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闇と光の物語 ~神が人間を創造した理由~  作者: synaria
長期休みから王立学院二年生
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入学式はつまんない? そしてお久しぶりのハンナ様

「あの、違いますよエミール様、話題があれですよ、入学式、なんでそんなに早く終わったのかっていう話ですよ」


 と、私は半ば強引に、話をもとに戻した。

 あまりの強引さに二人ともドン引きして、ルシフェルは『しゃあないなあ』って顔しながら、頭ぽりぽり掻いてるし、エミール様はやっぱり右手を口元に当てて、クックックと笑っていらっしゃる。

 なんか、二人の反応見てたら、私、めっちゃアホ丸出しで、超恥ずかしいんだけど、まあいいや。険悪なムードよりかね。

 私がそんなことを考えていると、エミール様が笑いを堪えながら仰った。


「ああ、それはですね、途中で抜け出してきたんですよ。体調が悪いから保健室に行くとか言って」

「え、途中で抜けてきたんですか?」

「はい、つまらない話が始まりそうだと思ったんで」


 って、エミール様は仰ってる内容はめちゃどぎついのに、めちゃ爽やかな笑顔で仰った。

 つまらない話っていうのは、ジョルジュ先生のお話かな? 確かに去年もちょっと長かったけど、めちゃためになるお話だったのに……でも、特に今年は去年度の上級悪魔潜入事件もあり、貪汚たんお落ちして下級悪魔になった生徒や、精神病棟送りになった生徒もいたので、相当気合を入れてお話になるとは思うけれど……まあ、早い話、それがつまんないと思われたのかも知れないな。

 でも……


「でもそれは、非常に惜しいことをされたかも知れませんよ?」

「それは、どういう意味でしょう、ソフィー様?」

「めっちゃ色っぽい派手な帯した先生と、めっちゃ暑苦しい雰囲気を醸し出した筋骨隆々の先生、いらっしゃいませんでした?」

「はい、いましたね」

「その先生方は、去年度のうちに『聖具』を手に入れていらっしゃるんですよ。お二方は去年の入学式の挨拶も実に個性的で面白かったのですが、今年はどんだけはっちゃけられたのだろうと思うと、想像するだけで笑えてきます」

 すると、ルシフェルの顔がぱぁっと輝いて、

「それは確かに言えるな! 俺、見てみたかったかも!?」

「ルシフェルは、見るだけじゃなく、参加もするんでしょ?」

「エイデン先生、イミフな歌も歌ったのかな? めっちゃ悪乗り相槌で盛り上げてやるのに!」


 そう言ってルシフェルは、大笑いし始めた。もちろん私もつられて一緒に笑う。

 そんな私たちを、エミール様は少し寂しそうにご覧になった。


「お二人は、とても仲がよろしいのですね」

「それはもちろんです。姉弟でもあるし、それにいつも色々と助けてもらい、ルシフェルには恩しかありません」


 私は笑顔でそう言うと、エミール様は少し険しい顔で考えられたのち、仰った。


「……なるほど、承知いたしました。私がその入学式でのお二方の詳細を、一年生を買収し、調べて参りましょう」


 ば、買収? なんて物騒なことを仰るんだ、エミール様は?!

 私が驚いて、目をぱちくりさせていると、


「買収と言いましても、金銭ではありませんよ。その者が欲している物を差し出す代わりに情報を得るという、極めてシンプルな方法です。何の問題もありません」


 と、いとも事も無げに仰るエミール様……

 いや、お金が物になっても、買収には違いないと思うけどな……

 でも、誰に迷惑をかけることなく、お互いに利をもたらしwin win なら、それもアリなのかな?

 それに、貴族のご子息ご令嬢は、お金持ちの方々も多いから、お金よりも、お金では手に入れられない物のほうが、喜ばれるかも知れない……って、べ、別に、エミール様の買収作戦に賛成なんじゃ、な、ないからね?

