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闇と光の物語 ~神が人間を創造した理由~  作者: synaria
転生から王立学院一年生
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義兄弟はスゴイ剣ができるらしいし、クラウス先生は少しミステリアス可愛かった

「まあ、私たちが住んでいる王都トリアスオービスは、このように正七角形なのですか?」


 執務机に上に置いてあるクラウス先生の世界地図を見ながら、ドミは言った。


「ええ、クラウス先生が仰ってました。正七角形っての土地って、不思議ですよね。でも私が正七角形のことを質問する前に、文字が読めるのが嬉しくて、色々土地を名前をぶつぶつ読んでいたらクラウス先生に驚かれてしまって、話が逸れてしまい、質問することができませんでした。あとで質問してみようと思います」


 と、二人で世界地図を見ながら会話していたら、クラウス先生が予定の時間より少し早めに起こしになられた。


 ドミは慌ててクラウス先生に挨拶し、お茶の用意をし始める。

 あれ? 午後の授業はお茶の時間に合わせてだった気がするけど。

 と思ったので尋ねてみると、午前のときと同じように午後もここに来る前に、ルーク兄様とルシフェルに弓の稽古……というか、弓の実戦練習と、私が解放した神体山の調査を兼ねて、二人を連れて山に軽い偵察に行かれたという。


 神体山が正常な魔力で満たされているので、魔物はほとんど出ず、出たとしても弱い魔物しかいなかったそうだ。また、貪汚の影響があまりない、隅の場所に追いやられていた動物たちも幾分戻ってきていて、その中でもやはり鳥が、空を飛べため数が多く、鳥で弓の練習をしようってなったんだけど、ここでもやっぱりルシフェルが、


「ここで鳥射ぬいたら、また今日のディナーが『色とりどり船盛ディナー』になっちゃうじゃん!」


 と言って、鳥を射抜こうにも笑いは止まらないし、笑いで鳥は逃げ出すしで練習にならず、まあ、軽い偵察だけちゃっちゃと済ませ、とっとと帰って来たらしい。


 なんか、色々心配になってきた。神と王を守る光の一族らしいけど、こんなんで、守れるんかな?


 私は心配になり、クラウス先生に尋ねてみたら、

「ご心配には及びません。お二方とも小さいころから弓だけでなく剣も、魔法も鍛錬を重ね、ルーク様は王立学院でも一年生ながら剣の腕前は学院一番と聞いております。ルシフェル様は、一歳年下でいらっしゃるのと、あとルーク様が極めて真面目でいらっしゃるのもあり、ルーク様と比べてしまうと少々腕は落ちますが、ルシフェル様も、数か月後に入学された暁には、ルシフェル様の学年では一番の剣の腕前と、どなたからも認められるレベルと思いますよ」

 と教えて下さった。


 おお、それは凄い! さすが光の一族! 疑ってごめん!

 でもそれと同時に、この二人の妹であり、姉である私は、お二人の顔に泥を塗らないように、ううん、お二人だけじゃないな、光の一族に養女に来た子供として恥ずかしくないように、養父様、養母様の顔にも泥を塗らないように、日々精進、励まなければならないなと思い、私は気を引き締めた。


 あと、ちょっと今ふと疑問に思ったのが、ルーク兄様がずっと家に滞在していらっしゃるけれど、今は王立学院は、長期休み中なのかな?

 早速クラウス先生に質問してみると、先生いわく、ルーク兄様はめちゃ成績優秀で、すでに一年生の単位を全て取得されていて、通わなくても問題ないそうだ。

 なるほど……王立学院ではそのようなシステムなのか……

 確か、以前見たアニメでも、そういう進級システムの学校があったような気がする。


 でも、それにしてもクラウス先生って、やけに情報通と思う。

 王立学院の進級システムに関しては、ご自身が在学されてたのかなって思うけれど、ルーク兄様の成績に関しては、ルーク兄様が王立学院で一番とか、なんでご存じなんだろう?

 前の家庭教師の先生からの引継ぎで、そんな話が出てたのかな?


