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シュクリ・エルムの涙  作者: 朧 月夜
■第一章■ TO THE VELLE(ヴェルへ)!
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[1]自慢の両親? 〈L&P〉

挿絵(By みてみん)

【以前、目次背景が設定出来ていた時に使用していた画像です】




 ねぇ……みんなは自分のパパとママの「なれそめ」って知ってる?


 あたしの両親の出逢いって、すっごくロマンティックなの!


 え? それをパパとママがノロケながら、自慢しいしい教えてくれたのかって?


 もちろん違うよーだって二人は照れ屋さんだから!




 教えてくれたのは『ラヴェンダー・ジュエル』。




 パパが自分の故郷(ふるさと)ヴェルの王家で、継承した薄紫色の綺麗な宝石。


 そう! パパは王様だったんだ!!


 でもママはお姫様ではなかったし、お妃様にもならなかったけどねー。パパはママと結婚する前に、王位を放棄しちゃったから……だからあたしも残念ながら。


 そんな王国から『ジュエル』も祖国を手放して、パパと一緒に「ママの故郷(ココ)」へ来たの。

 だってジュエルもママのことが大好きだったから!


 小さい頃に化け物に襲われて、両親を奪われた悲しい過去にも負けないで、強く元気に生きてきたステキなママに、パパとジュエルは恋をした。


 そんなママが十八歳になった時、再び人を襲い出した化け物から守るため、パパはママの前に突然現れたんだ。えっと~飛行船ごと空から落ちてきて!




 まぁそのぉ……その辺りの経緯は『一作目』を読んでね(笑)!!




 ともかくパパはそれからママと飛行船で旅をして、仲間と共に化け物もそれを操る悪い人もやっつけて、で……一件落着! パパとママは結ばれて、いつまでも幸せに暮らしましたとさ~……とは、ならなかった。


 パパは自分の故郷をジュエルから解き放ちたかったから──。


 ジュエルの魔法で悲しみの癒される平和な世界。でもそんな苦しみは、本当は自分の力で乗り越えなくちゃいけない! そう考えていたパパは、その訴えを受け入れないジュエルを消し去ろうと、或る「祈り」を捧げてしまった。


 ジュエルが拒否出来ない、自分の命と引き換えの『唯一無二の「祈り」』──それを寸での所で止めたのは──ママだった!!

 

 ママはパパの願いを解消する『鍵』をギリギリ見つけたの! でもそれは本当に本当にギリギリで、ジュエルもパパも消えずには済んだけれど、それから二年弱は眠り続けてしまった。


 だけどねぇ~ぇ! やっぱり二人は結ばれる運命だったのね!!


 パパの想いを受け入れたジュエルは王国ヴェルを解放して、全ての民に自由を与えた。

 そうして普通の島国と化したヴェルの地で、パパは沢山の愛情溢れる祈りを捧げられて、ついに目を覚ましたんだ!


 小さい頃のあたしに、ジュエルは二人の過去を曖昧にしか示してくれなかったけれど、もう十四歳になったあたしには、最近ちょっと大人なことも教えてくれる。


 パパがヴェルの広大なラヴェンダー畑の真ん中で目覚めた時、初めて口にした言葉、それはママが望んでいた通り、


「お姫様、どうか僕に目覚めのキスを」


 だったとか~、それからパパが望んだ通り、熱烈な口づけを捧げられたとか~、

 でも極めつけはその直後!


 パパは後ろで温かく見守っていたツパおばちゃんとタラおばちゃんに振り返って、こう言ったんだって。


「ごめん……これから三日、僕達に時間をくれる?」


 これって分かる~? パパとママの愛の三日間だよー! キャー!!


 ……おっと、つい興奮しちゃった~ごめんなさい。


 パパは自分の相棒──モモンガのピータンにキスをして、四日後に必ず迎えに行くとツパおばちゃんに彼女を預け、ママを連れて自宅へ飛び立った。パパを大好きなピータンはヤキモチを焼きながらも、その口づけに眩暈(めまい)を起こして、ツパおばちゃんの掌の上で倒れちゃったんだけどね。


 そうしてパパとママは三日三晩愛し合ったの……って、その様子はさすがにジュエルも見られなかったみたいだけど。


 ジュエルは時々あたしの夢の中に、自分の見てきたヴィジョンを映す──ヴェルの代々の王様がどんなに素敵な伴侶を得て、幸せの王国を築いてきたのかを。ラヴェンダーの花咲く平原の上を、飛行船が悠々と飛び交う光景を……そしてパパとママがどんな苦難を乗り越えて、深く心通わせたのかを──


 だからあたしはパパとママのことが大好き! 辛いことも苦しいことも、全て分け合って幸せを得た二人。そんな両親から生まれてこられた自分のことが誇らしいし、その想いを継がなくちゃって思う。


「リルー!」

「ルヴィー!」


 あ、パパとママが呼んでるから、このお話の続きはまた後でね。


 え? キミはリルなの? ルヴィなの? って??


 良ーく覚えておいて!


 あたしの名前は「リルヴィ」。


 リルヴィ=ミュールレインだよ──!!



挿絵(By みてみん)


 ご覧いただきました通り、続編のヒロインは二人の娘です☆

 そして彼女の瞳の色・前髪はパパ似、瞳の形・横髪はママ似でございます(笑)。




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