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32 襲撃 ~~テウデリクは接近し、強襲する~~

戦闘シーン、難しいです。

「つもる話はあとだと言ったであろう。」

テウデリクは、まとわりついてくるランマリアを手で追いやった。

昔寵愛していた小姓、森蘭丸が、この暗黒時代ガリアに転生していたこと、西フランク王キルペリクと元王妃、アウドヴェラとの間の娘として、ル・マンの修道院で育ったこと、今回キルペリクの宮廷に呼ばれて挨拶に行ったところ、ばったり明智光秀と会って殺そうとしたが、信長の転生先を知っていると言われて、殺すのを止めてやったこと、それから、お付きの従士らを振り切って、しつこい者は、ぶった切って、馬に乗って主君テウデリクの元に駆け参じたことは、ここに来るまでの道のりで了解した。


それだけまくしたてた後に、「で、上様、このたびの御敵は、いずこにありましょうや!」と目をキラキラさせながら問うてくるので、簡単に、「ムモルスという男だ。これから兵を伏せて、夕方に襲撃する。そちも出て良いぞ。」とだけテウデリクが説明すると、「はっ!!」と興奮して剣を抜いて振り回し始めたので、慌てて押しとどめてミーレやヴェルナーに紹介しておいたのだ。


「もともとアホの子だったが。」

テウデリクは小声で零す。

森一族はかなり早い時期から信長の下で活躍していたもので、信長も重用していた。もっとも、森蘭丸の兄、長可は無法者で知られ、血なまぐさいエピソードと猛犬のような忠誠心が有名であったものの将器にやや問題があり、柴田勝家のように一方面を全面的に任せられるほどの扱いは受けていなかった。もっとも、蘭丸らの父、森可成が戦死したことを信長はしっかりと覚えており、長可にしても蘭丸にしても、成熟したら広大な所領を与え、十分に報いるつもりではあった。


しかし、長可も蘭丸も、少し頭が弱いところがあった。

弱い、というよりは、頭の使い方が、一方向に特化しているというべきであろうか。長可は、殺害に異様な喜びを感じるところがあった。蘭丸は、信長に対する忠誠心が何よりも優先し、それ以外の問題は容赦なく切り捨てるところがあった。小姓であったときも、そのためにあちこちで問題を起こしていたのだが、まさかこのガリアの地で、王の娘として転生した後も、それがそのまま残っているとは思わなかった。


「上様、その御敵は、それがしも討ってよろしいのでしょうか! このヴェルナーとかいう幼児は、ものの役に立つとは見えませぬが、出陣の祝いに斬っておきましょうか!!」

と物騒なことを言い始めたので、テウデリクは無視して部隊を少し前進させることにした。


ところで、長く伸びた敵の側面に対して複数の部隊が同時に奇襲を掛けるというのは、ほとんどの場合失敗に終わる作戦である。

例えば、小学校の運動場の端に、1クラス数十名を並べ、逆側の端に同時に到着するように走らせるよう指揮することを想像して貰いたい。お互い気心が知れ、相互に顔と名前が一致し、横を向けばすぐに互いの位置が確認できる集団が、完全に見知った土地で、ごく短距離を走るだけでも、相当な混乱が生じることは明らかであり、それが2千を超える大部隊で、しかもほとんどがパートタイムの市民兵であるとなると、同時の奇襲は基本的には不可能である。


テウデリクとヴェルナーが実施しようとしていた作戦は、そこまで奇襲に拘るのではなく、可能な限り敵に近い遮蔽物に各部隊を配置しておき、合図と共に各個に前進して敵を襲撃するというものであり、部隊によっては敵が警戒態勢をとり始めてから相当な時間が過ぎてから戦闘に入ることが予測されていた。


一方で、襲撃に気がついた敵がすぐにそれに対応できるかというと、そうでもない。まず敵は既に防具を外している。船が岸辺について、食料や薪を下ろし、それを受け取りに行った傭兵たちは、適宜好きな場所に集まって、傭兵団ごとに食事の用意をしたりしていることになる。襲撃に気がついたとしても、すぐに傭兵団ごとにまとまって対応することもできないし、防具を取りに行く者、逃げ出す者、報告に走る者、矛盾する命令を出す者、火を消す者、火を付ける者など、大混乱は必至である。特にこの時代、奇襲というものは、一般に知られた戦術ではない(そもそも知られた戦術というものがない。)から、まともに組織的な反撃ができる前には、全ての襲撃部隊が戦闘に入っているはずだ、というのがテウデリクの読みであった。

そして、もう一つ仕掛けを用意している。一番槍は、水軍が付けることになっていたのだ。


・・・


辺境伯ロゴの従士頭であったフランク人戦士テイズは、大安宅船イズモの舳先に立って、上流を見つめていた。小早が上流から戻ってきて、報告者が乗り移ってくる。


「テイズ水軍長、ここから半里リューほどのところで、敵の船団が停泊しようとしているところです。数はおよそ800。いずれも小船で、ほとんど武装していません。食料などを積んでいるようです。」