 ちょっとクラウス先生に尋ねてみると、そもそもルーク兄様とルシフェルの成長が著しくて、前の家庭教師の先生ではそろそろ、教えるのに限界が来ていたという。騎士団長の養父様が、武術方面に限り、お仕事の合間に時々見ていらしたけれど、魔物討伐のため遠征に行かれたりすると、家を空けたりもなさってお忙しいし、それに魔法や座学の勉強もあるので、新しい家庭教師の先生がいないかなあと、養父様と前の家庭教師の先生が話していたところ、クラウス先生が私を拾い、私が養女になり、王命令で私の家庭教師となるってなったんで、養父様が事情を説明し、「じゃあうちの息子たちも」と、仰ったらしい。

 それで、そのときにルーク兄様とルシフェルのおおまかなレベルを、養父様から伺ったそうだ。

 私は、クラウス先生のお話を伺って、納得した。


「なるほど。そのような経緯で、二人のことをよくご存じでいらっしゃったんですね。それで、同時に二人の家庭教師になる話も、お引き受けになったと」


 って私が言うと、実は家庭教師の話についてはそうではなくて、既に、ルーク兄様とルシフェルの家庭教師も兼任するようにという、王命が出ていたという。

 なんで王様がそのような命令を出されたかというと、先ほどの魔力奉納の話じゃないけど、王族にしか伝わってない情報などもあるのと同様に、モーゼの杖関連も秘匿情報が出てくる可能性があり、あまり他の貴族にボールドウィン侯爵家に、毎日のように家庭教師に来られるのは、情報を守る観点から考えると、よくないと思われたからだ。もちろん、貴族全員ボールドウィン侯爵家には立ち入り禁止! とかではなく、時々お茶会に来るとか遊びに来るレベルなら、全然対応できるのだけど、とも仰った。

 さらなる理由としては、光の一族であるお二人を、さらに鍛えたいという思いも王様にはあって、クラウス先生がお二人の家庭教師をすることになったそうだ。


 それで、その養父様が仰っていたご子息情報を、さらに裏付けするために、昨日家庭教師就任早々、ちょうどボールドウィン侯爵家と私の顔合わせが終わり、私がディナーまでの時間、ゴロゴロしてたときに、先生はルーク兄様とルシフェル相手に、稽古をつけたそうだ。


「さすが、時々とはいえ、騎士団長であるボールドウィン侯爵にも、直々に稽古をつけてもらっているご子息たち、剣はもちろんですが、弓や槍などももう既に実戦レベル。私も教え甲斐のある生徒に出会えて大変嬉しく思っています」


 と、クラウス先生は顔をほころばせて仰った。


 おお、それほど凄いのか! 私が褒められた訳でも何でもないのに、何か誇らしい気分になっちゃうな。思わず笑みが零れてしまう。

 でも、クラウス先生はもっと凄いんじゃない? そんな実践レベルの子たちをさらに鍛錬積ませることができるなんて。クラウス先生だってまだまだお若いのに、いったいどれほどの早業でそれほどの技術を身に着けられたのか、それとも持って生まれた才能か、或いは努力の賜物か、私には分かんないけど、マジで凄い人だなあって、改めて思った。


 でも、クラウス先生があまりにお忙しそうで、その辺りは心配だ。私には体を休めなさいとか言っておきながら、そのとき当の本人が過労死ボーダーラインギリギリとかは、ホント勘弁して欲しい。おまけに今日も、午前に続き午後までも、私の授業の前にルーク兄様とルシフェルに稽古つけてるし、ホント心配だ。


 そんな心配をしていたら、ちょうどドミがお茶を持ってきてくれた。

 ドミの入れてくれたお茶を飲んでひと息つきながら、クラウス先生に尋ねてみた。


「クラウス先生はちょっとお忙し過ぎて、体調を崩されないか心配です。王様の側近としてのお仕事もおありでしょうし、本当に大丈夫なんでしょうか?」

「お気遣いありがどうございます。ですが大丈夫ですよ。今は王より、モーゼの杖所持者であるソフィー様の補佐と、ボールドウィン侯爵家の家庭教師に全力を尽くすようにと、命を受けていますので。大量の魔物討伐のために遠征に出ることを思えば、体力的には問題ありませんし、ボールドウィン侯爵家のお子様たちはソフィー様もそうですが、大変お健やかで、私も楽しくお仕事しています」


