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初めまして。

 やあ、初めまして。君が次の勇者だね?私が魔王だよ。見ればわかる?だよね。知ってる。ようこそ、魔王城へ。よくここまで辿り着けたね。

 君、ハジマリの町から来たんだろ?何で知ってるんだって?そりゃあ見てたからね。ほら、そこの水晶で勇者の行動は魔王から丸見えってわけ。……あー。そんなに嫌そうな顔しなくてもいいじゃん。これも仕事なんだから。

 ハジマリの町からここまで結構距離あるし、レベルも結構上がってるよね?何匹魔物倒してたかは覚えてないけど、よく頑張ったねぇ。苦しかったでしょ?痛かったでしょ?

 魔物を作り出してる元凶が何を言ってんだ、って?……まあ、そう思うよね普通。一応こっちにも事情があるんだよ。まだ教えてやんないけど。

 へえ。ここで死ぬんだからまだも何もないって?君、凄く自信満々だね。私を倒せると思ってるんだ?そんな弱っちい装備で?皮の装備にボロい鉄の剣で?本気?

 ごめんごめん。長い間ずっと一人でいたから、誰かと話すの久しぶり過ぎて、怒らせることを言ってしまったみたいだね。別に煽ってる訳じゃないんだよ。ほんとだって。


 ん?こんなに攻撃してるのに余裕なのか、だって?余裕だよ。……だからそうカッカとしないでよ。ごめんって。ここ十年ぐらい誰とも話してないんだもん。ほら、魔物って知能低くて話し相手になんないし。勝手に人間襲いに行っちゃって、ここに残るの殆どいないし。そもそも可愛いのいないから、そばに置いときたくないし。……というわけで君が、私が魔王になってから記念すべき一人目の話し相手ってわけ。


 あ、そうそう。最初に言っといてあげる。私を倒しても、何もいいことないよ。人々を苦しめる悪ーい奴がいなくなるんだから、それを倒した君が英雄になって、いろんな人にちやほやされて、もしかしたら可愛いお姫様に求婚されちゃったり……お姫様、全然可愛くない?そりゃ失礼。後ろ姿しか見てなかった。

 ま、まあ、いいことだらけだって、そう思うでしょ?残念。違うんだなぁそれが。まだ君が知るには早すぎるけどね。

 ほら、ちゃーんと相手の行動読まないと。危ないよ?……あーあ。まあ、初めての死の痛みを楽しむといいよ。おやすみ。

 

 

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