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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
…ぷっつりと音信不通などという事態に陥ってしまいました。申し訳ありませんでした。
ちょっと仕事がまだ立て込んでいて小まめに更新とはいかないかもしれませんが、頑張りますので、見捨てないでいただけると嬉しいです。
「皇紀くん!どうかな?可愛い?」
「…そうですね」
目の前でレースがいっぱいの、いかにもなドレスを着て裾を持って見せてくるのは昨日…いや、今朝あったばかりの女性。
なんで俺こんなところにいるんだろうな…。
「もう!似合うなら似合うってはっきり言ってよ~」
頬を膨らませてこちらを軽く睨むその姿は確かに可愛らしいといってもいいのかもしれない。
「――美佐さんは先程持っていたドレスのほうがお似合いだと思います」
「本当っ!じゃあ、それ着てみよっかな~」
パッと変わる表情に感心しつつ、彼女―美佐の意識が逸れたのを幸いに視線を反対側に移した。
そこには、5人の男たちに囲まれた珠姫が居る。
珠姫も美佐に負けずひらひらのドレスだ。
美佐には申し訳ないが、文句なしに珠姫のほうがひらひらのドレスが似合っている。
そしてそれを息つく暇も与えず称える男たち。
本当に、なんだろうこれ?
「おい、皇紀。変な顔してるぞ」
素直すぎる俺の表情筋を指摘するのは横の椅子に座っている大河だ。
「いや…凄いなぁと思って」
「日常茶飯事だ」
「…」
事も無げに返されて、俺にどうしろと?
さて、俺が今何処にいるか。
はっきり言おう。
実は俺にも良く分からない。
別に冗談を言っているわけじゃないぞ。
本当のことだ。
珠姫と旅館の人が出してくれた車に乗り込んで、さあ何処に行こうかと考えていたら、行き先は伺っていますとか言われて、「澪さんてば用意がいいな」とか疑いもせず車に揺られたわけさ。
そして着いた先には珠姫の従兄妹たちが勢ぞろい(若干名居ないが)してたって寸法だ。
すっかり騙されたってこと。
笑顔で俺たちを待っていた従兄妹さんたちに、それじゃあと去っていくことなど出来るはずもなく、そのままここに連れ込まれた。
ここはなんて言うのかな…貸衣装屋?
古今東西色んなところから集めたという衣装を着て、お茶をすることが出来るとかいうお店で、実は俺も着替えてたりする。
タイトルを付けるなら、『なんちゃって英国紳士☆』ってところか。
横に座る大河はマフィア系とか言っちゃ悪いけど、ほんとそんな感じのスーツ着てるし。
結構似合ってるもんだからタチ悪くね?
多分、あの口元に貼り付けた人の悪い笑みのせいだと俺は思う。
で、その大河の横には満足ですって顔した女の子がチャイナ服着て座ってる。
彼女は千里という名前で、三男の娘さんだと。
ちなみに、美佐さんは大河の姉らしい。
そうそう、ちなみに彼女が満足そうな顔をしているのは、珠姫の着付けをしたのが彼女だからだ。
彼女は人を着飾らせるのが好きらしい。
俺の『なんちゃって英国紳士☆』の服装も彼女が選んだ品だ。
「皇紀さん、凄く似合ってますよ。その格好」
にっこりと笑って千里が言う。
俺は笑うしかない。
「ありがとう」
目の前に置かれた紅茶に手をつける。
受け皿を片手に、もう片方の手でカップの取っ手を持って口をつければ、効果音がつきそうなくらいの勢いで繰り出される腕に、グッジョブと親指を立てる千里の仕草に、乾いた笑いが洩れそうになった。
「完璧です!!」
「はは…ありがとう」
賛辞までもらってしまった。
「やるなぁ…皇紀」
そこで感心するな、大河…。
数日分はストックを作ることができたので、誤字・脱字など確認しつつ投稿していこうと思います。よければお付き合いください!




