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行き先の見えない…いや、なにも言うまい。


温泉巡り旅行へ出発したその日。


俺たちはまだ高速道路のサービスエリア。


カツ丼も食べ終わり、今はペットボトルのお茶を片手にまったりしてたりする。

お腹も落ち着いたし、そろそろ出発してもいい頃合いでは?ってとこなんだが、実は出発出来ずにいる。


どうしてか。


ズバリ言おう。


それは、真さんが食事をとろうという時に、携帯を片手に席を外してから、まだ帰って来てないからだ。


俺の前にはとうに冷めてしまった生姜焼き定食が――といいたいところであるが、さっき珠姫と2人で食べてしまったから空だ。


別に俺と珠姫が勝手に手を伸ばした訳ではないので言っておこう。

澪さんが冷めちゃうから食べていいって言ったんだ。


物欲しげに見てたのは珠姫だけだからな!



…こほん。



まあ、それは置いておいて、本当に真さんはどうしたのだろう。

携帯画面を見て顔をあからさまにしかめていたのを思い出す。

やはり何か問題でも起こったのだろうか?


ぶっちゃけ、嫌な予感はビンビンだ。


すごい何かに巻き込まれるような気がする。

だからといって1人帰れるような状況でもないんだよな…。


はぁ~。


溜め息吐いたら、幸せがその分逃げていくと分かっちゃいるがやめられない。


「マコ!遅いわよ!!」


お。真さんが帰ってきたらしい。

澪さんがすかさず文句を言っている。


「ごめん…」


うわ…。

明らかに何かありましたって顔で帰ってきた。

聞きたくないが、そういうわけにはいかないんだろうな…。


「で、誰からの電話?」

「…父から」

「…なんて?」


澪さんまで顔をしかめた。


真さんの父?

それって珠姫の祖父だよな。

実家からの電話って何があった?


「これから来いって」

「はあ?これから旅行に行くから無理って言ったの?」

「言ったけど、キャンセルしてこっち来いって…」

「何よそれ!?こっちの予定丸無視!?何様!!?」


澪さん恐い…。


形相が変わっちゃてるよ。


しかし、澪さんのこの様子、もしかして真さんの実家と仲悪いのか?


「なんか今回みんな集まるらしいんだ。―それに、前回の召集、無視したから今回は―」

「あれは仕方がないじゃ…」


召集ってなんだ?


みんなって?


もしかして真さんて大家族のお家か?


実はうちの父さんの実家も大家族だ。

父さんは6人兄弟(姉妹もいる)の次男坊で、みんなそれぞれ子供がいて、すごい数なんだ。

お盆や正月とかはみんな実家に帰ってきて、とても賑やか。

俺たち家族もお盆と正月は何も予定が入らなければ、いつも帰ってる。


と、俺の家の話はいい。


真さんと澪さんの話を聞くに、真さんの実家に帰らないといけないってことか。


ということはだ。

ここから1人で帰ることも算段に入れておかないといけないかもしれない。

送ってくれるかもしれないが、急ぎなら俺は母からの軍資金があるから適当な駅で置いてってもらえればどうとでもなる。


うん。


温泉はちょっと惜しいような気もするが、またの機会があるだろう。

今回は当初の予定通り、サッカー中継の録り貯めた分でも消化することにしよう。


俺が心の中でこの後の行動を決めている間も2人の会話も止まらず進む。


澪さんがおっきなため息を吐く。


幸せ逃げますよ~。


俺に言う資格はないかもしれないが。







「…分かったわ。でも皇くんも一緒だからね」

「それはもちろんだよ」








あれ?俺、帰れない???




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