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闇と光の物語 ~神が人間を創造した理由~  作者: synaria
転生から王立学院一年生
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七大悪魔のつづき

 強欲のマモンは、金銀財宝大好き系悪魔だという。別に、大好きなだけならまあいいんだけど、不正な富に限定しているんで、めちゃ恐ろしい。

 時々ニュースで見た政治家の贈収賄、”ヤクザのみかじめ料”顔負け……いや、金額を考えたら、そして元手が税金って思ったら、ヤクザ以上に酷いって思ったことあるけど、そんな感じの限定なんだろうか。

 お金を持ってると言えば、富豪である一部の平民と貴族。マモンの誘惑に負けてないといいなと思う。


 嫉妬のレヴィアタンは、大ウソつきで、人に憑依するのも得意という。

 なるほど、もし大ウソつきな人間に出会ったら、悪魔が憑依してるのかも知れないと、疑ってかかってみることにしよう。

 でも、嫉妬って怖いよね。私は育ちが育ちだから、前世で、確か低学年のときにクラスが一緒だった、良いとこのお嬢さんで、かつ美人で頭も良くて運動神経も良くてって女の子がいたけど、やっぱり嫉妬しちゃうもん。その女の子は本当にいい子で、クラスの人気者で、友達のいない私にも、ほんの時々は気にかけてくれたし、虐めってわけではないけど、ちょっと空気が悪かったとき、少し手を差し伸べてくれたりもした。

 で、その子が言えば、皆んなも『そうだね』ってなって、事なきを得て、私は本当に感謝なんだけど、それなのに、嫉妬する気持ちが芽生えてしまって……。

 私がもしあの子の家の子供なら、あんな風に健やかな女の子に育ったのだろうか、とか変な妄想までしちゃうほど本当に羨ましくて、妬む気持ちを押さえられなかった。

 別に、嫉妬の気持ちが抑えられないからって、特に何かしたってわけでもなし、恩を仇で返す的なことをしたわけでもないんだけど。

 そもそもリアルに虐待受けて被害を受けてる母親にすら、私は仕返しできない人間だし、仮にも恩人であるその子に対して、そういう気持ちになりようがない。

 ひょっとしたら、人が受ける痛みの辛さを知り過ぎて、それを自分が他人に与えるということに、自分自身が恐怖を覚えるのかも知れない。

 でも、いくら仕返ししないからと言って、凄くいい子で、しかも気にかけてもらっておきながら、嫉妬してしまう自分っていうのが本当に情けなくて、とても自己嫌悪で、なんて心醜いんだろう、なんて心卑しいんだろうってそう思って、こんなに卑しい心に育ってしまったこの最低な育ちを、本当に恨んだ。

 だから、私は知っている。嫉妬って、本当に醜いよね。もうあんな思いは、二度としたくない。

 もちろん、私より秀でているものを持っている人はたくさんいるので、羨ましいと思うことは今後何度もあるだろうけれど、それこそ闇の気持ちをバネにっていうか、前向きに変えられるようにしていきたい。魔力の器も広げられるしね。

 なので、私はこの先レヴィアタンと対峙することになるけれど、そういう気持ちを忘れずに、臨みたいと改めて思った。


 憤怒のジミマイは、この異世界に転生してきたときに、虐待最低母親に乗っとってた悪魔だ。

 憤怒だったんだなって思った。最初会ったときは、七大悪魔と自己紹介してたけれど、憤怒の悪魔とは言ってなかった。

 でも、モーゼの杖見せたときのあの豹変ぶり、本当に恐ろしい顔だった。憤怒を司るのに嘘偽りなしって感じの、めちゃ憤怒だったと思う。鬼のような形相だったもん。あ、鬼じゃなくて、悪魔だった。

 肌色ははドス暗く土色になり血管が浮き出、目の色は血走り、指や爪が異常に伸び、真っ赤の髪は蛇になって伸び散らかしてからの、憤怒だもんね。気絶せずにすんだのは、きっとモーゼの杖のおかげと思う。


 色欲のアスモダイは、前回のエレガンドゥード山解放のときにいた七大悪魔だ。

 もう今も本当トラウマで、フラッシュバックしまくりで、ほとほと困ってるんだけど、それもそのはず、堕天使の中では魔王サタンの次に邪悪なのだそうだ。

 元々天使時代はめちゃ美しいとは聞いてたけど、悪魔になって容姿が、牛、人間、ヤギの三つの頭を持つグロテスク極まりない容姿になって、本当に驚きだ。性欲の象徴らしいけど、性欲の象徴の慣れの果てがあれなんだろうか? 私にはさっぱり意味が分からない。理解に苦しむところである。

 神体山解放のときは、声だけだったんで、実物を見ることなくすみ、それに関しては本当に、不幸中の幸いだったな。

 それで、そんな美しかった天使が、そんな醜悪な姿になり果てて、行うことがこれまた最悪、おかしな性欲を起こさせたり、不倫させたり、変態行為に導いたりして、人の心を弱らせ、罪を犯す方向へ、人々を導くという。

 それ、まんま私が神体山解放のときに見せられたやつですけど、それ、その美しい容姿を捨てて、そんなに醜い姿になってまで、することですかね?

 それとも、欲望のまま突っ走ってたら、知らない間にそんな姿になってたとか、あるのかな?

