衝突
まだまだ書き始めたばかりですが、やっぱり小説書くのって結構疲れますね(笑)
放課後になると俺はいつものようにすぐに身支度を整え誰よりも先に帰ろうとしていた。準備が整いさぁ帰ろうと席を立ったとき、ちょうど1人の女生徒が俺の隣にきた。今日このクラスに転入してきた新藤麗奈だ。
「何1人で帰ろうとしてるのよ」
「え?何?一緒に帰るの?」
別に一緒に帰ると言うのが嫌な訳では無いがクラスの人達になんか変な目で見られるのが嫌だったので聞き返した。
「バカな事言わないでもらえるかしら?咲斗は私の下僕になったのだから私の準備を手伝い、それが終わったらカバンを持って家まで送る、当然でしょう?」
こいつは何を言っているんだ?理解が追いつけず一瞬固まる、そしてため息混じりに言った。
「俺はいつからお前の下僕になったんだ、一緒に帰りたいなら素直にそう言えばいいだろうに。」
すると麗奈は顔を少し赤らめながらそっぽを向いた。
「別に、一緒に帰りたい訳ではないわよ、それにお前じゃないわ」
やっぱりめんどくさいわコイツ
「はいはい麗奈様、家までお送りしますよ、」
少し嫌味を込めてそう答える。 だが麗奈は気にしてないようだ、そんなやり取りを見ていたクラスの男子生徒が俺たちに声をかけてくる。
「お前らいつの間に仲良くなったんだ?」
そう言ったのはこのクラスのリーダー的ポジションの1人、蒼真暮人だ、彼はそのまま俺の肩に手をかける。何だよいきなり触んなと思いながら苦笑いをする。彼と俺はあまり接点がない。ていうか俺はほとんどの生徒と接点がない。それでも俺は彼の事を知っている。何故なら彼がとてつもなく目立つからだ。茶髪にピアス、ブレザーは着崩していて身長は184cmという高身長、容姿も良くモテるがあまりいい噂は聞かない、この前も先輩と一悶着あったらしい。(近くの女子が喋っているのを聞いた)ま、背が高くてイケメンならそりゃモテるわな。
「別にあなたには関係ないでしょう。それじゃ行きましょうか咲斗。」
そんなことを考えていると俺の手を引っ張りながら麗奈が答えた。その突き放したような言い方に蒼真暮人、彼は少しイラついたようだった。それもそのはずだ、彼はその整った容姿もあり女子に話しかければ喜ばない子はいない、いや今まではいなかったのだ、そんな彼は自分に興味が持たれないのが嫌だったらしい。
「ちょっと待てよー」
今度は麗奈の手を取る、すると麗奈は勢いよく手を振り上げ蒼真暮人の手を弾いた。
「気安く触ろうとしないでもらえるかしら?」
そう言いながら蒼真暮人を睨むと俺の手を引っ張ったまま教室をあとにした。去った後の教室からはいつもの賑やかさは消え、とても静かだった。
〜帰り道にて〜
手を引っ張られたまま学校をあとにした俺は最初の曲がり角でやっと手を離してもらえた。
「ちょっと!協力するって言ったじゃない!」
麗奈は少し怒り気味だった。だがあの状況で協力もクソもあるかって俺は思います。そんな俺の心の声は麗奈に聞こえるはずもなく俺の少し前を早歩きで歩いている。
「悪かったって、でもあの状況じゃ俺はなんも出来ねーよ」
一応反論はしてみるが多分聞いてやくれないんだろうなー、
「まーでも良かったじゃないか、これで目標のクラスの人達から喋りかけられないようにするって言うのはだいたい成功したようなもんだろ。」
俺が言うと麗奈は足を止めこっちを向く、
「私は相手を傷つけないでなるべく穏やかにやりたかったのよ!」
まだ怒りは収まらないようだ、イライラは美容の天敵ですよーなんて思いながら、まさかクラスメイトをゴミとしか思っていないような麗奈の口からそんな言葉が出てくるとは少し驚いた。
「まー確かに転入初日であれはヤバいだろうなー」
「そう思ったのなら何故もっといい方法で彼を追い払わなかったのかしら?」
麗奈が俺の横に来る途中で睨む。いや隣で歩くんかい!もう怒ってないのかな?
「いやそもそも俺が口出しする暇なんて無かっただろ?」
「それも含めてどうにかするのが咲斗の役目でしょう?」
やはりこの世の理不尽に俺は勝てないようです。
「あの時は助けてくれたのに」
小声で言ったその声はよく聞き取れなかった。
「ん?何か言ったか?」
「許可も貰わずに喋るんじゃないわよ」
「ひでぇ」
そんなやり取りをしていると大きめの交差点に出た。交通量はもちろん人も多い、それはここが駅の近くだということもあるのだろうが、何より近くに新しく出来たデパートがあるからだろう。学校終わりの学生の姿が多く見られる。俺はあまり人混みが好きではない。統一されていない人の集団ほど怖いものはないのだ。
「俺は電車だからこっちだけど麗奈はどっちだ?」
そう言いながら駅の方を指さす。
「私も電車よ、ちなみに最寄り駅は×××駅」
「おー、麗奈も×××駅か俺もだ」
本当に奇遇だ、まさか最寄り駅が同じなんて、俺は同じ中学の人達がいない高校を選んだのでもちろん家から高校は遠い、そんな中で最寄り駅が近いというのはかなりの確率だと思う。でも不思議だ。
「なぁ、なんで家遠いのにこの学校なんだ?麗奈わざわざ転校.......。」
「さぁ信号が変わってしまうわ急ぎましょう」
麗奈がそう言うと俺の声はかき消されてしまった。まーいつでも聞けるか、そう思い俺たちはそのまま駅へと向かった。
読んでいただきありがとうございます。1日1〜2話ぐらいを目安に書いていきたいです。(かける時はもっと書きます!)