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第7話 終わった後のことを考えてる人は慢心を生む事を知ってるけど、基本考えちゃう。


 ユーリのドローンによって翻弄されているドール乗りのルーギナーは思考していた。


(ガニルとヘベケは応答無しか、あの二人は肉体強化は確定だな。EMP攻撃の後、目立った攻撃はドローンの機関銃のみか。対ドール兵器は無い…。)


 ドローンによる電子攻撃をされていながらも冷静なルーギナーは既にこの目障りな妨害を対処した後の事を考えていた。


(ならばまずは先にドローンを展開していた白青髪の女、そして肉体強化者二人を処理してからゆっくりとドールを確保だな。中身のコアさえあれば大金が手に入る。)


 ルーギナーは高位の探索者としての切符を手に入れたと喜んだ。

 やっとの思いで大金を払ってこのドールを手に入れたのだ。

 簡単な汚れ仕事で更に上を目指せる事が出来るのだと。

 そして電子妨害対抗システムが正常に機能し、映らなかったモニターが再び映り出した。

 さぁ、狩りの時間が始まると。

 モニターから映し出された映像は錆びたドールが殴り掛かろうとする瞬間だった。







「動いた!えーと……武装は⁉︎」


「イロナです。今ある武装は右手の甲に内臓されているアサシンブレードしか無いですね。」


「よし!ならば接近あるのみ!」


 覚悟を決めたルシアは操縦桿を前に出し、全速力で敵のドールへと走り出した。

 

「電子妨害が消えます。気を付けて!」


 イロナの警告と同時にルシアはアサルトブレードで敵ドールのコックピットに殴り掛かろうとした。

 が、相手の反応が良かったのか、スラスターを吹かして、アサシンブレードの狙いがずれてルシアのドールと衝突してしまった。

 そしてそのまま敵ドールのスラスターの勢いに押し負け、朽ちた船の装甲を突き破り、2体と共に外に放り投げられてしまった。


「なんであの鉄屑が動いてやがる⁉︎」


ルーギナーはそのまま錆びたドールとの距離をとろうとスラスターを展開しようとした。


「このままでは遠距離攻撃に徹する可能性が高いです!」


「なら相手の脚を掴む!」


「そ、それをやると機体の耐久力が持たなくなりま…」


 今やらなければ奴を倒す事が出来ないと、アルカの教育の賜物とルシアの勘によってイロナの警告を聞く前に判断した。行動に迷いがない。


 敵ドールのスラスターが起動すると同時にルシアのドールは逃がさないと相手の脚を掴み、動きを阻害した。


「ッ!!離せ!動けなくなるだろうが!!」


 ルーギナーの願いは伝わらず、敵ドールとそれに掴んでいるルシアのドールはスラスターで動きながら転倒し、道中にあった山に激突した。

 相手の動きを止めようと無茶をしたせいか、錆びたドールは左手が肩まで取れ、脚部は左脚はまだ無事だか右脚は膝まで破損してしまった。

 それでもまだ敵ドールの脚にしがみついてたのであった。もはやゾンビの如くの執念である。


「捕まえた!」


 勝負に勝ったと確信した時、敵ドールの肩から単発銃が動き出した。


「あっ」


「エナジーシールド展開」


 銃から発射した90mmの弾が錆びたドールの目の前に展開した青い障壁に阻まれ、弾は勢いを無くし、そのまま地面に落ちてしまった。

 そして錆びたドールは右腕をコックピットに殴り、アサルトブレードがコックピットを貫いた。



 敵ドールからの反応が消失、静寂になった。

 木々は倒れ、周囲の小動物は辺り一帯から離れてしまったのか静かだった。

 ルシアはもう安全だと判断し、イロナとの会話を試みた。


「イロナありがとう。最後のシールドのおかげで助かったよ。」


「お気になさらずに、それよりもあなたが無茶な操作をしたのでそろそろ……」


 イロナの警告通り、コックピットのモニターがブラックアウトし、操縦桿が動かなくなった。


「ありゃ?」


「まともな保存無しに耐久年数が大幅に超えてのあの操作ですからね。」


「あー、アルカに怒られないかな?まぁ、いいや。」


「とりあえず外に出ましょうか。コックピット開きます。」


 イロナの指示に従ってコックピットに搭載されている専用デバイスを持ってから出てみると、目の前には停止したドールが見えた。

 胸部からうっすらと赤い血と肉片が流れている。

 悪意をもって戦った者の末路だ。


「しかし、ボロボロだねぇ……。持ち運びどうしよう。」


 ルシアが乗っていたドールは大破していた。

 敵ドールのコックピットに殴っていた右腕は千切れており、胸部と股関節に繋がっている部分はもはや千切れかけていた。

 これまで動いていたのが奇跡である。


「幸い、動力部は無事ですね。持ち帰って直したらまた動かしましょう。」 


「だねぇ。」


 壊れた機械もまた美しい物だと眺めてる内に、ルシアを呼ぶ声が聞こえてきた。


「ルシアー!居たら返事してよー!」


「早く来ないとユーリが泣き止まないよー⁉︎」


「泣いてないからねー?」


 アルカとユーリだ。

 ルシアはここにいるよと二人が見やすいように手を挙げた。

 いち早く気付いたユーリはルシアに向かって走り、フニフニの頬に抱きついた。またか。


「あぁ〜、この頬っぺたは本物のルシアだー!急に消えてびっくりしたんだからねー!」


「頬で私を見分けるのね…。」


 抱きついてるユーリの顔を見て安心したのか、ルシアはユーリの胸に顔を埋めていく。


「胸キュン展開キタコレー!」


「ユーリうるさい。始めての操縦で少し疲れた。」


「頑張ったねー!よしよし。」


 ご褒美だよとルシアの頭を撫でていく。 

 少し気持ちよさそうな顔をした。

 まるでこの光景は仲のいい姉妹のようだ。

 ほんわかな光景を見ていたアルカはここで一休みしようと座り心地のいい壁に見つけ、


「休憩したら説明よろね?」


「おっけー。」


 と粗方仕事は済んだと判断し、ゆっくり座った。

 木々の葉っぱや草原の草が風になびく様は心地よさを生んだ。


ロボバトルの描写って難しいですね。誰かいい参考資料とかないですかね…?

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