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幼女だらけの部屋


瞬間移動を経て気が付いた時には、思わず驚愕してしまった。

転生してから、今まで和式暮らしだった俺にとっては気持ち悪くなる程に〝洋風〟な部屋だった。しかしこの部屋は懐かしい〝和〟の名残があり、何処か落ち着くのだ。…でもそれも数秒しか続かなかった。


………誰一人動かないし小さすぎて気付かなかったけど、部屋の両端に真ん中を向いて土下座をする人達に目が止まる。百人近く居るのに誰も動かないし喋らないし…なんだか気味が悪い。


そういえばさっきの幼女も消えてるし。一体俺はどうすれば…。



『あら、貴方が…ニンゲン?』


偉そうに腕組した幼女が俺を見下すように言った。ついでに『フッ…』と笑いやがったしな。見た目は8歳なのに、異常に声が大人びていて気味が悪い。


『何か喋りなさい?ニンゲン。』


誰がお前みたいな偉そうな奴と喋るかと思いながら、そいつを見つめる。サイドには土下座して動かない集団。もしかすると、こんな偉そうな奴が物凄く偉い奴なのか?


『おい。』

「…ったく、何だよ?」


そもそも初めて会う8歳児に「おい」とか言われる筋合いが無い。なんだか無償に苛立ってくる。


『わ…私に偉そうな口答えするとは…、いい度胸だな?』

「こっちだって初めて会う奴に『おい』呼ばわりされる筋合いは無い。」


俺がそう言うとこれでもかと言う位睨まれたが、全てかわした。


『ま、まぁ良い。ニンゲン、お前は私の家来だ。心して励め。』

「ハ、…は?お前にそんな事決められる筋合い…」

『私に逆らうと、ここに居る奴らに一斉に襲われるぞ?』


そう言われ、サイドにいる土下座したままだったはずの奴らは一斉にこちらを向いた。俺はビビリではないが、百人近くのしかも幼女がこちらを一斉に向くなんて、怖い以外の何物でも無かった。


「…俺はさ、記憶の中では牢屋みたいな所に居たんだけど…、」

『あ、ああ。お前の居た所は牢屋では無く、奴隷庫ではないか?私達みたいな奴らが奴隷を買い取る、やり方は言わばオークションのような所だ。』

「お…オークション?」


俺には理解できなかった。俺だけが人間ならばお前らは何なのかと言う話は置いておいても、まず人間を物感覚で扱う事自体が許せなかったのだ。


『奴隷として買い取ったのに「家来」で許してやると言ってるんだ。お前に拒否権は無い。第一私が買い取らなければ、お前は今日にでも処理場で焼かれていたぞ?』


目の前の幼女は真顔で物凄い事を言っているが、嘘には全く聞こえなかった。



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