 もしそうなら、一度鏡で自分の顔を、見たほうがいいと思う。

 私なら、発狂して即死するか、今すぐありとあらゆる善業を積み、天界に戻れるように、神様に哀訴歎願するな。マジで。

 それでも、仮にそんな容姿になってでも、性欲は抑えられない、我慢できないとかなのかな? 性欲の象徴らしいんで。

 あんな姿になってまで押さえられない性欲なんて、本当ヤダ。

 前世では聞いた話、性欲押さえる化学治療みたいなのがあるらしいけど、私ならそれ、全力で治療受けるし、この世界にないのなら、天使に復活できるよう、尼寺に駆け込み、弟子入りを懇願するよ……ああ、尼寺じゃなかった。この世界なら正教会で、シスターだね。たしかシスターも尼さんと同じで男絶ち必須だったと思う。確かシスターは、生涯の夫は神様なんで、人間の男性とは結婚できなかったはずだ。

 それで、全然かまわない。あのグロテスクな容姿から解放されるなら。

 まあ、実は天使時代の美しすぎる容姿が大嫌いで、今の容姿が大好きって言うんなら……そんな事あるとはとても思えないけど、でも、長い年月、美しすぎる自分に見飽きて、グロテスクな容姿と生活を求めるって、そういうの、あるんだろうか?

 確か、美人は三日で見飽きるという。

 おまけに、人間を変態行為に導くくらい、変態行為がお好きらしい。

 私には全く考えられない思考回路だけれど、もし仮にそうだったとしても、人間をおかしな性欲を起こさせ、 罪を犯す方向へ導くのだけは止めて欲しい。自分ひとりで完結していて欲しいものだ。

 まあ、七大悪魔にそんなこと言ったって、人間がエサである以上、聞いてはくれないだろうけれど。


 暴食のベルゼブブは、実質魔界のナンバー2だという。あと、悪霊の王、“悪霊の首領”とされる悪魔でもあるそうだ。

 権力と邪悪さは魔王サタンに次ぎ、よって罪深さもサタンの次、その力は強大で、その力でもって、人間に度重なる奇行を行わせ、他人の秘密を次々暴露させては争いをそそのかし、性欲を刺激し、様々な方法で嫉妬心を植え付け、やりたい放題だ。

 性欲も嫉妬も、ひとつだけでも大変なのに、色々コンボさせちゃって、ある意味フルコースだ。

 暴食とは、そういう意味なのかな? 強大な力であらゆる欲望ぶっこんで、人々を貪汚に落としていく、みたいな。

 勘弁して欲しい。これは、対峙するとき、大変だな……。

 神体山解放の順番は神のみぞ知るで、私が勝手に選ぶなんて当然できないので、ホント神頼みなんだけど、なるべくベルゼブブがいる神体山は後のほうがいいなって思った。

 たとえ、ここが”お魚さんリーチ”の神体山であったとしても、命には代えられない。

 まずは、色欲や嫉妬や他の欲望を耐えられるだけの精神力を養い、魔力の器をもっと広げないといけない。いつ来るか分からないけれど、イラエ山からエレガンドゥード山までの期間は七か月あった。また同じ期間か分からないけれど、とにかくできる範囲で努力していこうと思う。


 怠惰のベルフェゴールは、「怠け者に悪魔が宿る」という言葉があるように、人々を堕落させて、貪汚に落とす七大悪魔だ。首座悪霊で、ベルゼブブ直属の配下だという。

 ベルゼブブは悪霊の王、“悪霊の首領”とされる悪魔であり、実質魔界のナンバー2なんで、ベルフェゴールがベルゼブブの配下というのは何となく納得だ。


 そしてこの怠惰なんだけど、怠惰というと私のイメージでは「すべきことをしないで放ったらかしにしている人」というイメージだけど、この世界では、真逆だ。

 実はここの世界での怠惰は、「仕事をせずに怠けている状態」を示しているのではなく、働きっぱなしの人間を指していて、「本当の自分の姿になること」を怠けているということらしい。

 働きすぎで忙殺の日々を送り、思考力を放棄し、本質を見失い、真の自分から永遠に逃避・逃走することが怠惰であり、真の自分から逃げ回る怠け者にこそ、悪魔が宿りやすい、ということになっている。


 ……私が知っている怠惰の解釈とは、真逆過ぎて、びっくりだ。


 そして、ベルフェゴールは 首座悪霊でもあるんで、自身はもちろん、配下の悪魔たちも人間に憑依しやすく、オーバーワークに現実逃避のフルコンボで、人間たちを貪汚に落としていくのだ。

 恐ろしいこと、この上ない。

 まあ、いくら憑依しやすいと言ったって、基本前世的怠けるのが頑固なくらいに大好きな私は、こういう悪魔に乗っ取られることは百パーセントないけれど、激務のクラウス先生とか、とても心配だな。

 でも先日、激務過ぎるから、王様とコミュニケーションとったほうがいいってうっかり言ったら、余計なお世話って感じで、ちょっとムッとされたから、もう何も言えないけれど……。

 まあ、王様の側近でいらっしゃるから、その辺のことは、私なんかが心配しなくても、きちんとしてらっしゃるとは思うけどね。

 あとは、怠惰は『モーゼの十戒』のひとつ『主の日を心にとどめ、これを聖とせよ』、つまり、「安息日には仕事を休んで体をしっかり休める」という教えを怠ることも怠惰のひとつと考えられ、つまり、「安息しない人こそ怠惰である」と、考えられているらしい。


 ……この世界は、なんという素晴らしい世界だろう。


 体を休めないのが怠惰って、本当に素晴らしすぎると思う。

 ま、まあ、私に限っては、体を休めすぎてしまうのが難点なんだけど、でも、前世の現代社会は、ホントせわしすぎだと思うな。ひょっとしたら、それも日本独特で、世界的にはもっとゆったりしているのかも知れないけど。

 というわけで、これからはいっそう罪悪感なく、前世的怠惰に励み、現世的怠惰を激しく退けようと、心に誓った。


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