 って、心の中でツンデレ風に言い訳していると、ルシフェルが、


「ま、まあ、その話だったら、聞いてやってもいいかもな」


 と、まんざらでもない様子だった。

 ちょっと赤くなって、明々後日のほうを向いているルシフェル、ルシフェルのツンデレもちょっとかわいいって思っちゃう。

 ルシフェルは基本友だち多いし、色んな男子と付き合えるタイプだから、私の件がなかったら、仲良くなってたかも知れないな……いや、私の件があっても、なんとか私も努力して、諦めてもらう方向性で頑張るんで、二人仲良くなってくれたらいいなって思った。




 それから女子寮に戻ったあと、もう時間はランチの時間を少し過ぎていたので、慌てて女子寮の食堂に向かった。

 すると後ろから、私を呼ぶ声が聞こえて来た。

「ソフィー様」

 振り返ると、そこには相変わらずめちゃかわいらしいハンナ様がいらっしゃった。ピンクのボブヘアは健在で、そんな風に微笑まれると、ホントお人形さんみたいだなって思う。

「ハンナ様! お久しぶりです!」

 お互い小走りで寄って行って、思わず手を取り合い再会を喜び合った。

「ソフィー様、お元気そうですね」

「はい、ハンナ様も」

 私たちは笑顔でそう挨拶をしあって、一緒にランチを取ろうということになり、食堂に向かった。


 食堂の今日のランチメニューは、なんと、サンドイッチだ!

 おお! クラウス先生も、宮廷料理長も、めちゃ仕事早い! 早速王立学院の食堂に、レシピを流して下さったんだな。めちゃ感動って思った。

 ちなみに今日のサンドイッチは、卵サンドとハムレタスサンドというシンプルめなサンドイッチだけど、最初のうちはサンドイッチとはなんたるかを知ってもらいたいので、シンプルなほうがいいと思う。

 私たちはカウンターでサンドイッチを受け取り、席に着いた。


 ハンナ様、めちゃお目々キラキラさせていらっしゃる。気に入って下さるといいな……


 すると、サンドイッチをひと口入れたハンナ様、めちゃ感激もひとしおって感じで、声を上ずらせながら仰った。


「ソフィー様! この新メニューのサンドイッチという食べ物は、味も触感も新しくて、そして何よりすごく美味しくて、素晴らしいですね!」


 おお、ハンナ様、気に入って下さったみたいだ!

 私もひと口食べてみる……うん、神体山山頂のピクニックのときに食べたのとは違って、学生向けなのかマスタードっぽいのは入ってなかったけど、それはそれで、めちゃ美味しい。


「本当に、ハンナ様。とってもおいしいですね」


 私たちはめちゃ頬緩ませて、満面の笑みでサンドイッチを頬張った。

 そして、感激の美味しさにも少々慣れてきたところ、ハンナ様が口を開かれた。


「ところでソフィー様、わたくし、今年からソフィー様とクラスが離れてしまったこと、とてもとても残念に思っているんです。せっかく仲良くなれましたのに……」

「実は私もそのように思っていました。とても残念です……」


 ハンナ様が私と同じ気持ちでいて下さったのは、嬉しいな……でも、そうなると余計に、同じクラスになれなかったのは、寂しいかも……


 そう言えば、クラス分けには魔力量を計る魔術具が使われたという。

 ちなみに私は魔力量が多すぎてその魔術具を壊してしまうため、クラウス先生に言われ、クラス分けには参加していない。自動的に魔力量が多いクラスとなった。


 で、去年年度末にクラス分けが行われたらしいけれど、闇クラスの登校拒否していた生徒たちは参加できなかったので、長期休み中に、いつでも王立学院に来て、クラス分けテストを受けても良いということになっていた。

 そして、登校拒否していた半数くらい、十人程度は受けに来たものの、王立学院に行くのにまだ躊躇いがあるからか、自身の魔力量に自信がないからか、理由は定かではないけれど、残りの半数ほどはクラス分けテストに参加しなかったという。

 それで、その生徒たちへの救済措置というか、公平を期すためと、あと、この年齢の生徒たちは成長期なので、いつでも魔力量が増える可能性があるため、在学中は申請すればいつでもクラス分けテストを受けることができて、魔力量が一定以上なら、魔力量が多いクラスへと、いつでも編入できるそうだ。


 その制度、ハンナ様も挑戦して下さらないだろうか……

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