表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/91

誘惑の返し方

「最近武田先生ったら、なんか雰囲気変わりましたよね」

「え? そうですか?」


職員室で次の授業の準備をしていると、高津先生が話しかけてきた。


「なんか良いことでもあったんですか?」

「良いこと・・・」


思いめぐらせてみると、良いことというよりも瑠璃ちゃんと暮らし始めて環境が変わったせいだろうか?

さりげなくのつもりなのか、高津先生が俺の肩に手を置いてきた。

最近スキンシップが心無しか増えたような気がする。

もしかして俺のこと本気で狙ってるのか?

もしかしてもしかして俺が宝くじを当てたのを知っているのか?

もしかしてもしかしてもしかして俺が億万長者になったのに気がついているのか?

まぁそこまで感づくような人ではないな。高津先生は結構鋭そうでにぶそう。


「まぁ親戚の子を預かってるんで、環境は変わりましたよ」

「秋山先生と話してるあの子ね」

「聞いてたんですか?」

「聞こえてきたのよ」


そんなに大きい声で話してるつもりはなかったんだけどなぁ。今度からはもう少し声を抑えて話そう。


「可愛いの?」

「まぁ可愛いなんてもんじゃないですけどね」

「私もその子を見てみたいわ」

「あはははー」


こういうのが時々あるから困る。

いつも笑ってごまかしてるんだけど、ここからさらに踏み込まれたらめんどくさいなぁ。


「じゃあ僕、そろそろ行きますね」


俺は立ち上がると、肩に置かれていた手が自然と離れる。

ここまで積極的な女性は苦手だ。どう対処すればいいのかわからないから。


「武田先生っ」

「はい?」

「今日の放課後って時間いただけないかしらっ?」


すこしうわずった声で言われた。


「すみませんが、さっき言ってた子が待ってるんで、早く帰らないと行けないんです」

「そうですか・・・」


肩を落としてあからさまにシュンとする高津先生。

ちょっと悪い気もするが、瑠璃ちゃんのためにもなるべく早く帰ってあげたい。

だから秋山先生と、飲みに行く約束も延ばし延ばしになってしまっている。


「ごめんなさい」

「いえ。いいのよ。気にしないで」


職員室を出ると、秋山先生があとについて出てきた。

そして俺の尻をバシンと強めに叩いた。


「この幸せ者がっ」

「痛いですって」

「その幸せを俺に少しわけやがれ」


訳(俺と高津先生をくっつけるのを手伝え)

不覚にもそう聞こえてしまった。


「僕だって好きで高津先生に好かれてるわけじゃないですよ」

「わーかってるって。まぁ頑張れや」

「秋山先生も」

「おうよー」


はぁ。学校生活で一番大変なのが人間関係だって言うのは、学生時代も教師になってからも変わらないな。


「おっ。武田じゃん」

「中村・・・って今来たのか?」

「うん」

「もう3時間目だぞ。お前授業の日数とか大丈夫なのかよ」

「まだ大丈夫。多分」

「多分って・・・」

「そんなことよりさ、いつ教えてくれるのさ」

「あー・・・また今度な」

「大人はいつもそういうよね。まぁいいけどさ。それで子どもの信用とか無くさないように気を付けなよ」

「お前に言われたくない」

「はいはい。んじゃねー」


ヒラヒラと手を振って去っていく問題児。

あれだもん。担任の伊藤先生は手を焼くのもわかるわ。

さてと、俺も授業行ってこよ。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


短くてごめんなさい。

ちょっとネタ切れみたいです。


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