並べて、宴会モードに入ってるところもあるし、カメラを2台持ってきてるお父さんとかもいる。

運動会ってこんな感じだったっけ、と思っていたのだが、今までは見る側じゃなくて参加する側だったので、こうして見る側になるのは初めてだった。

運動会を全国大会の決勝戦とかと勘違いしてるのだろうか? はたまたお花見会場かなんかと勘違いしているのではないだろうか?


「ほら正親! 瑠璃ちゃんよ! 瑠璃ちゃん!」

「なにぃ!?」

「どれじゃどれじゃ!」


一斉にテンションが上がる我が一家。見てて楽しいわ。

俺も家族にならって瑠璃ちゃんを探した。5年生の列の前の方で、綺麗に背筋を伸ばして行進していた。

こうやって見ると、瑠璃ちゃんって結構小さいのな。前から2人目だし。後ろの方に行くと、どうしてもゴリラみたいな女の子しかいなくて、男子も年齢詐称してそうな見た目の子が多かった。

瑠璃ちゃんが少しだけキョロキョロして、俺のことを視界に捉えたらしく、手を振って応えると、小さく手を振った。


「キャー! 今私に手振ったわよ!」

「違うだろ! 絶対に俺の方だ!」

「ワシに手を振ったんじゃ! このカメラがバッチリ撮ってるぞ! なんならビデオカメラで確認してみるか!?」


アイドルのコンサートかよ。もう誰に振ったんでもいいからさ、ちょっとは黙れよ。恥ずかしいったらありゃしない。俺だけ違うところで見ようかな。お稲荷さんとザンギだけ持って移動しようかな。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いちゃってもいいんですよ?


北海道の運動会を4部構成ぐらいで書いていきます。

今回をキリ良く終わらせたら、短くなっちゃいました。

ごめんなさい。


次回もお楽しみに!

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