(なるほど、事前の情報どおりだな。)テイズはうなずく。テウデリク直属の忍者シノとその配下たちが、水軍にも情報を回してきているが、それはテイズと幹部のみ共有している。報告者に対しては、初めて聞く情報の体を装っておく。物見船の士気の問題もあるし、報告者の緊張感を維持するためにも、必要なことなのだ。


「よし、早漕ぎで進むぞ! 旗を揚げよ!!」


ロゴの旗印である日章旗を揚げさせる。事前に決めていた合図で、これからは極力音を立てず、太鼓も叩かずに櫂を合わせて進んでいく。先陣を切る大安宅船の速度にあわせ、安宅船、小早が綺麗な戦列を組んで後に続く。


テイズは、後ろを向いた。武者たちが待機している。


「ネイ、あと少しで敵と接触するぞ。大変なお役目だが、しっかりやってくれ!」


辺境伯ロゴに従って、既に歴戦の戦士ともいえるほどの経験をつんでいるネイは、幼児から少年となろうとしていた。幼少時からテウデリクの教育的指導を徹底的に受けてきているだけに、能力も高いし、出世も早い。出世が早いと周りの納得を得るのが難しいので、今回の戦闘では特に危険な役割を与えられていた。いわば死に番を掻い潜ることができれば、自他共に認める新世代の出世頭となるだろう。


「はいっ! みんな、死ぬ気で戦うぞ!!」

ネイは、後ろを向いて、武者たちに声を掛けた。武者たちは、市民兵ではなく、フランク系の戦士たちを中心とした強者揃いであったが、ネイはテウデリクの側近であるというだけでなく、その実力と気迫で彼らの心服を勝ち取っていた。


「おおっ!!」

低い声で、笑いを含んだ応答が武者たちから返ってきた。

船で少人数で敵前に乗り込んで、2000の敵に対峙するというのに、彼らには緊張感の欠片もなかった。敵を前にして数を数えるのは臆病者だけだ、というのがフランク族の一般的認識であった。負けてから初めて、「数が足りなかったかな。」と思う程度で、そもそも戦さにおいて数が多い方が有利だという知識もないのだ。もちろん危険な任務だということは理解されている。しかし、危険であろうがなかろうが、敵を指定されたのなら、前後構わず躍りかかって殺戮の限りを尽くすのがフランクの勇士というものであろう。


テイズは、前方を見る。上流に船団が見えてきた。物見船は、800隻と言ったが、確かに恐ろしいほどの数の船が動いている。


もっとも、その動きには秩序がない。

そもそも接岸した船の糧食を全て下ろしていけば効率的なのだが、それぞれ船ごとに補給を担当する傭兵団が決まっている。そして、傭兵団側の受け取り要員が、接岸した船を探し当てて、その日と次の朝に必要な物資を受け取る必要があるのだが、そこで大混乱を生じることになる。

更に、接岸待ちの船と、荷卸し済みの船が行きかい、下船して足を伸ばしたい船員がいたり、新たに傭兵が警備のために乗り込もうとしたりするので、互いが大声で罵り合い、押したり殴ったりしながら、荷物の受け渡しが進んでいくのだ。


ここで全体を秩序立て、どのように荷卸しをするかをしっかりと決めて全員に周知徹底しておき、かつ、船団側も傭兵団側もきちんと訓練ができていれば、荷卸しの時間も手間もかなり減るはずなのだ。

いわゆる、神速の行軍ができる軍団というのは、そういう細かい作業に習熟している軍団をいい、指揮官は、そういう軍団を錬成することで、行軍速度を上げることができるのであって、兵の体力ぎりぎりまで怒鳴りつけて小走りに進軍させるのは三流の指揮官であるといえよう。

おそらくこの光景を信長が見ていたら、激怒したに違いない。


恐ろしいことに、オルレアン側の船団には見張りも定められていなかった。何かを見張っていなければならないという認識自体がなかったのだ。船団と船団とがぶつかって戦うということが絶えてなかったから、やむを得ないともいえる。智将ムモルスとしても、船団は自分の担当ではないと思って、意識の外にあったのだ。

だから、テイズ率いるナント側の船団が川を遡ってきても、オルレアン船団は何も気づかず、気づいた者がいても、「船だ。」と思うだけで特に警報を鳴らすとか、「敵かもしれない。」と思うとか、そういう発想は全くなかったのだった。


大安宅船イズモは、近くまで迫ると、大きな山のように見えた。荷卸しの順番待ちで夢中になっていた小船は、ふと気づくとイズモがのしかかるように近づいてきていて、船員たちは悲鳴を上げた。


