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朝の訪問の仕方

ピーンポーン。


朝7時30分。

朝の支度をしていると、家のインターホンが鳴った。

はて? こんな早くに誰だろう?

そう思い、玄関の鍵を開けてしまった。

するとドアは一瞬で全開まで開かれた。


「おっはよーございまーっす!!」


突然の大声。そして突然の来客。

眩しい朝日に目がついていかず、その人物が誰かわからない。

しかし・・・


「あ、天野?」

「天野恭子ちゃんですよー!」


声だけで誰かわかってしまった。


「そんな天野さんは何をしに来たんですか?」

「あ、ちゃんと香恵もいるから安心してね?」


そう紹介されて、ドアの横でめんどくさそうにペコリと頭を下げる中村。

別に中村を待っていたわけでもない。中村がいたからどうこうという問題じゃないと思うんだけど。

天野の考えてることは全然わからない。・・・わかりたくもない。


「で。何しにきたんだ?」

「えへへー。今日はですねー、どうせ料理ができないんだろうと思って、おかずを持ってきましたー!」

「おかず?」

「あっ! やらしい意味じゃないですよ!?」

「わかってるよ!!」


そう言ってビニール袋に入れられたタッパーを差し出す天野。

それを受け取ると、天野は嬉しそうに笑った。


「受け取ってくれてありがとうございますー」

「あ、いえいえ。こちらこそありがとうございます」


互いにペコペコと頭を下げていると、部屋の奥からなかなか戻ってこない俺を見に来たのか、瑠璃ちゃんが顔をのぞかせた。


「あっ! 瑠璃ちゃんおはよー」


しかし訪ねてきたのが天野だとわかると、瞬時に奥へと戻っていった。

そんなに天野が嫌いなのか。


「私・・・嫌われてるのかなぁ・・・」


あからさまにシュンとした天野がボソッと呟いた。

すると天野の後ろにいた中村がクックックッと笑いをこらえているかのように笑っていた。


「そりゃ、あんだけ初対面でやらかせば嫌われても仕方ないっての。プププ」

「私ってば小さい子に好かれる派だったんだけどなぁ。ショックだわー」

「まぁ瑠璃ちゃんは人見知りが激しいから仕方ないって」


それでもスキンシップは苦手だろう。

あれだけ初対面でぐりぐりなでなでされれば、大人しい瑠璃ちゃんでも慌てて逃げたくなるのも無理はない。

天野と瑠璃ちゃんの相性は悪すぎるんだ。こればかりは仕方ない。


「ほら。そろそろ行かないと」

「ん? 今日、何かあるのか?」

「今日は恭子、日直なんだ」

「中村は?」

「あたしはつきそい。恭子がうるさくって」

「うるさいって何さ!」

「あーはいはい。すみませんでしたー」


確かに天野はうるさい。元気とうるさいは紙一重だな。

朝からこんなにハイテンションなのはすごいとは思うけど、絶対に近所迷惑だ。あとで同じマンションの人に怒られても文句は言えない。その時は素直に謝ろう。


「じゃあ武田。私達行ってくるね」

「おう。いってらっしゃい」

「・・・えへへ」

「・・・なんだよ」

「新婚みたいだね」

「やかましいわっ!!」


激しく天野を送り出すと、瑠璃ちゃんが後ろから顔をのぞかせた。


「朝からゴメンね。うるさかったでしょ」


ふるふると首を振る瑠璃ちゃん。


「天野も悪い奴じゃないんだ。だから嫌いにならないでやってな」


すごい難しい顔をして渋々頷く瑠璃ちゃん。

そんなに嫌か。

まぁいいや。

瑠璃ちゃんに準備をするように促しながら中に戻った。

天野からもらったタッパーを台所に置くと、中身を確かめるために蓋を開けてみた。


「Oh・・・」


思わず声が漏れた。

ティッシュBOXの2倍ぐらいの大きさのタッパーの中身は、大量のカレーだった。

俺ってそこまで料理できないと思われてるの?

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


また短くなってしまった。

キリ良く書くと短くなる癖みたいのが出てきて困ってます。

でも調子に乗って書くと、長くなる不思議。


次回もお楽しみに!

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