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親友とJKとピザの食べ方

「なんで天野まで座ってるんだよ」

「あのねー、瑠璃ちゃんがどうしてもって言うからここに座ってるんですけどー」

「そんなこと言ってないだろ?」


瑠璃ちゃんがそんな許可を出すはず無いだろ。


「別にええやん。一人ぐらい増えたってピザ2枚も食べきれへんやん。それにこんな可愛い子が食卓におったら華になるやん」

「宏太さん・・・」

「ん?」

「残念だけど、私には心に決めた武田がいるから、宏太さんを選ぶことは出来ないの・・・」

「な、なんやてー!?」

「ごめんなさい!」


こいつら何してんだ?

でも瑠璃ちゃんも楽しそうだし、たまにはこういう賑やかな食卓も悪くないか。


「やれやれ。ほら食べるぞ。冷めたら美味しくないからな」

「いやーおごってもらっちゃって悪いねぇー」

「私なんか押しかけてるんですから大丈夫だって」

「それもそうやな!」

「ちょっとは感謝しろよ・・・」


届いたピザの箱を開けた。

1枚はオーソドックスなマルゲリータ。もう1枚は餅がのったピザ。これにポテトも注文している。

とりあえずマルゲリータを瑠璃ちゃんに1切れ取って、俺も自分の分のマルゲリータを取った。

宏太と天野はそろって餅のほうに手をだしていた。仲いいなこいつら。


「餅うまいやん!」

「食べたこと無かったのかよ」

「ピザに餅入れるなんて頭おかしいとか思ってたんやけど、めっちゃうまいやん!」

「私は餅のは必ず頼んでるよ」

「俺もこれから毎回頼むわ!」


テンションが最高にハイってやつになった宏太は、今にも涙をながしそうなほど喜びながら餅ピザを食べていた。

その宏太を見ていた瑠璃ちゃんもニコニコと笑いながらピザを食べていた。

俺はピザを食べながら飲むビールのうまさを感じていた。

そしてそんな感じでピザをあっという間に食べ終わり、サラダもポテトもサクサクと無くなっていった。

俺と宏太は買っていたワインに手を出していた。

横で天野が飲みたそうにしていたが、ここは教師として未成年に酒を飲ませるわけにはいかないので、諦めさせた。


「なんかこうやって賑やかな食卓って久しぶりだわ」

「毎日来ようか?」

「いや、毎日はいいわ。そういや天野はまだ帰らなくていいのか?」

「えっ? 泊めてくれるんじゃないの?」

「泊めないよ?」

「ですよねー」

「天野ちゃんってどこ住んでるの?」

「新道東からちょっと歩いたとこ」

「マジで? 近所やん。せやったら送って行ったろか?」


そんな近くに住んでたのか。隣駅だったとは。じゃあ中村もそのへんに住んでるのか? そりゃしょっちゅう来るわけだ。


「んーでも悪いから帰ろーかなー」

「ええって。でもオカンとかには連絡しておきや」

「いや、やっぱり私帰るわ。ピザもごちそうになったし、瑠璃ちゃんにも武田にも会えたし私満足!」

「まぁせやったら止めへんけど、気を付けて帰りや」

「うん。ありがとー」


そう言うと天野は立ち上がって玄関のほうへと向かっていった。

俺も立ち上がり、見送りに行った。


「ピザごちそうさま」

「気にすんな。いつも瑠璃ちゃんがお世話になってるから。それよりこっちこそありがとな。瑠璃ちゃんも喜んでた」

「急に押しかけただけなんだけどねー。まぁ終わりよければ全て良しって言うしねー」

「ちょっとは遠慮という言葉を覚えろ」

「アハハ。んじゃまた明日ねー」

「おう。気をつけて帰れよー」


玄関を開けて、すっかり暗くなった外へと天野は出ていった。

中に戻ると、瑠璃ちゃんのほっぺたをプニプニして遊んでいる宏太がいた。


「ホント瑠璃ちゃんはかわええな。うちの子にならへん?」

「ならないです」

「そんなカタイこと言わないでさー。うちに来たら関西弁講座開いたるで」

「どんな誘い方だよ」

「関西弁講座って良くね? はっ! これは金の匂い!」

「しねーよ」


ダメだ。宏太が酔ってきた。いつも以上に意味が分からない。

ワインのボトルを見ると、ちょっと玄関に行っていただけなのに、半分以下になっている。

宏太は酒を飲むペースが早いが、酔うペースも速い。早飲み早酔い。一番めんどくさいパターンだ。

さっきまで天野と普通に会話してたのに、5分も経ってないんですけど。


「ほれ。宏太もそろそろ帰るか?」

「あー? まだダイジョブやって。そんなことより関西弁講座やろうぜー」

「全然大丈夫じゃないから。お前視線が俺じゃないところ見てるから」

「いやーそんなことーないってー。こう視界が俺のスピードについて来られなくて時間差で風景が見えてるんやー」


こいつもうダメだ。早く帰さないと泊める羽目になってしまう。


「ほら。宏太そろそろ帰らないと」

「大丈夫だった!」

「何がだよ!」

「正親・・・お前、ツッコミ上手くなったな」

「そりゃどうも。誰かさんのおかげで上手くなったのかもな」

「フフ。全ては俺のおかげというわけか。これも全て円環の理に導かれた結果か」

「意味わかんねぇから!」


そんなこんなで、宏太はウチに泊まっていきましたとさ。

もうウチに連れてくるのはやめようと思いました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


本棚を買ったら、本棚を買いすぎて困りました。

2つ先に届いたんですが、あと2つが時間差でくるんですよね。

どうしよ・・・


次回もお楽しみに!

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