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「ほら、皇紀くんもっと寄って?」

「いや、それは…近くないですか?」

「ケータイで撮るんだもの。近くて悪いことはないわよ」


…。


美佐さんのこの反応はどう受け取ったらいいんだろうか。


今朝顔を見知っただけで、この馴れ馴れしさというか…ちょっと苦手な部類の反応だ。


まあ、珠姫の従兄妹だけあって美人さんだから、自分が邪険にされるとは少しも思わないんだろうな。


一枚だけだし…我慢だ、我慢。


大河が美佐さんの携帯をかまえる。

可愛らしいシャッター音が俺に終わりを告げてくれる。


大河の腕はなかなか良かったのだろう。

撮り直しはなく、今度は千里ちゃん(年下だからな…珠姫のひとつ下だと)が俺の横に来る。


彼女は人並みの常識持ちなのか、それなりの距離感で俺の横に並ぶ。

美佐さんと違って、普通のシャッター音が響く。

これまた満足のいく出来だったのか、撮り直すことはなかった。


そんなに時間もとられず終って、今回マジで大河に感謝した。


心の中でだが。




つつがなく大河とも写真を撮り終え、珠姫のほうはと見れば、こちらを見ていたのだろう、珠姫と視線が合った。


あちらも撮影会が粗方済んでいたようで、それぞれに従兄弟殿たちが自分の携帯画面を満足そうに見ている姿があった。


本当にご苦労様だ。


きっと彼らは今日の写真を待ち受けにでもするんだろうなと、珠姫の携帯騒動(?)を思い出して苦笑した。


「ん?」


珠姫が椅子から立ち上がった。

携帯画面を見てにやついていた(すまんがそういう風にしか見えない)従兄弟殿たちもそれには当然気が付き、珠姫に視線が注がれる。


しかし、珠姫はその視線を無視する。


てか、珠姫が周りの視線を気にすることはまずない。


まあ、それはおいといて、珠姫は俺のところに置いてあった自分の鞄から携帯を取り出し、大河に渡した。


「…は?」


さすがに大河も何が何やら分からず、間抜けた声を漏らした。


「…うそ…珠姫、ケータイ持ってたの!?」


ああ…美佐さんが素っ頓狂な声を出す。

それを合図にか、他の連中も我に返ったのか騒ぎ出した。


「うわっ…珠姫の携帯…ば、番号…」

「ちょっ!いつの間に…」


外野が騒がしくなったのにも拘らず珠姫は振り返ることはなく、流石だった。


「写真」

「え?俺?」


大河、間抜け面になってるぞ。


「私も」


端的に言って、珠姫が俺のところにやってくる。


やっぱり短い言葉しか言わない珠姫にため息が出る。

でも、大河も俺のところに移動する珠姫に意味が分かったらしい。

珠姫の携帯を操作して準備を始めた。


「皇ちゃん」

「ん…てか、おいっ!?」

「!!?」


大河とかと撮って、珠姫と撮らないなんて選択肢があるはずもなく、傍に来る珠姫を椅子に座って待っていれば、予想外なことが起きた。


いや、冷静に考えていれば、予想外は言い過ぎた。


普通に起こりえることだったのだが、ちょっと油断していたらしい。


珠姫が椅子に座った俺の膝に座って抱きついてきたのだ。



覚えがあるぞ、この体勢…。




母さんっ!あんたのせいだよっ!!





いや、懐かしい…こぼれ話03の出来事です。覚えてますでしょうか?(笑

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