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闇と光の物語 ~神が人間を創造した理由~  作者: synaria
転生から王立学院一年生
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王立学院に入学

 八月の半ば頃から毎年始まる王立学院、生徒は皆、寮生活を送ることになる。数日前に入寮し、学院生活の準備に入らなければならない。ちなみにメイドをひとり連れていけるので、私はドミを連れていく。いつもそばにいる人が、王立学院でもそばにいてくれるのはとても安心できる。なんだかとても楽しみになってきた。


 そして、入寮する日となった。私を部屋まで迎えに来てくれたルーク兄様とルシフェルに連れられ、ボールドウィン侯爵家の転移陣まで移動すると、そこには養父様と養母様、執事のセバストスさんから、その他大勢のメイドさんや下働きの皆さんがお見送りに来て下さっていた。


「ルーク、ルシフェル、そしてソフィー。しっかり学んできなさい」

 と笑顔で仰る養父様、

「ルーク、ソフィーを頼んだわよ。そしてルシフェル、くれぐれも他の生徒さんたちの邪魔にならないように。もし下らないことを思いついても、すぐに実行してはなりませんよ」

 と、ルシフェルに釘を刺されるのは養母様、でもとても心配そうなお顔つきなので、憎まれ口?叩きながらも親の愛情が見えて、なんか羨ましくなってしまった。

「父上、母上、しっかり学んで参ります。私は去年も在学していましたので、勝手が分かっています。ソフィーのことは、お任せください」

 と凛々しく仰るルーク兄様、本当に頼もしいな。

「母上は心配性だなあ。元気に過ごすから安心してよ。父上も、遊び過ぎには気を付けるから、一応」

 いつものようにニカって笑うルシフェルに、養父様と養母様は、軽くため息をつかれた。

「ルーク、申し訳ないが、ルシフェルの面倒も頼む」

 その養父様の言葉に、「承知しました」と仰るルーク兄様、本当にお姿凛々しすぎる。頼りになります感満載だ。

 でも、あまりに寄りかかるのも申し訳ないので、できるだけルーク兄様の手を煩わせないように、過ごすことができればいいなと私は思っている。

「養父様、養母様、行って参ります。ボールドウィン侯爵家の養女として、恥ずかしくない振る舞いを心掛け、頑張ります」

 笑顔でそう言うと、養父様も養母様も励ましのお言葉と共に、笑顔で頷いて下さった。


 私はドミ、ルーク兄様やルシフェルはそれぞれのメイドを連れて、魔法陣の中央に立った。

 大勢の皆さまのお見送り、熱視線に恥ずかしいなと思いながらも、とりあえず笑顔、頑張ってると、ルーク兄様が仰った。

「王立学院」

 その言葉を聞き終わると同時に、目の前の視界が、グニャリと歪んだ。


 視界が開けると、目の前にはアニメでよく見た、いかにも貴族の皆さまが通うって感じの豪華な校舎があった。

 ここが、王立学院か……

 その大きさと豪華さに圧倒されていると、ルーク兄様がいろいろと説明を始められた。

 ルーク兄様が仰るには、男子寮と女子寮は離れていて、王立学院の向かって右側にあるのが男子寮、左側にあるのが女子寮とのことだった。王立学院からはどちらの寮にも渡り廊下で繋がっているけれど、魔法結界が張られていて、当然異性は入れないという。

 でも、男子寮だけは、事前登録されたメイドさんだけは入れるようになってるんで、ルーク兄様のメイドとドミは、いつでも連絡取れるようになっていると教えて下さった。


「困ったことがあったらドミに言うといいよ。私のところに連絡が来るようになってるから」

 ルーク兄様、マジで段取り良くて素晴らしすぎる。

 私が感謝の気持ちを込めて「ありがとうございます」って言うと、

「ああ、いちおー俺ともメイド同士で連絡取り合えるようになってる。暇なときは、連絡して」

 と言ってニカって笑うルシフェル、いや、学校来たんだからさ、とりあえずお勉強頑張ろうよって思ったけれど、照れ隠しかも知れないので、「暇になったらね」ってとりあえず笑って言っておいた。


 ……でも、あの笑顔から察するに、やっぱり照れ隠し路線はないような気がするな……ま、いいけど。


 それにしてもルシフェルのメイドさん、初めて見た。本当に年配者だ。六十歳は少し超えてるかなって感じの女性で、今回初めてお見かけして生存を確認できたのはとても良かったと思うのだけれど、でもなんか色々心配してしまう。

 ルシフェルのメイドだなんて激務甚だしいだろうに、お体ホント大切にしてねって、しみじみ思っちゃった。

「それじゃあ私たちはこっちだから、ゆっくり休むんだよ」

「じゃあ、またな!」

 と仰って、ルーク兄様とルシフェルは、は男子寮へ向かって去って行った。

 ルーク兄様のお優しい笑顔はマジ見惚れちゃうし、ルシフェルのいつもの、右手の人差し指と中指をおでこのところに持って行って、”チャッ”ってする挨拶も、相変わらずキザなんだけど、やっぱめちゃカッコいいなあって思っちゃった。

 そんなこんなで二人のイケメンっぷりを堪能しつつ、私たちは女子寮へと向かった。


 入寮の手続きなど、ドミがパッと簡単に済ませ、ドミに案内されて自分の部屋に入った。

 さすがにボールドウィン侯爵家のいつもの部屋より狭いけど、でも、充分広いお部屋だし、お風呂もあるし、快適に過ごせそうだ。

 ドミは勝手知ったるって感じで、手際よくお茶の用意をしてくれる。始めて来た場所のはずなのに、ドミもホント、有能だな。


 紅茶を頂きながら、私はちょっとさっきの転移陣のことを思い出している。

 私はいつもクラウス先生と転移してるので全く知らなかったけど、どうやら転移陣を発動させるときは、行き先を告げることで、魔法陣が発動するみたいだ。で、ひとりが詠唱すると、転移陣の上にいる人は全員、貴族平民関係なく、魔力あるなし関係なく移動できるみたい。

