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新学期の迎え方

忙しかった年度末も過ぎ、新年度の4月を迎えた。

新年度ということで、瑠璃(るり)ちゃんも5年生へと進級し、俺も今年は2年1組の担任となることになった。去年は副担任というポジションだったのだが、正直そこまでの仕事はなかった。その前の年度は担任を持っていた。

数学の教師としても健在だ。こっちも学年が上がり2年生の数学の担当だ。

今日は入学式ということで、体育館での始業式とクラス替えと軽いホームルームだけで終わりだ。要するに顔合わせの日だ。

瑠璃ちゃんは早く帰ることができるということなのだが、俺の方は入学式の準備もあるので、いつもより早いがそれでも夕方になってしまいそうだ。

もともと担任の教師にはクラスの名簿が渡されてはいるのだが、名前だけで見るとなんとも顔が思い浮かばない。歳なのかなぁ。

なにはともあれ始業式に連れていくために教室に入ると、騒がしい声が聞こえてきた。

クラス替え直後ということもあってハイテンションな様子がうかがえる。

ってゆーか俺が入ってきたことにも気づかないってどうなのよ。


「ほらー席についてー」


俺は教卓をバンバンと叩きながら声をかけると、うるさかった教室内は徐々に静まっていき、全員が席につくころには完全に静かになっていた。

ただ1人を除いて。


「たーけだっ!」

「ほら。うるさいぞ。黙ってなさい」

「酷い! 今年は一年間ずっと一緒にいれると思ったのに!」

「あんまりうるさいと辞職するぞ」

「はい。静かにします」


綺麗に男女半々に分かれたせいで、女子の出席番号1番、全体で17番ということで、教卓の目の前に座っている天野恭子(あまの きょうこ)が目の前に座っている。

その隣の列の後ろの方では、中村香恵(なかむら かえ)が頬杖をつきながら片手を上げた。

他にも見知った顔がちらほらいる。そりゃ1年間も数学の授業を全体の半分のクラス受け持っていたら、顔ぐらいは覚えるわな。


「というわけで、今年1年間担任となりました武田正親(たけだ まさちか)です」

「なんか熱血教師っぽくなんかやってー」

「はーい。やりませんよー」


生徒からのちゃちゃを軽く受け流すと、話を戻した。


「えー先生はあまりながい話とかは好きじゃないので、とりあえず今日やることを黒板に書いておきます」


そう言ってから黒板にスラスラと書く。

始業式・ホームルーム・すばやく下校(これ重要)。


「今日は入学式があるので、速やかに下校してください。入学式の準備を手伝ってくれる優しーい生徒は残ってもいいけど、それ以外は速やかに帰るように。学校にいて怒られるぐらいなら、外で遊んでワイワイしたほうが楽しいでしょ」

「バカだなー。学校でダベるのがいいんだべー」

「そんなこともわからないなんて完全におっさんだな」

「よーし。今俺のことおっさんって言ったのは木村だな。内申点マイナス2っと」


ノートに書き込む。

木村太一(きむら たいち)、マイナス2っと。


「なんでだよ!」

「当たり前だろ。名誉毀損だ名誉毀損。俺、まだ25だよ? 端数処理したらまだ20だよ?」

「そこは四捨五入しろよ!」

「そんなこと言ってたら秋山先生飛んでくるぞ? あの人四捨五入しても30なんだから」

「俺より酷いこと言ってねぇか?」


秋山先生はこの学年では有名だ。体育の教師ということもあって、男子の体育は秋山先生がほとんどを受け持っていた。


「まぁそんなわけで今年1年は俺が担任なので、わからないことや質問があればなんでも聞いてください。・・・んーちょっと時間余ったな。じゃあ交流を深めるために質問タイムにでもするか」

「先生は彼女いるのー?」


高尾真太郎(たかお しんたろう)くんからの質問。


「いな」

「私です!」


俺が断ろうとした瞬間に、天野が目の前で思いきり手を上げた。昇竜拳かと思った。


「嘘をつくな。嘘を」

「うー!」

「はい。いませんよー」

「じゃあ高津先生に迫られてるっていうのはホントですかー?」


黄瀬涼子(きせ りょうこ)さんからの質問。

どこから仕入れた情報だよ。

とりあえずごまかそう。


「なんだそれ。誰から聞いたんだよ」

「高津先生がため息ついてたから声かけてみたら『なかなか振り向いてくれないのよ』ってつぶやいてて、ちょっと探ってみたらバレンタインデーになんか本格的なチョコもらってたから、武田先生のことなのかなーって思って」

「武田ってばそんなのもらってたの!?」

「あれは義理だって言ってたぞ。だから脈はない!・・・と思いたい!」

「それ絶対脈あるって!」


クラスの心が1つにまとまったのを感じた瞬間だった。俺も含めて。


「武田! 私というものがありながら他の女にうつつを抜かすなんて!」

「よーし。そろそろ時間だな。廊下に並べー」

「無視しないでよ!」

「天野。俺はもう少し大人しい子が好きだな」

「・・・もう。武田ったら」


なぜ照れる。

俺はそんな天野を置いておいて、他の生徒を廊下へと並べて体育館へと向かった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいぴょん。


ここから2章というつもりで書いてます。

結構時間が飛びましたねー。

正親も担任ということで、新キャラがぞぞぞと増えていきます。

置いてかれないように、スリップストリームで私についてこい!


次回もお楽しみに!

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