出逢い
「__ゲホッ…っく………」
ここは砂漠の中心地、ドライナブ。
汗を流してゆっくりと歩みを進める。
持ってきた水などもうとうの昔に飲み干してしまっているわけで。
オアシスが無いかなんて、無謀な夢を見る。
「……も、無理ぃ…」
バタンと砂の上へ倒れ込んでしまった。
もう力が尽きてしまい、足も動かない。
意識を手放す直前に、男の声が聞こえた気がした。
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目を覚ますと、彼女はベッドの上に横たわっていた。
鼻腔を突く香の香りに、若干の戸惑いが見てとれる。
そこは何かの研究室の様にたくさんの書が置かれていて、薬草などの標本が机の上に落ちていた。
肩までの金髪を揺らし、彼女が上体を起こすと、そこはまるで空の上のように見えて 彼女は目を疑う。
タイミングを見計らったかのように、男が入ってきた。
「──ああ、起きた?」
その男はとても好青年のような雰囲気を纏っていて、どこか不思議な風貌に見える。
「……あんた、誰?」
「僕かい?僕は…アルゴス。」
「そうかい。ところで君…何で倒れてた僕を拾ってきたんだい?」
とてもただの慈善とは思えなかった。
「それは……君に頼みたいことがあってね。」
「───頼みたいこと?」