 と言って、優しく微笑まれた。


 う、美しい、そしてカッコいい、また見惚れてしまった。あ、でも今日はビューティフル・デーだから、見惚れてニヤけてもいいのか。

 いやでもまずは、私が健やかとか妙な勘違いしてらっしゃるから、それを先に訂正したほうがいいのかな? でも、自分で健やかとか、口に出すのも恥ずかしいし……


 とりあえず、クラウス先生に擦り付けておこう。


「健やかと言えば、私なんかよりもクラウス先生のほうがよほど凄いです。王の側近になるほど実力がおありで、人にものが教えられるほど文武両道、先生のご両親は、さぞ鼻が高いと思います」


 おまけに、それほど美しくカッコいい容姿、ご両親のお顔を拝見したいですよ、本当に。

 まあ、この心の声は、口に出しては言わないけれど。

 するとクラウス先生は、小声で「親が聞いたら喜ぶと思います」と、ハニカミながら、仰った。


 か、かわいい……。大人の男性なんだけど、思わずかわいいって思っちゃった。

 思ったついでにどさくさ紛れて年齢をお伺いしてみると「二十歳……くらいでしょうか」と、曖昧に仰った。

 何でそこ、曖昧なんだろう? ハニカミかわいいと何か関係があるのかな?

 でもそこはあえて、根掘り葉掘り訊かない。答えたくないことかも知れないしね。

 私だって虐待のこと質問されたら、何て答えていいか分かんないし、自分の過去を知られるのって、自分がそんな、ぞんざいな扱いを受けても仕方がない人間だと知られるのは、やっぱり惨めで恥ずかしいし、イヤだもん。

 っていうかまあクラウス先生には、一番最初お会いしたとき、私が虐待で受けた傷だらけ状態を見てらっしゃるんで、もう知られているんだけど。それでもやっぱり口に出してい言うのは、凄くためらいがあるんだよね。


 でも、お仕事のことを質問するとかはどうだろう。さすがに込み入った話は守秘義務があるだろうし、また、私も詳しく話されても分かんないので、詳細を知りたいわけではないけど、〇〇担当みたいな、役職みたいなの、ちょっとあるのかなあと思って、勢いついでにちょっと尋ねてみた。


「クラウス先生は王様の側近でいらっしゃいますが、具体的には役職とかにもついていらっしゃるんですか? お若くいらっしゃるのにも関わらず、凄く王様からの信頼が厚いように思いましたので」

「役職……というのは、ないですね。強いて言うなら、雑用係……でしょうか?」


 王宮に仕える人たちの中で、下働きの皆さんはたくさんいるけれど、雑用係って、あんま聞いたことないな。

 しかも、”雑用係”と呼ばれる仕事の人が、がこんな世界の中枢に入って行くような仕事は、任されないと思うんだけど。

 さっきも、モーゼの杖は色々守秘義務があるとか、仰ってたし。

 貴族には色々と嗅ぎまわられたくないから、自分が私の家庭教師することになったとか言っておいて、どうしてその家庭教師が”雑用係”で、他の貴族にはできないモーゼの杖所持者の家庭教師ができるのか、意味わかんないもん。


 何か、年齢に続いて色々曖昧にされてる感満載だけど、やっぱり王の側近だから詳しいことが言えないとか?

 あるいは、影のスパイ的任務ばっかり担当する極秘系役職とかで、正式名称言えないとか?

 分かんないけど、秘匿情報とか色々あるかも知れないので、これ以上尋ねるのは止めようっと。


 って、また話が逸れてしまった。いけない、いけない。私はどうも色々発想を飛ばし過ぎてまとまり切らないところがあるんだよね。ちゃんと、集中しよう。


「クラウス先生ほど優秀な方でも、王宮では雑用係にしかなれないのでしたら、私が王宮に仕えることは未来永劫無理そうです。すいません、一生懸命、勉強します」

「ソフィー様は仕える必要はありません。モーゼの杖所持者なのですから。ですが、お勉強は一緒に頑張りましょうね」


 クラウス先生はそう仰って、また優しく微笑まれた。

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