「馬鹿野郎! ぶつかるぞ!! 早くとまれ!!」

「間に合わないっ!!」


もちろん大安宅船の側はよけるつもりなどない。ロゴの領地の魔の森で伐採した木材は固く、しかも船の造りも堅牢なので、薄い板を張り合わせて作ったような小舟など、障害物にもならないのだ。


「漕げえぇー」

水夫頭が声を上げる。

イズモの漕手たちは、うめき声をあげながらも全力で船を進める。流れに逆らっているから辛いのは辛いのだが、それでも勢いに乗った大船は、情け容赦なくオルレアンの船団を引き裂いた。


「そのまま、岸に寄せろ!」

テイズが頃合いを見計らって叫ぶ。

イズモは、敵の船を押しつぶしながら前進した。

岸に近づけば近づくほど、船が密集してくるため、着岸するのは無理なようだ。


「よしっ、ここで出るぞ!」

ネイが叫び、大安宅船から飛び降りた。


「ネイ! 敵を打ち砕け!!」

テイズは激励の声を掛けると、船の進路を変えた。オルレアンの船団を突破して、上流側に占位するつもりなのだ。


大安宅船を先頭に、ナント側の船団が一列になって進んでいく。大きな船から順に並んでいるから、突破力のない小早も問題なく進んでいく。船上から火矢を放ち、オルレアン船団を焼いていきながら岸から遠ざかって行った。


「行くぞ!」

ネイは武者たちに声を掛けながら、停泊している船の上を駆け抜けて川岸に降りついた。

荷物の山ができている。水を汲みに来ている小者や、便乗した商人たちが逃げ惑うなか、一気に土手に押しあがって槍を振り回した。


「大暴れするぞ!!」


「「おおっー!」」


叫び声をあげ、ネイたちは、土手を占領すべくそこらじゅうを走り回って、混乱する敵兵を殲滅し始めた。


・・・


「川から来たか。」

エウニウス・ムモルスは静かに呟いた。

動揺はしていない。

水軍が奇襲を掛けてくることは、全く予想していなかった。

予想していなかったのは、それが愚策だからだ。

水軍が運べる軍勢は、それほど多くはない。ナント側の全ての輸送能力を上げたとしても、100名にも満たない兵しか運べないだろう。馬も載せると更に人数は少なくなる。冷静に対応すれば、半刻もしないうちに全滅するであろう。


ムモルスは手に取った板を放り投げた。この状態だと傭兵団ごとの活動は不可能だ。手近かの者に戦わせるしかない。

少年兵が曳いてきた馬に乗り、川岸の土手の方に向かった。ここは、個々の傭兵を戦闘に向かわせることが必要なのだ。


「皆の者! 敵は少ないぞ! 落ち着いて殺していけ!! 敵将を打ち取った者には、100デナリウス、敵兵一人につき、20デナリウスだ!!」


これこそが傭兵軍の将の仕事だった。

傭兵は、傭兵団ごとに仕事を請け負う。傭兵団の成果に応じて報酬が支払われる。そして、傭兵団の内部でその貢献度に応じて分配額が違ってくるのだから、突然現れた敵に対して個別に武勇を示し、危険を冒して敵と戦う理由がないのだ。金にならないのなら、逃げるのが最も合理的な行動であろう。

だからこそ、ここで指揮官が必要になるのだ。強襲してきた敵と戦うことがビジネスとして成立することをここで宣言し、戦闘が成立するように持っていくことが必要なのだ。



「集まれ!!」

ネイが叫んだ。

ひとしきり暴れまわって、土手の少し高くなっているところを見つけたので、そこに配下を呼び集めた。

武者たちが背中を合わせて小山の上に立つ。

「ここで時間稼ぎだ。」

ネイがにやりと笑った。


ようやく状況を理解し、ムモルスの声に対応しはじめた傭兵たちが、緩やかな包囲陣を作り始めている。ナント側の密集した強襲部隊は精鋭揃いで、有利な場所を占めている。その一方で、傭兵たちは、日ごろから気心の知れた傭兵団の仲間ごとに集まっていないから連携がとれない。一人で突撃して血祭にあげられるのは嫌なので、じわじわと包囲を縮めていく。

その包囲網のすぐ外で、ムモルスは無感動な目で敵の強襲部隊を見ていた。彼らは勇敢に抵抗するであろうが、全滅は時間の問題だろう。


・・・


エウニウス・ムモルスがそう考えていたとき、宿営地の反対側から騒めきが伝わってきた。


そもそも宿営地といっても、一か所に綺麗にまとまっているものではない。

そこはこの時代ならではの無秩序がここでも存在していて、傭兵団ごとに居心地の良い場所を探してふらついた挙句、適当に集まって天幕を張ったりしているものだから、2000人の兵に本来必要な面積以上の広さで軍勢が分散していたから、その端の方で何が起きているのかは、いまいち伝わりにくい。

