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人の追いかけ方

ちょっと短いです

宝くじを当ててからというもの、いろいろと生活の面でも変わった気がする。

瑠璃ちゃん然り。

そして後ろを尾行されるという経験も今まではなかったことだ。

いやね、学校を出たとこらへんで『誰かにつけられてるなー』ってちょっと怖いとか思ったんだけど、尾行が下手くそな女子高生の正体はすぐにわかった。

天野と中村だった。

一応もう6時半なんだけど、生徒は部活組以外は帰っていないとおかしいレベル。

そう考えると、確実に俺を狙っていたんだと思う。じょしこうせいこわい。

最初は駅まで一緒なのかと思ってたらそうではないようで、完全につけられていた。

地下鉄に乗っても隣の車両からじーっと見られてるし、同じ駅で降りるし、もうどうしようかと思った。

でもこのまま家まで来られて瑠璃ちゃんの存在がバレるのはマズイので、確保することにした。

とりあえず角を曲がる。よし。まだついてきてるな。

ちょっと急いでもう少し先の角を曲がる。後ろで慌てて追いかけてくる音が聞こえた。

よくあるように、曲がった先では俺が仁王立ちをしておく。これでバッチリ。


「ひゃあっ!」

「うおっ!」

「イタイッ!」


あまりにもすごい勢いでやってきた2人は、突っ込んできて俺を下敷きに倒れた。


「いたたたた・・・ハッ!」

「痛いのはこっちだ・・・早くどけてくれ」


天野がいそいそと、中村がのろのろと、俺の上からどいた。


「武田先生じゃないですか! こんなところで何してるんですかぁ?」

「お前らこそ何してんだよ」

「えー? なんのことか恭子わかんなーい☆」

「恭子。もうバレてるから」


中村は意外と冷静だったみたいで、ふざけた態度をとりながら汗をダラダラ流している天野の背中をポンポンと叩いて落ち着かせていた。


「バレてるの!?」

「バレバレでした」

「うわー・・・尾行にはちょっと自身あったんだけどなぁ・・・」


え? 経験あったの? 先生ショックです。


「そんなことより。なんで俺のことつけてたりなんかしたんだ」

「つけてないもーん」

「じゃあ中村。答えろ」

「恭子が先生の家を突き止めようっていうから尾行してましたー」

「香恵! それは言わない約束でしょ!」

「もう見つかったんだから早く帰ろうよ」

「ここまで来たら武田の家を突き止めてから帰るもんっ」

「誰が教えるか」

「ほら無理だって。帰ろ」

「香恵ちゃんのバカー!」


もうなんでこの2人友達なんだ?

テンション高すぎる天野と冷静でやる気無しの中村。

両極端の2人の歯車ががっちりとかみ合っちゃったりしたんだろうか?

俺は静かに離れていくと、中村はこちらをチラッと見たが、特に何をする気とかではないようで、そのまま天野がワーワー言っているのを聞き流す作業をしていた。


「ふぅ」


助かった。

面倒にならなくて良かった。

中村には今度お礼を言っておこう。

俺はそのまま家へと急いだ。きっと瑠璃ちゃんもお腹を空かせて待っていることだろう。

少し小走りで家のドアの前へと到着し、鍵を取り出して鍵穴に差し込んだ。

ドアを開けたその時だった。


「お邪魔しまーす!」

「お邪魔しますー」

「なにぃ!?」


スルスルと俺の横をすり抜けていくように天野と中村が家の中に入ってきた。

しまった。いつの間にか尾行を再開していたなんて気付かなかった。


「あれ? 誰この子?」

「キャー! 超可愛い!!」


慌てて中に入ると、めんどくさそうに頭をかいている中村と、瑠璃ちゃんに抱きついている天野と、何事か分からずに今にも泣き出しそうな瑠璃ちゃんがいた。

・・・どうしましょ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


キリのいいところってことで、大変短めになっております。

ご了承あれ。


次回もお楽しみに!

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