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あさおねっ ~朝起きたらおねしょ幼女になっていた件~  作者: 沼米 さくら
よっかめ ~たのしいようちえん~

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17/50

たいけんにゅうえん

 およそ三十代と思しき女性……幼稚園の先生に連れてこられた先は。

「はい、ここが教室ですよー」

 だだっ広い部屋。そこにはすでに何人かの幼児がいて、それぞれがおもちゃを出して遊んでいた。

「ここでしばらく遊んでてね」

「はーい」

 と俺は返事をすると。

「返事をできるなんてえらい子ね~」

 なぜか褒められた。

 ……こんなことで? なんで?

 しかし、こんな疑問は目の前の幼児を見ることで消し飛んだ。

「ああ……かわいい」

 遊び戯れる幼い女の子たち。純真無垢なその姿は、まさに楽園。これぞまさしく、幼女天国……っ!

 そんな最高ヘブンな光景から、一人の天使がこちらに向かって飛び出してきて。

「ねぇねぇ」

「お構いなく」

 笑顔で話しかけてくる幼女に、反射的に空気に徹しようとするが。

「うしろ」

「え?」

 言われた通りに振り向くと、こちらに向かってくる肉弾がっ!

 どうやらあの子は警告しに来てたらしい。

「あーおーいーちゃんっ!!!!」

「ぼげふっ!」

 子供は手加減というものを知らないらしい。

 フローリングを、体当たりしてきた女の子とともに数メートルほどスライディング。正直、ロリコンじゃなければ死んでたかもしれない。

「一体……なんだ……?」

「あおいちゃんあおいちゃんあおいちゃん!!」

 嬉しそうに俺の名前を叫ぶ声。思わず閉じた目を、うっすらと開けてみると。

「……なのちゃん?」

 言った名前に、目の前の少女はにこりと笑う。

「うん! また会えたねっ!」

 あまりにもまぶしすぎるその笑顔に、俺はつい目をそらした。


「……暑いからくっつくのやめて」

「やだ」

 俺のもとに体当たりしてきてから、ずっと俺とくっついてるなのちゃん。可愛いからいいが……子供の体温って結構高いから、地味にめちゃくちゃ暑いんだよなぁ。

「なんで?」

 聞いてみると、彼女は笑いながら答える。

「だって、おともだちなんだもん」

「お友達なら、いっぱいいるでしょ」

「いや、いないよ。みんな、本当の私をわかっちゃいないんだもん」

 そんなことを言う彼女の顔が一瞬だけ愁いを帯びた……ような気がして。

「とにかく、あおいちゃんがだいすきなの!」

「う、うん」

 しかしそれでも離れず抱き着く彼女の純真無垢な笑顔を見たら、もう突き放すことなんてできなかった。


 しばらくして。

「ねぇ、おふたりさん。ぎゅーってする時間はおしまいよ」

 先生が俺となのちゃんを引きはがしにかかった。

「そろそろ朝の会の時間だから、ね」

「やなの! あおいちゃんといっしょにいたいのぉっ!」

「わかった、今日はずっと一緒にいてあげるからいったん離れて!」

 俺からも頼むと、なのちゃんは頬を膨らませて。

「……じゃあ、あとでおままごとであそんでくれる?」

「わかった、約束するから」

「やった!」

 にこっと笑顔になったなのちゃんは、ようやく俺を放してくれたのであった……が。

「菜花ちゃん、おむつさん大丈夫なの?」

 先生は聞く。……ちらっと見えた、ひらがなで書かれた時程表と時計によれば、朝の会の開始時間にはまだ少し早い。

 なるほど、その朝の会が始まる前におむつを替えておくわけだ。

 ……さっき先生がちらっと言ってた『年長組でもおむつが外れてない子』はこの子だったのか。

 それはともかく。年少組の子たちと思しき声が廊下から聞こえてくる中、なのちゃんは言い放つ。

「でてないもん!」

「本当に?」

「ほんと!」

「じゃあ、これはなにかな?」

 そう言って、先生はなのちゃんの制服のスカートをめくった。黄色く膨らんだ、ねこさんの柄が付いたおむつがあらわになり。

「ほら、出てるじゃない。替えるわよー」

「で、でてるなんておもわなかったもん! まださらさらだったもん!」

「でも、おむつさんぱんぱんだよ?」

「むぅ……」

 またもほほを膨らませるなのちゃん。

 ……そろそろおしっこしたくなってきたな。

 今から行けば間に合うかもしれな……いや、もうすでに一度出してたみたいで、集中してみると股間の吸収体が膨らんで動きを多少阻害しているのがわかる。多分、なのちゃんに体当たりされた時だな。

 もうすでにやってしまっているなら、もう一回出してしまっても変わらないか。

 息を吐いて筋肉を弛緩させると、おむつの中が途端に温かくなる。

 目の前の一方的な議論を横目に身震いして。

「……わたしも、出ちゃったみたい」

 水分の吸収されていく様を体感しながら、申告した。

「え? あおいちゃんも、おむつなの?」

 なのちゃんが不思議そうに聞く。

「そうだけど……」

 答えると、目の前の女の子はまたも俺に抱き着いてほおずり。

「なぁに」

 優しく聞いてやると。

「やっぱりあおいちゃんだいすきっ!」

 笑顔でこんなことを言う彼女が、あたかも天使のように見えた。

「と、とりあえず一緒におむつ替えに行こう」

「うん!」

 こうして俺となのちゃんは手をつないでおむつを替えに……。

「せんせー、おねがいします」

「はーい。二人ともおむつさんばいばいするから、ちょっと待っててねー」

「え、自分で脱げますって」

 抗議しようとすると、先生は教えてくれた。

「おむつは先生に替えてもらうのがここのルールなのよー。だからちょっと待っててね。菜花ちゃんのを替えたら、すぐに替えてあげるから」

 そ、そんなばかな。

「じ、自分で替えちゃダメなんですか」

「だめよー」

「そんなぁ……」

 俺は、隣で気持ちよさそうにお尻を拭かれているなのちゃんを横目に、軽くうなだれた。



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