 クラウス先生はいつも無詠唱なんで、全く気付かなかったな。でも、行き先を無詠唱って、なんかスゴくない? ……いやでも他の魔法だって、何にも唱えず発動するの、よくよく考えたらそれもやっぱ同じくらい、スゴいことってなるのかな。


 にしても、クラウス先生がいない生活か……。

 こっちの世界に来て、一番最初に出会った人がクラウス先生だったので(憑代母親悪魔ジミマイは外している)、先生がいない生活……ルーク兄様やルシフェル、そしてドミもいるし、大丈夫とは思うけど、やっぱりちょっと、不安に思っちゃうな……

 こういう気持ちをひょっとしたら、ホームシックというのかも知れない。

 ホームシック……とても新鮮な響きだ。次はいつクラウス先生にお会いできるかは分からないけれど、先生にお会いできなくて、ちょっとホームシックにかかったこと、面白可笑しくお話してみよっと。



 今日は入学式。講堂には新一年生だけが集められていた。

 制服はとっても可愛い。異世界アニメ、あるあるだ。

 ツーボタンの濃紺ジャケットに、濃紺ふんわりスカート、肩の部分についてる飾り、エポレットってドミが言ってたかな、それは金色で、

 ジャケットのボタンも金色、

 ついでに襟や裾、生地の端、ジャケットのボタンの両サイドにある縦のラインも金色、

 スカートの裾近くに入っているラインも金色、

 おまけにジャケットの上からつけるベルトのバックル部分も金色、

 他にもいろいろ金色の装飾が入っていて、めちゃ高価な雰囲気出している。

 そうそう、スカートをふんわりさせるためにパニエっぽいのが入ってるんだけど、それも金色で、スカートの裾から少し見えてて、それもめちゃ可愛いんだよね。

 あと、ジャケットの裏地も金色なんだけど、男子のズボンの裏地も金色なのかな?

 ちなみに、男子のズボンには、金色の縦のラインがサイドに入っているという。それは以前ディナーのとき、ルーク兄様が教えて下さった。

 でも、こんなに濃紺と金の二色で揃えられているってことは、きっとあれよ、制服で、光と闇を表現しているような気がするな。


 そう言えばクラウス先生、先生の髪色と瞳の色も、この制服に近い? いや、もうちょい先生のほうが黒に近い紺って感じかな。でももしかしたら、この世界では珍しい闇色に近いクラウス先生の髪色と瞳も、闇属性を表現していて、ひょっとしたら先生は、私と同じで闇属性だったりするんだろうか? 私もめちゃ黒髪で、瞳も黒だし。

 とはいっても先生、光属性の最上級魔法である『蘇生』もできるって仰ってたし、光属性もめちゃおありだと思うから、やっぱり違うのか……?

 まあ、ルシフェルの髪色は水色で、瞳の色はエメラルドグリーン、光の一族だけど、金色って訳でもないし、あんまり関係ないのかも知れないな。この世界の人たちの髪色と瞳の色、ホントカラフルだもん。まあ、私はたまたまって思っておこう。


 それと、制服には金色じゃない部分もあって、それは、リボンとベルトの皮部分だ。

 色分けで学年が分かるようになっていて、今年入学の一年生は赤、ルーク兄様の学年、二年生は緑、ちなみに三年生は藤色と、うちに採寸に来たテイラーの女性が教えてくれた。

 あと、女性はリボンだけど、男性はネクタイだって、ルーク兄様が教えて下さった。

 濃紺に金色、そしてリボンとベルトが赤、なかなか可愛い、本当に。もちろん、緑も藤色もめちゃ可愛いと思うけどね。

 ちなみにこのリボンやネクタイ、ただの飾りじゃなくて魔術具だとルーク兄様が教えてくれた。生地に魔法陣が織り込まれていて、ロープになり、敵や魔物を拘束できる優れモノだそうだ。何と言う無駄がない制服、素晴らしいな。

 あと、ジャケットの上からベルトっていうのも、剣挿したり、小物下げたりできて、便利よね。クラウス先生とかも、皆んなそんな風にされてるから、利便性を追求したデザインなのだろう。

 でも、これだけ制服に利便性を追求したとなると、制服のまま魔法や武術の勉強、実践、そして実戦も想定した制服なのだと思う。


 あと、夏服と冬服もあって、今来ているのは夏服。なので生地も薄めだ。冬服になると、生地が厚くなり、オプションで、女子はケープ、男子はマントがあるみたい。必須じゃないから買わない人もいるみたいだけど。

 買わない人は主に、冬になると、自分の周りを暖かくする魔法かけたり、肉体強化系魔法かけたりするそうだ。中にはケープやマントとか邪魔だと思う人もいるみたいで、魔力に自信のある生徒は、買わない人もいるという。

 私は買ったけどね。だって、可愛いに違いないもん。っていうか、正直男子も女子もマントで事足りると思ってるんだけど、あえて女子はケープになってるっていうところが、これまた可愛さ重視に決まってるってめちゃ私、思い込んでいる。なので私の選択肢は“買い”一択なのだ。

 まだ冬服は届いてないけど、今からとっても楽しみだな。

 ちなみにコートはないみたい。コートの上からだと、ベルトがしづらいとか、ごわごわして動きにくいとかがあるかも知れないな。

 それにしても、男子のマントも絶対カッコいいと思うよ。ルーク兄様とルシフェルの制服姿、夏服も冬服も、今からとっても楽しみだ。

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