実際には、その時点で、既にテウデリク率いる2500名の市民兵が襲撃を仕掛けていたのだった。


「ご主君! 傭兵団がすでにいくつも崩壊しています!」

ムモルスの腹心が馬に乗って報告に来た。防具は外している。戦闘よりも状況把握を優先させたようだ。そういうところもムモルスの部下の優秀さが表れている。


「なんだっ! 盗賊団か?」

ムモルスが叫んだ。それ以外考えられない。他にこの地域で活動している大部隊などあろうはずがない。


「わかりません! ただ、赤い丸の旗がっ!!」


赤い丸。

記憶にある旗印だった。

先日、ロゴ辺境伯の領地に援軍として行ったときに使っていた旗印だ。


ムモルスは、自分でも顔が青ざめるのがわかった。

「まさか・・・。ロゴの軍勢が、ここに来たというのかっ!」


ムモルスは手の震えを抑えながら、馬に鞭を当て、戦闘音のする方に向かった。思考が停止していて、とにかく敵影を自分の目で確かめたいとだけ考えていたのだ。腹心が何やら叫びながら追いかけてくるが、それも耳に入らない。

混乱中の傭兵や、商人、娼婦、荷運びなどの群れをすり抜けながら、ムモルスは宿営地の端に向かって疾走した。


既に最前線がどこかもわからない混戦状態だった。

ナントの兵たちは、数名ずつ固まって長い槍を構え、呼吸を揃えて、ズン! と押し込んでくる。そこで傭兵たちの戦列が崩れると、孤立した兵士、姿勢を崩した兵士が槍の餌食になる。そして、また傭兵たちが陣列を立て直すと、ナントの兵たちも固まってまた押し込んでくる。奇襲の驚きが残っている傭兵たちは腰が定まらず、完全にナント側のペースで押し込まれて行っていた。泣きながら後方に走っていく傭兵たちもいるが、誰ももうそれを止めようとしない。


「ちっ!」

ムモルスは舌打ちをした。

これはもう無理だ。

自分の子飼いの部隊があるのならともかく、借り物の傭兵を指揮してこの状態を立て直すことはできないだろう。

ここは退却するしかあるまい。


そう思って周りを見渡すと、黒い巨大な馬が、巨漢を載せて走り去るのが見えた。巨漢は、既に首を失ったまま、不思議と落馬もせずにそのまま馬の上にあった。手には歪な形をした鉄塊のついた棒を持っている。


「ジェッファか! 奴もやられたのかっ!!」

ムモルスは内心でうめく。もう完全に勝負がついているようだ。


周りの傭兵たちも騒ぎ出す。

「あれは、ジェッファの死体だ! 虹色モンキー団も、もう駄目だあ!!」

傭兵たちは口々に叫んで逃げ始める。敵兵たちは容赦なく後ろから襲い掛かり、雑草でも刈るかのように敵を討っていった。


「なんとか、かんとか、ムモルスとやら、その首、貰うたぞっ!」

甲高い声で、自分の名前を呼ばれた。

見ると、5歳ほどの幼女が防具もつけず、剣だけを持ってこちらに疾駆してくる。馬の手綱さばきは巧みで、小さな身体がほとんど揺れていない。


「な、なんだ、あの子供はっ!」

ムモルスは自分に一騎打ちを申し込もうとしていると思われる幼女を見て、一瞬あっけにとられた。しかも勝つつもりらしい。


奇襲を受けた歴戦の智将は、そこで抜群の冴えを見せた。なにやら本能的に、あの幼女は危ないと察知したのだ。5歳の幼女に背を向けるのは業腹だし、名誉に関わることだが、その幼女の迷いのない突撃振りが、妙に洗練されているように感じられたのだ。


戦国時代、騎馬武者は敵に突撃して、その首を獲ることが最大の見せ場であったから、その殺害の技術は巧緻を極めていた。後に、「血塗れ姫」との異名をとることとなる、キルペリク王の娘ランマリアこと森蘭丸も、当然鍛錬に鍛錬を重ねて首獲りの手法には習熟し切っていたし、昔から信長の小姓として戦場に出て、実戦でも何度も敵の首級を上げてきているから、幼女の身体となってはいても、初老に達したガロ・ローマ貴族の首を獲ることなど造作もなかったであろう。


その危険を感じ、ムモルスは馬をくるりと返した。

退却の指示は出さない。傭兵団は自分の兵力ではないから、それを捨て石に使うことに何の躊躇いもない。圧倒的な敵戦力に奇襲を掛けられ、大混乱に陥っているのに踏みとどまる方が悪いのだ。


ムモルスは後ろから腹心の部下がついてくるのを確認しながら、オルレアンの町めがけて逃走した。

ご一読ありがとうございました!

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